こんにちは、カタツムリ系です🐌
古谷一行版金田一耕助シリーズはもともと好きですが、その中でも、最もお気に入りの作品である、この「八つ墓村」↓。 古谷一行さんの「目ヂカラ」もなかなか。
出典はアマゾンさん。
【目次】
金田一耕助といえば「八つ墓村」のこと。作品概要。
金田一耕助シリーズの最高傑作です。舞台は戦後すぐで、西日本の神戸から始まります。天涯孤独の青年寺田辰弥(タツヤ)は、ラジオの告知から、ある弁護士事務所を尋ねます。そこでタツヤはある名家の血を引くことを知らされます。それ以来、タツヤの周りには、殺人嫌疑、祟りを伝える脅迫文、など不吉な事態が頻発します。名家に訪れるも、そこで遭遇したのは、彼の父による女性の監禁や村人の無差別殺人の事実。それを恨む村人。そして、戦国時代から伝わる落武者惨殺とその復讐の伝説。一瞬たりとも気の抜けない敵地で戦うタツヤ。年月の厚みと錯綜する人間関係の厚みをもつ難解な謎を金田一耕助が丁寧に解き明かしていきます。
エンタメ・エッセンスが、ぎゅっと‼️
次のような、本シリーズのエッセンスがぎゅっと網羅的に揃っています。
- オカルト
- 祟り
- 戦国時代から伝わる落武者伝説
- 戦前日本のスライムのような人間関係
- 狂気
- 怨念
- 嫉妬
- 復讐
- 古谷一行バージョン金田一耕助の2枚目半的好青年ぶり
- 岡山県警日和(ヒヨリ)警部のオトボケぶり。スットコドッコイぶり。
サービス精神溢れるエンタテインメントの王道感。
そう言えば過去記事も
過去、一度、本作品を記事にしたことがありますが↓改めて💦今回は別のアングルでのアプローチ。
武士が切腹するときの服装でピストルを振り回す。狂気のリアルさ。猟奇殺人。
切腹時に身につける白装束(シロショウゾク)。頭に巻きつけたロウソク。ピストル。サムライの時代の白装束というファッションとピストルズという飛び道具の組み合わせだけでも、どこか奇妙なのに、ひとりの女性を偏執的に追いかけないではいられない男性の狂気の目つきも、人をゾッとさせるものがあります。戦国時代の落武者が八つ墓村で、村人に惨殺されたのは8人。タツヤの狂気の父が奪った村人の命は32。高い代償。原始的な狂気。しかし、タツヤが八つ墓村に来てから起こった殺人事件で使われた毒は、トリカブト。その毒性の強さ、そして入手容易性など、祟りからは一線を画す、知性の登場。
双子の老姉妹が当主。妖怪的。
白髪。無表情。命令的な口調。老獪(ロウコイ)。家の存続を無条件に肯定する「戦前的マインド・セット」。罪もない人、むしろ被害者である女性の監禁も辞さず、家の中に牢屋を。座敷牢というらしい。一言で言うと、日本古来から生き続ける妖怪のよう。ツルやカメのように、千年生きてます、万年生きてますと言われても、違和感のない存在感とルックス💦
八つ墓村の祟りを伝える脅迫文
「八つ墓村へは帰ってはいけない。お前が来たら、また、血、血、血だぁ〜」という文面をしたためた、乱れた筆跡。八つ墓村からタツヤを遠ざけようとする強い意志。しかも、土砂降りの雨の日に届きます。このシーンは、作品の最初のほうに配置されていますが、作品全体に緊張感をビルトインすることになります。
死の鍾乳洞(ショウニュウドウ)
落武者が残した財宝のありかである可能性もあり、タツヤの狂気の父の隠れ家の可能性もあり、そして、色んなものを覆い隠してしまいそうな鍾乳洞。鍾乳洞内のエリアの名前も「龍の顎(アギト。アゴのこと)」とものものしい💦
本作品での数少ない救い①金田一耕助青年の清々しさ
いつもご機嫌な金田一耕助。腰も低いし、見知らぬ人ともすぐ仲良くなります。物欲もあまりなさそう。そう、謎、ミステリーにだけ貪欲なのです。ですので、事件がないときは、親父ギャグの一つや二つも披露します。美味しいお酒を振舞われた時に、その酒を銘柄を聞く金田一耕助。答えが出る前に「八つ墓村タタリの酒、なんていうんじゃないでしょうね」と。お笑い的には、点数の低いジョークですが、持ち前の愛嬌で、場は和みます😊
本作品での数少ない救い②日和警部のオトボケぶり
太っちょ。色白。部下には冷たい。でも、どことなく憎めない。特に優秀そうでもなく、雰囲気も言うとこも、どこかオトボケ。でも、こんなオカルトチックで、救いのない世界観では貴重な癒しなんです。結構なおじさん的ルックスですが💦
最後に
何度見ても金田一耕助シリーズ、とりわけ、古谷一行バージョンは秀逸です。ココロにも優しい感じ😊
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