カタツムリ系@エンタメ・レビュー (ポップ・サイエンスはデフォルト)

映画・本・動画といったエンタメのレビューを友人に語りかけるように書きためています。映画は、おすすめポイントと大好きなカットに焦点。本や動画でポピュラーサイエンスやオカルトをエンタメとしてカバーしているのも特徴。

【クオンタムユニバース 量子】ポピュラーサイエンスの傑作

こんにちは、カタツムリ系です🐌

科学の分野にポピュラーサイエンスというものがあって、要は、小難しい科学のあれこれを優しく解説してくれるものです。

ポピュラーサイエンスとは - コトバンク

今回のトピックは相対性理論と並ぶ量子論

もっとも、科学も昔と違って、手放しでリスペクトされる存在ではなくなり、また、素粒子物理で要求される大型加速器など、オカネもたくさん必要です。アインシュタインのように、書斎でペンと紙とパイプがあればいいというものではありません。だから、大衆にも科学を知ってもらう必要が喫緊の課題としてあるのかもしれません。そして、当然、著者は優秀な方でしよう。それにしても、どうして、こんなに面白いのか。ベタな言い方ですが、割に熱意のある方の多さに比例しているのかもしれません。本書↓の著者、ブライアン・コックス博士もそうした優秀で熱意あるポピュラーサイエンスの旗手😊

クオンタムユニバース 量子

クオンタムユニバース 量子

 

 

出典はアマゾンさん。

 

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【目次】

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前回は、この著者による、アインシュタインのE=mc^2の解説

→E=mc^2の記事引用

優雅な感じで、しかも内容の解説も丁寧で一粒で二度も美味しい思いをしました。

 

相対性理論の次は量子論。まずは、複数の場所に同時に存在すること

P-47

一個の粒子が「多数の場所に同時に」存在すればいい(中略)量子物理学を専攻する学生は、しばしば不愉快を不明瞭と勘違い、量子の世界を日常の言葉で理解しようとする。だが、混乱の原因は新しい理論を受け入れることへの抵抗であって、理解そのものの難しさではない

量子論の奇妙さを言い表した言葉で、私が出会った中では、もっとも、明快なもの。そう、私も、粒子が同時にあちらこちらに存在したり、粒子は同時に波であるということに「不愉快」を感じていたかも💦ただ、理解そのものも難しいとは思います💦なんて言うか、あるところまではロジカルに進めることを要求され、急に、ある一点で、「それは、そうだから、そうなんだ!」みたいな思考停止を求められるところでしょうね。  

またもや、突然の思考停止のリクエスト💦

P-51

電子の波の実体が何であるかにこだわらなければ、ある種の波によって電子が存在する確率を場所ごとに示すことは難しくない

どこで手を打つかは、もはや、慣れしかないようです。本音を言えば「赤信号、車は急に止まらない」のですが。

P-52

電子が「波のどこかに存在」するとは、「波のすべての場所に同時に存在する」ということ

はい。慣れるしかなさそうです💦しかし、慣れとは恐ろしいもので、こんなSF映画ちっくな説明も、あまり違和感を覚えなくなってきました。

しかし、それは私が無知だから、専門家のいいように押し付けられているのではなく、専門家にも向けられた義務らしい

P-146

いずれにせよ、あまり多くの疑問は持たないほうがいい。この「疑問を持ちすぎない」という才能が物理学では重要だ。どんな問題を解く場合にも、対象が完全に孤立している状況などありえない。だから、どこかに線を引き、その外側を無視する必要がある

こんなこと言って、業界の偉い人から怒られないのでしょうか。もしくは、筆者がすでに大物なのかも💦しかし、このストレートな物言いは、読者の理解を促進してくれ、物理に対しての偏見、先入観やイリュージョンから自由にしてくれます😊

 

