カタツムリ系@エンタメ・レビュー (ポップ・サイエンスはデフォルト)

映画・本・動画といったエンタメのレビューを友人に語りかけるように書きためています。映画は、おすすめポイントと大好きなカットに焦点。本や動画でポピュラーサイエンスやオカルトをエンタメとしてカバーしているのも特徴。

【輪廻する宇宙】輪廻するビッグバン。繰り返すインフレーション。不確定性原理を抱えて膨張する宇宙。

こんにちは、カタツムリ系です🐌 

「輪廻」なんて、かなりムー的😊ただし、実際問題として、ブルーバックスなり、物理学の先生が使うボキャブラリーとしては、エッジが効きすぎていて、周りから色々と騒音が聞こえそう💦実際、

P-10

最新の宇宙論を説くこの本も、もしブルーバックスではなく単行本として世に出ていたら、「前世療法」だの、「憑依」だのと言ったオカルト本と一緒に並べられてしまっていたに違いない。

この先生、きっとオカルト好きですね。だいたい、前世療法なんていう言葉、私ははじめて耳にしました💦実際、チベットダライ・ラマを相当レベルにリスペクトしていらっしゃって、そういうスピリチュアルなテイストが強い本になっています。もちろん、外見はスピリチュアルでも、中身はゴリゴリの物理です💦

出典はアマゾンさん。

本題とはズレますが、ちょっと気の利いた言葉だったので引用を💦

P-12

芥川龍之介は言う、「地獄の与える苦しみは一定の法則をやぶったことはない」と。そして人間のほうが地獄よりも地獄的だ、というのである。

地獄がきっちり合理的とは、驚き。こんな風に言ってもらったところで、私は比較的ノーマルなので、あんまり安心材料にはやりません。ヒトの国が住みづらいからと言って、夏目漱石草枕の通り「人でなしの国は、ヒトの国より住みにくかろう」と思うです。

 

はじめてピンときた「不確定性原理」の説明

それこそ、「運動量と位置は同時に厳密には計測できない」という不確定性原理。何度聞いても、分かりません💦しかし、はじめて、少しは手掛かりになるような説明を提供頂いています!!長めの引用となります💦

P-35

「今ここに一個の粒子が止まっている」ということは、その瞬間にその場所だけ観測すれは判断できることである。

しかし、「今ここに波が立っている」ということは一波長分の長さΔxを見渡してはじめていえることである。

逆にもし一点でしか観測することができなかったとしたら「今ここを波が通った」といえるためには、一波長が通過するだけの時間Δtをかけて観測しなければならないのである。

したがって、どうしても一波長分の長さや一波長通過するだけの時間間隔よりも細かい精度で、今ここに波がある、あるいは波が通ったと主張することはできない

この長い引用に対する、私なりの解釈を念のため。

【前提】  

不確定性原理は「波」の性質に起因するもの。

【波というものの性質の確認】

位置をきちんと見ようとして、一点だけを見ても「波」にはならない。「波」には見えない。波が一回振幅するまで待たなければいけない。

【解釈】

  • 一点だけ見ようとすると→波はまだ波がとして成立していないので、運動量は分かりようがない。位置は分かる。
  • 逆に、波が一振幅するまで待つと→いろんなポイントを通過しているので、特定の位置に存在したとはもはや言えない。位置を一点に特定できないものの、運動量は分かる。

どこまで理解できたかはともかく、少し前進した気分💦😊ロジックを駆使したものというよりは「そもそも論」的イメージ。

 

膨張宇宙説とは、ゴムひもの膨張なようなもの

P-83

ゴム紐を用意して(中略)その両端を持って徐々に引っ張っていくとゴムひもは一様に伸びる

たしかに、このモデルだと

P-83

宇宙空間は一様に至るところ同じ速さで膨張しているのだ

と言えますね。ビッグバン理論もインフレーション理論も、この考え方の延長線上のイメージ。

 

不確定性原理に従い、そして一様に膨張する宇宙の、どこが輪廻的か

主に私の力量不足から、かなり説明を端折ります💦

P-192

ごく小さなダークエネルギーをもった非常に大きな宇宙が、初期宇宙のインフレーション時代に経験したような、大きな位置エネルギーをもった小さな宇宙に量子的な転移を起こすことができる

たしか、多元的宇宙論では、いろんなところでビッグバンやインフレーションが再生されている可能性を指摘したものがあったかと記憶。

P-192

そして、大きなエネルギー密度を持った小さな宇宙は、初期宇宙と同じようなインフレーションを再び起こし、わたしたちの宇宙が経験したような進化をもう一度繰り返すことになるのである

インフレーションというのは、ビッグバン直前に「宇宙の素」が急激に膨張したという有力な仮説です。

天文学辞典 » インフレーション理論

漸く、輪廻っぽくなってきました😊一回きりと思われていたインフレーションの限りない再生。輪廻。

 

最後に

輪廻、というと極めてスピリチュアルなイメージがあるのは、誰しも認めるところと思います。

輪廻と、宇宙論量子論を結びつけて考えるアプローチには、まだ慣れていませんが、たしかに、共通点ありそうですね😊

力量不足で、かなりのロジックを省きましたが、個人的には、少し理解が進んだ嬉しさも感じられました。そして、内容の盛りだくさんさと高い充実度で、お腹いっぱい💦

 

また、次回

 

#輪廻する宇宙

#ダライ・ラマ

#チベット

#不確定性原理