こんにちは、カタツムリ系です🐌
伝説の映画監督「小津安二郎ワールド」が、また、広く受け入れられるようになればなぁ、とほのかに願っています😊それで、今回は作品ではなく、どちらかと言えば、監督さんにフォーカスしています。
【目次】
小津安二郎監督とは
戦前から、すでに活躍されていた大監督さん。
一時期は、黒澤明監督とも並び称されていたようです。
黒澤明監督との比較
とは言え、黒澤監督は
- 七人の侍とか
- 天国と地獄
など、派手なチャンバラや、刑事と犯人との駆け引きなど、分かりやすく「引き」のある内容でした。そういえば、スターウォーズのスティーブン・スピルバーグやジョージ・ルーカスも黒澤監督のファンだったとか。
いずれも出典はアマゾンさん。
これに比べ、小津安二郎作品は
- テーマ→結婚適齢期の娘と父親の心の通う有り様とか
- シーンの切り取り方→畳とちゃぶ台と小鳥のさえずる庭をただ長回しで撮影し、まるで動きがなかったり
- 言葉のチョイス→かなり丁寧で、オールドファッション
- 表現方法→婉曲的。たとえば、お金のことをうるさく言おうものなら、ハシタナイと叱られそうな雰囲気
という具合。あまり、SEO的じゃないですよね(とりあえず、Googleさんの意向に叶うのが、SEO的だとします)。Googleさんはユーザーに向いていて、ユーザーは、ざっくり
- 仕事や資格含めたオカネ
- 美容も含めた健康
- 恋愛
あたりが最大公約数的ニーズだとすると、とても、ユーザーの意向に沿ってない、すなわちGoogleの意向に沿っていないことになります。むしろ「アンチ・SEO的」とさえ思われます💦
とは言え、一番のお気に入りの「秋刀魚の味(サンマのアジ)」を少し
チョイスがなんとも絶妙なタイトル
この、ホノボノしたタイトル。良くないですか?俳句の季語にもなるような、かつては、存在感のあった魚のサンマ。「秋刀魚」という漢字も、風流(だと思っているのですが💦)同時に、如何に、今の生活感とか生活のリズムと乖離(カイリ)しているか、よく分かります。当時(1962年)から見れば、現代は、まさに(人間より7倍早い)ドッグイヤーの駆け足ぶりでしょう。現在で、このタイトルを採用するなり、思いつくなりするには、何重もの仕掛けやハードルが必要なことと思います。
飽くまで日常のトピックに光を
妻に先立たれた男性が娘の結婚に腐心するのが、メインのストーリー。いろんな想いはありつつ、父が娘の幸せを願い、娘が父の行く末を心配するサマが、決して嘘くさくなく、淡々と進みます。派手さやスピード感はゼロですが、高濃度のストーリー展開。サラリとした飲み口ながら、一口飲めばすぐ酔ってしまいそうな、高級日本酒でも口にしたかのよう。
笠智衆という名優の味わい深い枯れ方
笠智衆という、生まれた瞬間からおじいさんであったかのような、世間を超越した感のある役者さん。
そう言えば「男はつらいよ」にも、近くのお寺の住職として出演。いい味だされてます😊
出典はアマゾンさん。
ちなみに、本作のスタートは、笠智衆演じるサラリーマンの会社での1シーン。部下の女性の家族のこととか、彼女の結婚の予定などの話題で、そこはかとない(本当に、笠智衆さんは「そこはかとない」という言葉がピッタリ!!)会話のやり取りが始まります。特に、結婚をいつするかなんて、当時はごく自然な話題だったとしても、今のご時世に、女性に対しクドクド聞いたりするのはマナー違反。でも、笠智衆さんをもってすれば、現代であっても、特に波風もたたないのではないか?などと思わせるくらいの「そこはかとない」オーラをもつ役者さん😊
空気感は「君たちはどう生きるか」にも通じるような気がします。
東京といえども、静かで、気候も穏やかで、言葉遣いも丁寧だったようです。そんなことを、戦前の男の子の成長を描いた、吉野源三郎作「君たちはどう生きるか」で言及していたのを読んだ記憶があります。
出典はアマゾンさん。
ジブリの宮崎駿さんが、映画化を検討されているものの、数年先になりそうなのだとか。そこはかとない空気感を今から期待しています。
#笠智衆
#東京物語