最後に

この本は、先のE=mc^2の本とは違って、数式が、遠慮なく出てきます。特に波動関数。時間とともに電子がどこに存在する確率が変化していくかを計算するもの。

波動関数(はどうかんすう)とは - コトバンク

いまは、さっぱり手が出ません💦しかし、筆者のブライアン・コックスさんの優雅な筆致に会うと(そして、恐らくは翻訳者の方の語学力と)興味の高さは維持されています。いつか、数式にも、初歩レベルでもよいので、着手してみたいと割に真剣に考えています。ほとんど、ブライアン・コックス博士のファンですね💦

 

また、次回。

 

#クオンタムユニバース 

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#量子飛躍

#不確定性原理

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#波動方程式

#行列力学 

#多元的宇宙論

【量子力学の解釈問題②】光速超えという不都合な真実

こんにちは、カタツムリ系です🐌

世にも奇妙な物語テイストのオープニングが終了し、ようやく、本題に入ります。アインシュタイン相対性理論なんかも顔を出したりして、スッチャカメッチャカです💦特に、アインシュタインが宇宙の最高速度に指定した光速を、あっさり追い抜いてしまう「光速超え」。こんなケースが、チラホラ顔を出します。色々、不都合です💦

量子力学の解釈問題―実験が示唆する「多世界」の実在 (ブルーバックス)

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出典はアマゾンさん。

 

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【目次】

  • 量子の世界の奇妙さのまとめ
  • 不気味なリンク
  • 宇宙の速度制限を破っている他の例
  • 光速より速いものがあると色々不都合な理由
  • 最後に

 

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【量子力学の解釈問題①】世にも奇妙な物語💦ディープ💦

こんにちは、カタツムリ系です🐌 

「解釈問題」??

だいたい物理学なんて、その厳密さが『売り』のはず?!数字に基づいて、自然を支配する、一見、まとまりの無さそうな法則をクリアカットに見せてくれるもののでは?

「解釈」というと、そんな厳格にイメージとのブレがあるように感じます。世にも奇妙な話💦

P-6

量子論の奇妙さは、この理論自体に問題があることを意味するのだろうか?

かなり深刻💦じゃあ、量子論はそもそも欠陥あるってこと?!

P-7

多世界解釈」は米国で発明されたが、成熟したのはヨーロッパ、特にオクスフォードにおいてである

ただでさえ奇妙な上に、もう一つ上をいく「多世界解釈」。宇宙は一つでなく、いく通りもあるという「解釈」。しかも

  •    アメリカは「明快なエンタメ」派  

              vs 

  •    ヨーロッパは「明晰な重層性」派

という勢いをかってか、「量子論」という「奇妙な理論」は「重層性」を好む「ヨーロッパ」で、さらに「ディープ」になっていくようです💦

量子力学の解釈問題―実験が示唆する「多世界」の実在 (ブルーバックス)

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【目次】

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話は奇妙なカードゲームから始まる

奇妙な話を、手品みたいなトピックで始めるなんて、完全に確信犯です💦その手品チックなカードゲームは(かなり略しましたが)次の通り。最悪、読み飛ばしてください💦

  •     スクラッチカードの上に、ロザリオのように、それぞれ60個の銀色の玉を紐で通した、二つの「円」が書かれています↓
  •    スクラッチ・カードを真ん中から半分に割って、「円」を二つに↓
  • 60個の玉は、こすると、白か黒に。白と黒は30個ずつ↓
  •   参加者は二人。二人が別々にこすって、色が違えば、500ドル獲得。参加費は10ドル↓
  •    例えば、黒を狙うとすると、単純にその期待値を計算すると、30/60(一人が黒を出し)✖︎30/60(もう一人も黒を出し)✖︎500ドル(賞金)ー10ドル(参加費)= 115ドル(これが、期待値。計算がラフ過ぎる?!)で、まぁ、ぱっと見、割の良さそうなゲーム。

しかし、こうした見た目に騙されてはいけない、実は負けがかさむのだよ、というお話。なんだか騙されているようだけど、せめて最後には、クリアカットな説明が用意してあるのだよ!という伏線であることに、期待したい💦

