カタツムリ系@エンタメ・レビュー (ポップ・サイエンスはデフォルト)

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【余剰次元と逆二乗則の破れ】地球が壮大な宇宙王の地位から後退。重力半径への注目。極小の余剰次元とブラックホールの降臨。

こんにちは、カタツムリ系です🐌

すごいですねぇー。このタイトル。

  •      余剰次元。余った次元?
  •      逆二乗則。「逆」の法則?語感が強い。

なんだか訳が分からないと思ったら、案の定、ブラックホールへもつながる内容でした。

あと、特筆すべきは、筆者は理論物理学者ではなく、実験物理学者なのだそうです。素人には、いまいちイメージかつきませんが、とにかく、いろんな実験器具を使えるか使えないかの差のようです。かのアインシュタイン理論物理学者。思考実験といって、紙と鉛筆(とパイプ)だけで物理法則を見出していったのだとか。以前はなんとなく、理論物理学者のほうが優勢だったらしいのですが、デジタル時代の今、ツールはそこそこ使えないと肩身は狭いらしいです💦

「余剰次元」と逆二乗則の破れ―我々の世界は本当に三次元か? (ブルーバックス)

「余剰次元」と逆二乗則の破れ―我々の世界は本当に三次元か? (ブルーバックス)

 

出典はアマゾンさん。

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【目次】

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「世界観」は「余剰次元」以前にも、大きく変わっています

P-3

我々が現在「宇宙」と呼び全世界であると信じているものは、400年前にガリレオ・ガリレイが、自信の発明した望遠鏡をそれまで完全無欠な神の領域だった天に向けた際に発見されたと言ってよい。その発見は同時に、それまで「全世界」であった地上の世界を、宇宙と言う新たな世界に浮かぶ、ほんの小さな物体に過ぎない地位に貶めた

かつて、地球の周りを天が動いているかと思ってたら、地球自身が回ってたということになり、みんな大驚き。そして、その世界観の変更は、我々の「地上の世界」が「全て」ではなく、単なる「one of them」まで降格したことも意味しているようで、再び大驚き。日本風に言い直せば「井の中の蛙」に過ぎない事実を突きつけられたようなものでしょうか。

 

余剰次元というが、我々が知らない次元はどんなものか

P-4

驚くべきことに三次元に加えて新たに存在が考えられている余剰次元」に沿った方向には、宇宙の大きさは0.1ミリメートル程度であろうという理論が1998年に発表され、世界中の物理学者がひっくり返った。その大きさがたった0.1 ミリメートルしかないということにではない。0.1ミリメートルもありそうだ、ということに驚いたのだ

ずっと「時空」なんていうか言葉に触れているせいか、もう一つの未知の次元なんて、どうしたって壮大なものを思い浮かべがち。しかし、未知の次元の大きさは、0.1ミリメートルなのだそう。でも、この大きさが、ブラックホールにも、余剰次元にも関係しているのだとか。

P-4

実際、高次元空間が本当にあるとしても、光さえもが三次元空間に拘束されてしまい、高次元空間を伝播し高次元の情報を伝えうるものは、唯一重力しかないと考えられている

しかも、この余剰次元にリーチできるのは「重力だけ」だとか。

この謎解きというか、謎の深め方は、かなり上手な話し手だと思います。世にも奇妙な物語の、タモリさんばり💦

 

 

焦点をブラックホールに移します

P-164

一般相対論の考え方では、物体がつくる重力場は周りの時空を歪める。重力場には重力半径と呼ばれる場所があって、これより内側からは何ものも、光さえも脱出不能であり、これがブラックホールと呼ばれるゆえんである。ブラックホールは巨大な質量を持つ天体が自分自身の重力で重力半径以下の小さな固まり収縮してしまう際に形成されるものと考えられる。

ブラックホールなんて、とにかく、天体、もしくは物体がギューッと縮んで、耐えきれなくなった時に、突然生まれてくる空間というイメージあります。

空間が歪んで、歪みが作ったクボミの大きさまで天体が縮むと、その穴に落っこちるようですね。一般相対論によれば、空間はゴムシートのようなものだとか。重〜いモノをゴムシートに転がして、極端にゴムシートをくぼませた箇所がブラックホールというイメージなのですね。多分💦

 

ブラックホールの大きさは

P-164

ブラックホールは、プランク長程度の非常に小さなスケールでの現象とも密接がある(中略)なんと重力半径とプランク長は一致するのだ

人間が知覚できるようなスケールだと、モノは全て、ツブ(粒)であり、同時にナミ(波)だなんていう量子論(正確には量子重力)が活躍するような現象は目にしません。ある一定の大きさ以下だと量子論的現象を無視できなくなる、そんな境い目の大きさがあります。それを「プランク長といい、1.616 x 10^-35メートル(10のマイナス35乗)程度です。なんとこれ(「プランク長」)が、ブラックホール発生の境い目となる「重力半径」と同じだとか。ちなみに「ブランク長」は「ブランクスケール」とも呼ばれるそうです。

天文学辞典 » プランクスケール

 

不思議の国のアリス的展開?!

私が「不思議の国のアリス」好きなので、ブラックホールのイメージをつかむために、敢えて、この本を持ちこみます。

まず、

①天体がギューッと縮みます

②空間の歪みがひどくなった箇所、重力半径レベルまで、天体が小さくなります

ブラックホール誕生

④そして、そこでは、量子重力的世界が、まざまざ現れます

ブラックホールは、アリスが白ウサギ🐇を追って落ちた「ウサギの穴」みたいなものですね。「ウサギの穴」に入ると、それまで静かにしていた「量子重力」の世界が現れるのです😊

 

また、次回。

 

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