カタツムリ系@エンタメ・レビュー (ポップ・サイエンスはデフォルト)

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ポストモダンという昭和の怪物【構造と力】日本のポストモダンの夜明け。浅田彰の天才。

こんにちは、カタツムリ系です。

 

アランドロンばかり扱っていたにも

関わらず、急に、ポストモダンの書籍です。

 

急ですねー。

 

【目次】

 

 

アマゾンさんでの紹介

構造と力―記号論を超えて

構造と力―記号論を超えて

 

 

あ、記号論を超えて、というサブ・タイトル 

ついてたんですね。

 

それほど、当時は、記号論の威力が強かった証左?!

 

爆発的にヒットしたフィールドの常だとは思います。私も

リアルタイムで感じたわけではありませんが、そんな後に続く世代にも

かなり高い体温でアピールせずにはいられない傑作。

 

神というコンセプトからの距離感

 

ニーチェさんのように、神は死んだとか

苦しそうな告白調の文章は一切ありません。

 

神を批判しつつも、神さまを敬ってきた

自身に苦しむ、ヨーロッパ調の精神は

ここでは 全く感じられません。

 

神いないのか、オッケー、次の手を

考えましょう!という勢い。

 

タイトルのネーミングセンス

 

構造と力。

 

なんて、センスのいいネーミング

なのでしょう。  

 

いまでも震えます。

 

○構造

    →すべてのモノ・コトは、お互いの関係

        がすべてなのだと。

 

        そう、モザイクのような構造の中に

       閉じ込められているのだと。

 

        例えば、なぜ、バラの色は赤色なのか?

        それは、青でも、黄でもないから

        だそうです。

 

        ここは、記号論にも通ずるところ。

 

○力

    →すべてのモノ・コトは流動的。

 

        かつて神が定めたであろう、不動の存在

       はないよう。

 

       なにかの力に押されて、コロッコロッ、

       いつも変化を続けていくものなのだ、と。

 

 

タイトルで全てを言い尽くしている感

あります。

 

突然、求心力を授かるモノ・コト。貨幣が究極。

 

貨幣はかつて、取引の単なる仲介役。

 

ポジションとしては、下っ端。

 

でも、取引が活発化すると、貨幣なしでは

いられなくなります。

 

すると、貨幣のポジションが向上し

現代まで、その効力が継続している

ことに注目。

 

逆に、貨幣に支配される勢い。

 

ほぼ魔術的な意味合いさえ、感じて

いるよう。

 

世界を救う気は全く無さそう

 

これだけ、世界のありように、グイグイ

迫りながら、かつての哲学者のように

世界を、救う使命感は無さそう。

 

 

もっともポップで、もっとも強力で、アーティスティックな哲学書
 

我ながら、最大の賛辞。

 

また、次回。

 

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#デリダ

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