 

奇妙なカードゲームで言いたいこと

P-18

『不可能なことを排除したあとに残った可能性は、たとえどんなにありそうにないとしても真実である』。

シャーロック・ホームズも似たようなことを言ってます💦

P-18

この結果を得るただ一つの方法は、二枚のカードが、状況に応じて色を変えるメカニズムを内部にもつこと

このことだけインプットすると、このスクラッチ・カードは

  •     超能力に近いAIであり
  •     明確にイカサマ

に思われます。そう、こんな『後出し』はずるいのでは?だいたい、先ほど計算された期待値なんて、意味なさそう💦そこで、筆者は言います。

P-25

このスクラッチ・カードは単に、我々の日常生活のすべての物質が振舞っているように振舞っているに過ぎない。すなわち、光と物質それぞれを構成する基本的な単位である光子や電子を使って実現される

このスクラッチ・カードは我々の日常生活の物質の振る舞いそのままだ、と。。。。。。かえって、分からなくなりそう💦

 

ようやく、冒頭の総括が

ということは、このディープな本の、ディープなオープニングは

P-26

この謎は(中略)量子論と呼ばれる現代物理学の最も不思議な特徴であり、半世紀もの間、この振る舞いを説明しようとする物理学者や哲学者による試みは、ほとんど奇っ怪(中略)この本の目的は、この手品がどのようにしてなされるのか、もっと常識的な説明を見つけること

だそうです。ナンダカ、シェークスピアとかミルトンの大仰な振る舞いの多い演劇の、大仰な台詞回しを聞かされているよう。

この大げさな物言い、ちょっと奇妙な仕掛け、ちょっと賢そうな総括。とはいえ、この本の奇妙さ、量子論の奇妙さだけは(納得感は別にして)よく伝わりました💦

 

最後に

この本、324ページあります。そして、この奇妙なエピソードは16ページを割いてます。内容・質ともども、なかなかディープです。救いは、こんな状況を、鵜呑みにするのではなく、「もっと常識的な説明を見つけること」という気持ちはあるようなので、引き続き読み進めます。ただし、文章の調子は、どちらかと言えば格調高く、なかなか読ませます💦😊

 

また、次回。

 

 

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【宇宙の「果て」になにがあるのか②】気の遠くなるような話。神秘的でさえあるストーリー。

こんにちは、カタツムリ系です🐌 

宇宙の「果て」を話題にするくらいですから、「時間」については触れざるを得ないですよね。さらに、「始まり」と「果て」はこの手の議論ではセットだそうですから、「始まり」にも配慮する必要でてきます。そして、また、極端な水準で「始まり」を見ていくことになります。

宇宙の「果て」になにがあるのか 最新天文学が描く、時間と空間の終わり (ブルーバックス)

出演はアマゾンさん。    

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【目次】

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宇宙誕生当時の時間の水準感

まずは、宇宙「誕生時」から

P-97

もし時空が量子的に誕生日した宇宙が始まったのであれば、誕生直後の宇宙の典型的な時間スケール

を抑えていく必要があります。水準感とか、頃合いとか。

プランク時間

P-97

プランク時間といい、それは一秒を10の44乗で割った程度の時間である(中略)宇宙の典型的な時間スケールはこの程度

ここまでくると、重力も、量子的に振る舞い始めるという区切りの時間だとか。なお、プランク時間は、プランクスケールとも言うようです。

プランク時間(ぷらんくじかん)とは - コトバンク

しかも

P-99

ブランクスケールが重要になるのは宇宙誕生時だけだと考えられている

上に、

P-99

素粒子加速実験機で、現在のところ、最高エネルギー一万ギガ電子ボルトに到達しているLHCは、山手線の一周に匹敵する巨大な加速器

一周は27kmだとか💦

プランク時間の再現性

P-99

プランクスケールに到達するには、じつにこの1000兆倍にエネルギーを上げなければならない。粒子を加速する効率が変わらなければ、必要な加速器の大きさは約3000光年となり、これは太陽から銀河系中心までの距離の八分の一

