こんにちは、カタツムリ系です🐌
タイトルは「強い力と弱い力」と、かなりユルイです。決して、アメトーーク!に出てくるような、力自慢とひ弱な二人で結成した漫才コンビ名などではなく、原子の中で働く
P-19
どちらもミクロの世界で働く力に付けられた、れっきとした物理学の用語
だそうです。ちなみに
P-18
一方は電磁気力より強く、一方は電磁気力より弱いためにいささか安易なネーミングになりました
とか。
ちなみに、この強い力と弱い力を研究する過程で、「ヒッグス粒子」の存在が予言され、2012年についに発見されています。しかも、そのヒッグス粒子は「質量を与える」という「神の素粒子」とも呼ばれています(本書↓だと、質量の「ほんの一部」らしいですが💦)
なんだか、神々しいような、怪しいような話になってきましたね💦
強い力と弱い力 ヒッグス粒子が宇宙にかけた魔法を解く (幻冬舎新書)
- 作者: 大栗博司
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2013/01/30
- メディア: 新書
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出典はアマゾンさん。
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【目次】
- まずは「弱い力」のトピック
- 例の”質量を与える与えない”の件は?
- 次は、強い力について
- では、強い力と弱い力の関係は?
- 「ヒッグス粒子」より「ヒッグス場」が大事らしい
- では、ヒッグス場とは
- 質量形成のメカニズムと、謎の部分
- 最後に
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まずは「弱い力」のトピック
見出しに「弱い力」なんて書くと、なんだか力が抜けますね💦
P-25
随分、マイナスな存在ですが、並行的に
P-25
そもそも私たち人間を含めた生物が地球上に存在できたのも、弱い力のおかげということができます。というのは、生命の源である太陽が燃えるためには、弱い力の働きが重要
だそうです。
例の”質量を与える与えない”の件は?
P-28
ヒッグス粒子が関わっているのは、実は、私たちの身の回りにある物質の質量の1パーセントに過ぎません
しかし、仮にヒッグス粒子がなければ、電子の質量はゼロ、すなわち、原子そのものが存在しないので、ある意味、質量の源であると言えそうです。
次は、強い力について
P-80
原子核をまとめるためには、重力や電磁気力とは別の新しい力を考える必要がありました
本書の主役は、どうやら弱い力なので、強い力の記述は控えめ。しかし、原子の真ん中に陣取る原子核(=陽子+中性子)をバラバラにならぬよう、しっかり繋ぎ止めているのが、強い力のようです。
では、強い力と弱い力の関係は?
ぱっと見、
- 強い力→原子核をつなぎとめ
- 弱い力→太陽を燃やしてエネルギーを作る
ことなので、あんまり接点を感じません。しかし
P-219
「大統一理論」(中略)によると宇宙開闢(カイビャク)から十の三六乗分の一秒までは三つの力が同じ性質を持っていたが(中略)強い力だけが分かれた。そして、さらに一兆版の一秒になったときに(中略)弱い力と電磁気力も分かれたと説明されています。
四つの力(強い力、弱い力、電磁気力、重力)のうち、先の三つは、もともと一つのものであったようですね。しかし、「力」が「分かれる」なんて、サッパリ意味が分かりません。恐らくは、かなり大きな類似点があるんでしょうね。しかし、何より印象的なのは、重力は別扱いであること。重力は、ハッキリ、別物なんですね。もしくは、重力の及ぶ距離はバツグンながら、あまりに弱いので、同じ土台にのらなかった?!
「ヒッグス粒子」より「ヒッグス場」が大事らしい
P-226
この節は、ヒッグス場からヒッグス粒子が生まれる様子を詳しく知りたい読者のために書きました。本書の以下の話を理解するためには必要ないので、つまずきそうになったら次の節まで読み飛ばしてくださっても結構です
難しいことは難しいそうですが、難しいことが、ヒッグス粒子があまり触れられないメインの理由ではないようです。
P-230
ヒッグス粒子は、対称性の自発的な破れには必要ないにもかかわらず、ヒッグスたちの理論を象徴する存在になりました。ヒッグス粒子が発見されればヒッグスたちの理論が正しく、テクニカラー理論は誤りであることが検証できるからです。その意味で、ヒッグス粒子の有無が注目されていた
とにかく「対称性の破れ」が大事で、それを検証するための「ツール」だったよう。「対称性の破れ」とは(私が説明するのも、かなり大胆な試みですが💦)ざっくり言えば
- 宇宙に存在する粒子は、基本ペアとなるパートナーをもっていて↓
- しかもお互いに正反対の性質を持っています ↓
- 正反対の性質をもったペアばかりの状態を「対称性」と呼んでいます↓
- 例えば、電子と陽電子みたいに、マイナスの電荷を持っているものと、プラスの電荷をもっているもの↓
- 正反対なので、結果的には打ち消しあって、ふたつとも消滅してしまいます。そうすると、宇宙には粒子とか物質は無くなってしまいます。↓
- しかし、ごく稀にそういうペアから外れた粒子があり、これを「対称性の破れ」と呼んでいます↓
- その「対称性の破れ」の例外的な残りが、現在の宇宙の粒子や物質の祖先
みたいな話(だと理解しています💦)。要は、「ヒッグス粒子」は「ヒッグス場」をブランディングするための、広告塔だったのかもしれません。実際、
P-230
そうです💦
では、ヒッグス場とは
電磁「場」という電気と磁気の関係を考えるときに持ち出される「場」があります。「場」とは、電磁気のケースに当てはめれば、電気と磁気が作用するときだけ、幕が開く「舞台」のようなものです。
ヒッグス「場」では、電磁「場」における「電荷」同様、「ヒッグス荷」があります。
それぞれの素粒子の「ヒッグス荷」
✖︎ 「ヒッグス場」の強さ = 素粒子の質量
になるのだとか。この理屈が成り立てば、弱い力で不可解だった謎(すいません。この謎の説明は、私では手に負えないので割愛💦)が解けるなどとか。
質量形成のメカニズムと、謎の部分
P-222
これは、分かりますが、
P-222
電磁気力を運ぶ光子は、ヒッグス荷を持たないので質量がありません。
むむむ。そういえば、電磁波は質量がないって説明ありましたね。突然ですし、謎でした。しかし、ヒッグス場を使えば、さらっと先に進めるのですね。そうであれば、ヒッグス場は大発見なのも納得😊
最後に
メディアでの派手な取り上げられ方から、ヒッグス粒子が、単なる?広告塔的役割だったとは驚きました。しかし、ヒッグス場という、素粒子の質量形成のメカニズムが説明できるアプローチがあるなんて驚きです。
なお、本書の筆者は、最先端の超弦理論も手掛けておられ、これも、なかなか手強いです💦
また、次回。
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#質量