カタツムリ系@エンタメ・レビュー (ポップ・サイエンスはデフォルト)

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金田一耕助【病院坂の首縊り(クビククリ)の家】敗戦国日本の悪魔的哀愁と、金田一耕助の「最後の事件」

こんにちは、カタツムリ系です🐌

愛嬌たっぷりの母性くすぐり系で、身なりは構わないモジャモジャ頭の名探偵・金田一耕助。そんな金田一耕助を、持ち前の若々しい二枚目半ぶりで好演の古谷一行バージョンも、本作が最終話。金田一耕助と会えないなんて、なんと残酷なことでしょう💦

賛否ありましょうが、古谷一行さんこそ、金田一耕助の申し子💦

人気シリーズというのは、この金田一耕助モノに限らず、需要もあるだろうし、製作者側にも思い入れもあってか、なかなか区切りがつけにくいイメージがあります。しかし、横溝正史さんの原作でも、この作品をもって、金田一耕助がなんとアメリカに行くという、なんとも微妙な結末で、エンディングが先に宣言されていました↓金田一耕助アメリカ?!あまりに突飛なエンディングと判断されたのか、本作では、金田一耕助アメリカ行きは明言されないままに終わります。

病院坂の首縊りの家 (上) (角川文庫―金田一耕助ファイル)

病院坂の首縊りの家 (上) (角川文庫―金田一耕助ファイル)

 

出典はアマゾンさん。

繰り返しになりますが、古谷一行バージョンの金田一耕助は大好き↓今後もフォローしていくつもりですが、アマノジャクさが働いて、ふと、最終話から見たくなりました。

 

 

おすすめポイント

①若々しさこそ無くなったが、いい感じに老けてきた古谷一行金田一耕助

→少し前のめりで、でも憎めない、これぞ「昔の若者!」感が魅力だった古谷一行バージョン金田一耕助。しかし、寄る年波には勝てず、随分と落ち着いた探偵さんに変わっています。おじさん金田一耕助💦しかし、より優しげないい

感じのオジさんに、うまく変身😊いい年の取り方の金田一耕助😊

②「病院坂の首縊りの家」という江戸川乱歩的「ゆがみ」感溢れるディープなネーミング 

江戸川乱歩が創り出した明智小五郎という探偵も同じく有名。日本の探偵ものの歴史の中で金田一耕助と並ぶアイコン。

明智小五郎(アケチコゴロウ)とは - コトバンク

金田一耕助が独立独歩なのに比べて、明智小五郎には、小林少年なんていうアシスタントもいたりして、金田一耕助ものと違って、さわやかな雰囲気もそれなりに感じられますが、原作はなかなかディープ。タイトルも  

  • 黒蜥蜴(クロトカゲ)」とか
  • 根裏の散歩者」とか
  • 猟奇の果

とか💦そんな戦前日本のディープさが、いいアクセントになっています。ここらあたりは、金田一耕助シリーズと良い勝負。

 

③被害者家族の「法眼(ホウガン)」という苗字の迫力

→かつて初期の金田一耕助シリーズの呪われた被害者家族は、苗字や、住居を構える地の名称からして、澱んだ空気感を醸し出していました。

 などなど。おー、金田一耕助シリーズっぽい。

 この「ホウガン」家。オカルト色は薄まっていますが、どこかタダならぬ雰囲気を醸成するには十分に貫禄のある名前💦

 

トリセツ)

私こと、カタツムリ系的に「ここだ!」というところを、スナップ・ショット的にピック・アップしていきます。

なので、必ずしも、全体を丁寧に網羅しないことも💦

作品紹介

敗戦後八年。戦争から帰還し、写真館に勤める若者の直吉。ある晩、女性から結婚記念写真の出張撮影を受けたことろからストーリーは始まります。場所は、高級住宅街の大病院敷地内ながら廃墟になっているところ。しかも、かつて自殺者がでたとか。不気味に思った直吉が金田一耕助に相談。結果的に、天井から吊られた生首の発見につながります。そして事件は迷宮入りし、20年の歳月が。再び、直吉に危険が及び、殺害されます。事件解決の糸口を求めて、金田一耕助の推理は再開。

病院坂の首縊りの家<名探偵・金田一耕助シ [VHS]

病院坂の首縊りの家<名探偵・金田一耕助シ [VHS]

 

出典はアマゾンさん。

 

東京港区高輪というロケーション設定

従来の濃い作品では、基本的には、岡山県あたりの、恐ろしく田舎というロケーションばかり。もっとも、ぱっと見、あまり都会的ではない金田一耕助にはぴったり😊

とにかく、隔離されたかのような、奥地で事件は突然起こることが多かった。今回も、敗戦後そんなに時間が経過していないという時期設定のせいか、本シリーズ特有の哀愁は、それなりに漂っています。そんな環境下でこそ、金田一耕助の魅力が映えるというもの。

しかし、ロケーションは、東京のど真ん中。もう、別の作品のよう💦改めて、金田一耕助は僻地向きなのかもしれません💦

生首を風鈴のように吊るすという遺言

ロケーションは東京港区高輪でも、ここらあたりの設定は、金田一耕助シリーズならでは。しかし、こういうトリッキーな題材が登場する時には、必ず、これでもか!というくらい、クドクドしく、情念が渦巻いたエピソードが用意されていたもの。それでこその金田一耕助シリーズ?

今回も、エピソードはあるにはあるものの、金田一耕助シリーズらしからぬ、結構、あっさり目の幕引き。コテコテのステーキ🥩から、アサイーボールに。

ピタヤボウル(ぴたやぼうる)とは - コトバンク

事件解決まで20年

この20年という時間軸の設定は、事件に深みと迷宮入り感を演出するというよりは、金田一耕助シリーズのラストを飾るためのファンファーレのような役割。でも、このロングランで、我々をたのしませてくれた古谷一行バージョン金田一耕助にありがとうを言いたい感じ😊

最後に

古谷一行バージョン金田一耕助は、最高ですね😊沢山の名優が金田一耕助を演じられました。しかし、個人的には、後にも先にも古谷一行さんこそが、金田一耕助😊

 

また、次回

 

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