これが何とかならないと、大統一理論とされる量子重力理論は完成が難しいらしい💦

 

星々の死

宇宙誕生時に触れたので、今度は、個々の星々の死に目を向けます。

P-161

太陽質量の場合、半径3キロメートル以下のサイズにまで潰れてしまうとブラックホールになるわけだが、多くの場合はその一歩手前、半径10キロメートルで重力崩壊が止まり、中性子星と呼ばれる星が誕生する

ちなみに、太陽の半径は70万キロメートル。

P-162

この星が重力に対して持ちこたえれる秘密は、1立方センチメートルに1兆キログラムという超高密度にある。

前回の記事↓を思い出すと、アインシュタイン方程式では、宇宙の時空の曲りくねり具合がすごいと、物質のエネルギー密度もすごいのだ、と。

【再掲】

 

今回の場合も、強烈な高密度になって(ここでは質量ですが、アインシュタインによれば、質量とエネルギー場合同じらしいので)、宇宙空間がかなり歪む。そうするとブラックホールができる、と。きちんとしたストーリー💦

 

宇宙の将来像

量子的に始まり、重力崩壊して大人しくなる星々。しかも

P-225

加速膨張を始めた宇宙

であり、星々が次々に終焉を迎え、そして宇宙の加速膨張によって、互いが遠くに存在するとなると、まさに寒い真っ暗な空間が続くでしょう。しかし、そんな究極的な終焉の前に大きな究極の危機があるとか。

P-228

人類にとっての究極の危機は、陽子崩壊であろう。

人間は37兆個とも60兆個とも言われる細胞をもち、その細胞は一体幾つの原子をもつのやら。そして、その全ての原子に陽子が存在します。そんな、陽子が崩壊するなら、それは、大ピンチです。しかし、

P-228

ある種の素粒子理論が予想するように、10の34乗年という時間が経つと陽子が崩壊してしまうのであれば、我々の生命活動を担う物質がすべて消滅してしまう

んー。もうその頃に、人類も「種」として終わり迎えてそうだし、だいたい、地球も太陽さえもなさそう💦

 

最後に

宇宙の果て、という語感からは「終末感」が漂っていますが、本書は、宇宙論の概観、すなわち、宇宙論の果てから果てを簡潔に解説されている感じ。どこか、開発者される感じもあり、読後感は、なんか清々しいですね。

 

また、次回。

 

#宇宙の「果て」なにがあるのか

#プランクスケール

【なぜE=mc^2なのか②】重力の正体。神秘性を奪う!!

こんにちは、カタツムリ系です🐌 

アインシュタイン相対性理論には、ふた通りあって「一般相対性理論」と「特殊相対性理論」に分かれるのだとか。一般の方は「重力」メインで、特殊な方は「光」メインなのだとか。ここでは、専ら「光」推しでエピソードが進んでいきます。

なぜE=mc^2なのか?

なぜE=mc^2なのか?

 

出典はアマゾンさん。

 

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【目次】

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大前提のおさらい→光速は不変

P-70

光の速さはあらゆる観測者にとって、お互いの運動とは関係なく不変であるそうですり続ける

こう書かれていると、急に何の話題かさえ忘れてしまいそうですが、例の相対速度って言うのが、光には当てはまらないそうです。

  •     時速5キロで歩いている人が🚶‍♀️↓
  •     時速5キロの動く歩道に乗っかれば↓
  •     止まっている人からは、時速10キロ(=5キロ+ 5キロ)に見える

というアレ。え、それが、当てはまらない?!

極端な例ですが、光は光速で動くとして、光が動く歩道に乗っても、そのスピードは

   ✖︎光速  +  時速5キロ

   ○光速(時速5キロの足し算はなし

にしか見えないのだとか。本当?!

