こんにちは、カタツムリ系です🐌
今まで、ずっと映画切り口、もしくはムー的切り口で投稿してきましたが、今回は、ちょっと趣向を変えてみました😊
【目次】
好みの文庫シリーズ
それなりに読書量をこなしてきますと、大なり小なり、各々のこだわりと言いますか、趣味が出来上がるもの。
どんなジャンルが好きかと聞かれると、小学生高学年向けの、いわゆる、児童書と答えます。
大人になった今でも、当時とほぼ同じ感動具合で読むことのできる、私にとっては、魔法のようなジャンルです。
そんな中、好きな文庫は次の通り。
「大人?向け」
✔️岩波文庫
✔️講談社学術文庫
「児童書」
✔️岩波少年文庫
✔️偕成社文庫
✔️ポプラ ポケット文庫
今回の文庫チョイスは
講談社学術文庫です。「学術文庫」と名乗るだけあって、アカデミックな内容の本が多いのは確か。
今回の本は、中世のテクノロジーを扱った、すこし毛色の変わった本。
タイトルからは、ややお硬い感じも受けますが、アマゾンさんで選んだ時には、なんとはなく、児童書っぽい、言葉のチョイスに心動かされたもの。
例えば、主人公の男の子が、敬虔なクリスチャンで、大聖堂に通います。お父さんの商売を手伝って、製鉄の技術を勉強中。自宅では、水車で、お母さんの家事を手伝う毎日、みたいな💦
ま、内容は全然違いましたが。
大聖堂・製鉄・水車―中世ヨーロッパのテクノロジー (講談社学術文庫)
- 作者: ジョゼフ・ギース,フランシス・ギース,栗原泉
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2012/12/11
- メディア: 文庫
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出典はアマゾンさん。
中世は暗黒時代じゃない!!
とかく、中世(5世紀〜15世紀)あたりは、世の中が停滞し、沈滞して、文化など知的活動の進歩はなかったようなイメージが蔓延している、と嘆いています。
例えば、
P-11
中世社会を「野蛮と宗教の勝利」
と著名人が言ったりするとか💦
はたまた「暗黒時代」と呼ばれたりして。
しかし、そんなことはない!というのが、筆者の主張。
もちろん、納得。
なぜなら、中世なんて、西ヨーロッパ帝国滅亡(476年)〜東ローマ帝国滅亡(1453年間)までの時期なんていう、ローマ帝国「視点」の、かなり恣意的な決め事に思えますので。
ちなみに、それより前が「古代」、それよりあとが「近代」。
だから「中世的古代」なんていう、こんがらがった使い方も何度か目にしたことあります。日本風に言えば「鎌倉時代的な平安時代中期」みたいな使い方ですね。まぁ、こんな使い方も出来るかも💦
ペストがヨーロッパで、14世紀あたりに流行したのも、そんなマイナスイメージを助長したのかもしれませんね。
テクノロジー万歳
わざわざテクノロジーの本を書くくらいなので、当然、筆者は、テクノロジー好きです。
同時に、歴史好きらしいのです。
そのおかげか、テクノロジーのことばかり書いてある本ではあるものの、テクノロジーを通して、その時代、その時代の、人間の日常生活も浮き彫りにします。
ちなみにテクノロジーといっても、現代の情報処理系のイメージは当てはまりません。印刷技術や田畑の耕作技術も、テクノロジーです。
一応、多くのテクノロジーをもたらしたヨーロッパを持ち上げる
じゃあ、現代人が、そのメリットを享受しているのは、誰のおかげか?という話になります。
学校で習った産業革命しかり、ヨーロッパにはお世話になってます💦
P-364
世界のヨーロッパ化は(中略)一応の完成を遂げており、少なくとも物質的な面ではほぼあまねく受け入れらている
しかし、全面的に褒めるわけではありません。ローマ帝国は評価してない!?
ローマ帝国といえば、キリスト教や封建制度と並んで、ヨーロッパを特色づけるものという議論も、よく耳にしました。
そんな「大」ローマ帝国には、逆に、チクリ。ヨーロッパが偉いのではなく、ヨーロッパの「テクノロジー」が偉いようです💦
P-56
筆者はフランス人ですが、アメリカもアフリカもアジアも視野に
やっぱり「テクノロジー」ファーストの筆者なので?、ヨーロッパ以外にも目を配ります。
P-120
中国が世界の他の地域に、少なくとも十世紀は先んじた重要な技術は鋳鉄だ。
P-126
中世ヨーロッパが真似をしようとしてもできなかった中国の技術がある。陶磁器の生産だ。
なに、鋳鉄技術については、十世紀も、リードしていたと!ホント?!
でも、最後にはキチンと反省も
歴史好きなことが、よいバランスをもたらしたのか、単なるテクノロジーおたくではなく、全体的な視野も。
P-369
最後に
テクノロジーという切り口とは言え、いろんな時代の、いろんな国の生活に関するレポートのよう。
そう、テクノロジー専門「オタ」色はほどほどに抑えられていて、それよりは、祖国に遠い世界の人々の生活を伝えた旅行者マルコ・ポーロといった印象の強い本作品。
#中世
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