カタツムリ系@エンタメ・レビュー (ポップ・サイエンスはデフォルト)

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【観測的宇宙論への招待】最寄りの銀河が凄いスピードで遠ざかる。宇宙の膨張が加速していく。ダークエネルギーが導く宇宙のゆくえ。

こんにちは、カタツムリ系です🐌 

望遠鏡🔭含め、テクノロジーの発達が可能とした分野「観測的宇宙論」。アインシュタインが、ペン🖋と紙📃とパイプで、書斎で思考実験したような牧歌的な時代は、ほぼ完全に終わったようです。科学者のみなさんは、書斎でパイプを燻らしながら、思考を深めるのではなく、ちょっと思いついたら実験室へ。実験を終えたら、研究室に戻る、といった勤勉なサラリーマン的な感じ?!

観測的宇宙論への招待

観測的宇宙論への招待

 

出典はアマゾンさん。

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【目次】

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ダークマターの存在は、どうやって分かった?!

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ダークマターとは、電磁波では観測できないが質量を持って重力を及ぼす物質のことであった。観測されている星やガス(これらを総称してバリオンという)の総質量に比べて五倍も多く存在すると考えられている

  •    肉眼や望遠鏡で見えもしないし
  •    分かっている物質の質量をすべて足し込んだものの、さらに五倍の質量を持つ

のがダークマター。こんな状況なら、まず、勘違いか観測ミスもしくは計算間違いくらいに整理するのが、まともな展開。しかし

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銀河の集団(銀河団)を観測し、銀河がもつ速度が非常に大きいことに気がついたことである(中略)そのために必要な銀河団の重力は莫大なものになり、銀河の質量を全部足し上げてもそれだけの重力を生み出せないと論じたのだ

銀河が不自然に速いスピードで動いているとすると、当然、なんらかの力が働いていると考えるのは、物理学者アルアルでしょう。そして働く力としては、重力くらいしか思い浮かばないから

P-167

観測によって取り落として行方不明になった「ミッシング」質量がどこかに隠れている、とされたのだ

しかも、そのボリュームたるや破格で

P-167

銀河団については星の全質量の十倍ものミッシングマス(行方不明になった質量のこと)があるはずと見積もられた。

「ちょっとした誤差」では許されない誤差ですね。

 

X線放射による銀河の「観測」

テクノロジーが進化すると、それに応じて、色々な用途で試せるらしい。銀河からX線が放射されているのは結構前から知られていたらしいのですが

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暗くてこれまで観測しなかった(できなかった)領域にまで感度を上げて観測してみると弱いながらもX線放射が確認でき、星が輝いている領域の五倍も遠くまでX線が放出されていることがわかってきたのだ

 

X線自体の「強度」

P-169

同じように、銀河団からのX線強度を調べると、銀河質量の数倍を超す高温ガスが大きく広がっており、それを銀河団に閉じ込めるためにはダークマターが不可欠であることか明らかに

 

ダークマターの存在は疑えないらしい

しかし、正体はさっぱり。

P-177

果たしてダークマターの正体は何であるか、二十年先まで残される難問として残り続けるだろう

 

ダークエネルギーとのお付き合い

ダークマターの出現には、驚いた科学者も多かったようですが、これに対して、ダークエネルギーはと言えば

P-178

ダークエネルギーという言葉は1990年代から使われるようになったもので、それまでは宇宙項真空エネルギー負の重力なとと呼ばれていた。いつの時代でもダークエネルギーに似た作用を仮定してきたのである。その意味では特に目新しいものではない

それは意外。ちなみに、宇宙項(宇宙定数)は、アインシュタインが、自身のこだわりの強さから躓いたアレですね。

天文学辞典 » 宇宙定数

 

ダークエネルギーに気付いた経緯

一つ目

P-181

超新星の明るさと距離の関係から、宇宙の膨張が減速膨張から加速膨張に移ったとしなければならなくなった。近くにあるのに遠ざかる速さが大きい、逆に遠くにあるのに遠ざかる速さが小さい

例の「逆二乗則」という性質で、重力は、近いほど強く引っ張られ、遠いほど弱く引っ張られる。なので、宇宙が膨張している=お互いに遠ざかっていはとはいえ、近い場所では、離れ方がゆっくりでないとオカシイ。

二つ目

P-181

球状星団の年齢が120億年程度であるのに対して、ダークエネルギー(宇宙項)がないときの宇宙年齢は100億年以下になるという矛盾も指摘された

「20億年」の誤差はすごい💦そして、どうやら、ダークエネルギーは重力と反対のちから=斥力らしい。重力が引っ張るなら、斥力は反発する力。

 

ダークエネルギーとは何か

「ダーク」というくらいだから、まだ正体は分かっていないようですが

P-183

ダークエネルギーは空間に付随している。空間が増えれば、その分だけダークエネルギーも増加する。だから、宇宙が膨張すればいくらでも増えていくから、ダークエネルギーはますます増加する

こういう風な引用をすると、ダークエネルギーが益々怪しいもののような印象を受けます。しかし、宇宙の総質量のうち

くらいだというから、ダークエネルギーは、宇宙そのものなんじゃないかとも思ったりします💦もちろん、それで、なにかの新しい見解や見通しが出るわけではありません💦

 

最後に

基本、分からないことだらけなので、難しいという意外は特段の感想もないことが普通です。しかし、今回は、人類が把握しているのが全体の五%しかないというのは、科学者の方にとって、まだまだ未開拓な分野がある!という朗報なのか、まだ、たった五%か、というメンヘラをもたらす、よくないニュースなのかが、若干気になりました💦

 

また、次回。

 

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