 

しかも時間と空間をワンセットに考えないと、逆に、ツジツマが合わなくなるのだとか

例えば、簡単なピタゴラスの原理を利用すると

  •    真北に時速5キロで歩いている人→(北)方面;時速5キロ(東)方面;時速0キロにスピードを分解できる
  •    北東に時速5キロで歩いている人→(北)方面;時速4キロ(東)方面;時速3キロにスピードを分解できる

という風に、速さを分解できます。これと似たようなことが、時間と空間で起こるのだとか。

  •     早く空間を動く(空間移動に使うエネルギー多め)→時間ゆっくり進む(時間移動に使うエネルギー少なめ
  •     ゆっくり空間を動く(空間移動に使うエネルギー少なめ)→時間早く進む(時間移動にはエネルギー多め

という仕組みなのだとか。

この考え方の延長線で

P-85

実在の物体は動くと同時に確実に縮む。奇妙な例だけど、全長四メートルの車が、奥行き三・九メートルの車庫に入ろうとしているとしよう。アインシュタインの理論は、車が光速の二十二%以上の速さで走っていれば、辛うじて車庫に収まると予測

時間と空間は一体で分離不可能なものとすると、「移動」にエネルギーを使いすぎた車体は、「空間」維持にエネルギーを配分しないので「縮む」のだとか。

量子論の「すべてのモノは、粒子であり、波である」のと同じくらいヘンテコ。しかし、量子論同様、この件も、キッチリ実験で確認されているようです💦

あと、ポイントは、光速に近い速さで動いている、すなわち、空間移動にエネルギーを割いていること。大して早くなければ、そう簡単には、車体と縮んでくれないとか。

 

時空の有り様がこんな風なら、数学がないと何もできなさそう💦

P-97

数学という言語が、物理学の法則の系統的記述にこれほど適しているのは奇跡と呼ぶほかなく、人間には理解不可能な、身に過ぎた贈り物だ

実体験から出た真摯な言葉なのだとは思います。しかし、物理学者の方は、スキを見せると、すぐ数学を褒めがちです💦

 

重力が神秘のベールを剥がれる?!

P-297

ニュートンは、次のように言うだろう。「地球は重力によって太陽の方に引かれ、その力のおかげで、宇宙空間へと飛び去ることなく大きな円を描いて動くのだ」(中略)太陽の重力を止めたら、地球は真っ直ぐにうち空間へと飛び去る

P-298

アインシュタインの説明は全く違い、次のようになる。「太陽は質量の大きな物質で、周りの時空を歪める。地球は時空を自由に動いているが、時空の歪みのために円を描くのだ

アインシュタイン宇宙を、ゴム膜シートのようなものに例えていたと聞いたことがあります。だから、質量が大きいと、その部分は大きく凹んで、周りのものが、その凹みに落ちていくように引っ張られる。質量が小さいと、そんなことにはならないと。

このニュートンアインシュタインの言葉の相違は、アインシュタインがちょっと重力について深掘りしただけ、単なる言い換えのような気もします。しかし

P-300

重力は純粋に幾何学的な性質と引き換えに捨て去られたのだ

ニュートンによれば、重力は「万有引力」などという表現もある通り、神秘的な感じさえする「力」でした。しかし、アインシュタインによれば、単なる宇宙の表面のデコボコを、仮に「重力」と言い換えただけ、と言い切ったような効果があるらしいです。

「神秘的な力」→「表面のデコボコ」ということ?!

それはそれで、面白いですが。

 

最後に

面白かった!著者のブライアン・コックスさんは他にもたくさん著書あるとか。こういう方には、たくさん書いて頂きたいものです。

 

また、次回。

 

#なぜE=mc^2なのか

#アインシュタイン

#相対論

#光速

#重力

#方程式

【なぜE=mc^2なのか①】優雅なアフタヌーンティー的相対論💦

こんにちは、カタツムリ系です🐌

オリジナルのタイトルも「why does E=mc^2?」。アインシュタインの相対論の、ど真ん中の方程式です。学校の英作文のテストだと、✖︎にされてしまいそうな英文ですが、オリジナルのタイトルが直訳されています。

読んでみて感じるのですが、テイストが、とても優雅。変に肩に力がはいることなく、かと言って、変に媚びることもなく、さりとて、決して白けたり雑にならず、優雅に科学を語ります。

著者のお二人は英国で活躍。ヨーロッパの方が本気で優雅に振る舞うと、なかなか手強い💦アフタヌーンティー的とも言えましょう😊💦

なぜE=mc^2なのか?

なぜE=mc^2なのか?

 

出典はアマゾンさん。

 

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【目次】

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E=mc^2のおさらい

<各項目の意味>

E; エネルギー

m;質量

c; 光速

<説明>

アインシュタインが、この世に送り出した、恐らくは世界で一番有名な物理公式。趣旨としては

✔️なんと、右辺の「質量m」は、左辺の「エネルギーE」に変換されるとか。

✔️もちろん、左辺の「エネルギーE」が、「質量m」に変換されるという「逆の流れ」もアリだとか。ということは、エネルギーを与えれば、モノは重くなるのですね?!

 

机上の空論でないことと、優雅さと

P-36

卓越した物理学者リチャード・ファインマンは、かつて次のようなことを言った。あなたの説がどれほど美しくても、あなたの頭がどれほど良くても、あなたが誰であろうとも、その説が実験結果と食い違っていれば、間違っている

どんなにビューティフルで、ごもっともな、ご高説も、実験というフィルターを通して初めて、その意味が認められるという厳密さが、科学にはあるそうです。要は机上の空論は意味がない、現実の世界で機能して初めて意味があるという、それなりに「俗っぽいこと」が語られているのです。しかし、この引用を聴くと、なんだか、昔のヨーロッパの叙事詩でも聴いているような優雅さです。

 

そんな優雅さも、そろそろ終わりだとか💦

P-40

21世紀の科学者としては、19世紀初期をついつい羨望の目で見てしまう。ファラデーは深遠な発見をするのに、欧州原子核研究機構(CERN)で一万人もの科学者や技術者と共同で働いたり、二階建てバスほどもある宇宙望遠鏡を地球の周回軌道に乗せたりする必要はなかった

そう言えば、未だにノーベル賞は団体というより、個人もしくは少人数のチームにしか授与されないのだと耳にしたことがあります。卓越した発見や発明は、卓越した個人が生み出すものというイメージがあるのでしょう。ファラデーは19世紀の実験物理学者で、電気に関する重要な発見をした方。

それにしても、CERN (@スイス)という巨大な実験場では、一万人も働いておられるのですね。もっとも、そこでは、ほぼ光速に近いスピードを出すことのできる、地下100m、全長27kmの大型加速器があるそう。バケモノのような装置ですね。たしかに、人海戦術にならざるを得ない規模という感じはしますが。。。アインシュタインみたいに、鉛筆と紙とパイプがあればいい、というような牧歌的なシーンはもう無いのですね。

ファラデーとは - コトバンク

CERN(せるん)とは - コトバンク

 

優雅、優雅とは言ったものの

ちなみに、筆者のお二人はマンチェスター大学の教授。本書を優雅と言いましたが、マンチェスターは、一度訪れたことありますが、かなりな工業地帯。

あたりが似ています。やや、ガサガサしてました💦

 

次回投稿に向けて

アインシュタインの相対論だけでも、お腹いっぱいなのに、優雅だけど欲張りなこの本。相対論の解説もしつつ、量子論もところどころ登場します。そして、方程式。どこかの博士がおっしゃってましたが、

  •     科学の方程式をきちんと理解するに越したことはないが
  •     とりあえずは、だいたいのイメージが沸けば十分
  •     例えば、分子に「v(速度)」があれば、そのケースでは、スピードが早ければ早いほど、プラスの影響が大きくなり
  •     例えば、分母に「t(時間)」があれば、そのケースでは、時間がかかればかかるほど、マイナスの影響が大きい

くらいで合格点だとか。そのマインドで行きます💦

 

また、次回。

 

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【量子力学のからくり②】スターウォーズのヨーダのような量子力学💦

こんにちは、カタツムリ系です🐌

先に、光電効果という、光の進入vs電子の反発というテーマについて記事しました。理屈はなんとなく分かりましたが、残念ながら、その重要性がイマイチ消化不良💦趣旨は

    ✖︎ 電子=波

    ○電子=波であり、かつ、粒子

であるということ。さらに、量子力学における波は、この本で「幽霊波」なんて呼ばれてます。この後も、この幽霊的トピックが連続します💦

量子力学のからくり―「幽霊波」の正体 (ブルーバックス)

量子力学のからくり―「幽霊波」の正体 (ブルーバックス)

 

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【目次】

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波動方程式という幽霊派を算出するツール

波動方程式の、かなりの簡略版を記載すると

P-102

Ψ = Acos(ωt - kx) + iAsin(ωt - kx)

こうなるらしいです。あんまり、よく分からないのですが、とりあえず、どんなものか知りたいので記載💦

ポイントは、左辺の第2項に複素数「i」があること。二乗するとマイナス1になるという、幽霊のような数字。名前も「虚数」。なんだか密教の呪文のよう。

密教(みっきょう)とは - コトバンク

そして三角関係のサイン(sin)こコサイン(cos)があるので、あの一定の間隔でクネクネする波の形が出てくるのでしょう。

P-110

波動関数は「見ようとすると消える幻の波」

P-111

波動関数が「幽霊波」である(中略)ただ波を数学的に表したに過ぎないのです。波動関数がもたらす回折縞や干渉縞を見ることはできても、波動関数そのものを見ることはできません

なんか、量子力学の本を読み始めた時の記憶が蘇ります。全てのモノは、粒子であり、波であるときいた時のこと。とりあえず馴染んで行こうと思いました。今も同様💦

 

不確定性原理

<一応、定義めいたものから>

P-181

位置の不確定さΔxも運動量の不確定さΔpも測定誤差を表すものではなく、この自然に属するものであるということです。したがって粒子の位置とその運動量は同時に正確に決定することは原理的に不可能

テクノロジーの問題かと思いきや

P-181

原理的に不可能なのですから、いかに測定技術が発達しても不可能

らしいのです。

<どうして、そんなことが?>

ここからは、かなり推測が入ります。観測の際には、顕微鏡を使う訳なので、光を当てることになります。そして、光の波長(波の山から山の長さ、もしくは、谷から谷の長さ)の一つ一つで、観測対象を捕まえるらしいです。さらに、電子は光より波長が短いらしい。したがって、

  •     位置の精度を上げるには→小さな小さな電子にピンポイントで光子をぶつける→位置は分かる→しかし、電子の位置を一瞬かつピンポイントで見ているので、視野は狭く、スピードは分かりようがない
  •     スピード(運動量)の精度を上げるには→ちょっと俯瞰してみないと(距離が把握できないと)スピード(=距離➗所要時間)は分からない→そんなに電子から離れると、もともと極少の電子ゆえ位置はボンヤリ

という風に整理しています。でも、これだと、原理的に位置と運動量は同時に正確に把握できないということには繋がりません。単に、技術の問題ということになってしまいます。分からないものですねぇー汗

 

この「幽霊性」が、多元的宇宙論を準備します

波動関数の確率的解釈というのは、波のいろんな状態が(確率の高い低いはあるとはいえ)並立的にあり得るので、その波の変化を記述するツール。いろんな状態が並立的にある、すなわち、我々の世界、我々の宇宙が並行的に存在しているという解釈にまで発展したようです。分かってはいましたが、理屈に加え、数学的にもかなりの蓄積があるようですね。なかなか奥深く、なかなか興味が失せません💦

 

また、次回。

 

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