こんにちは、カタツムリ系です🐌
ビッグクエスチョンとは、文字通り、大きな問題のこと。ホーキング博士が携わる対象が、宇宙の誕生から終焉までだとすると、そのスケールもその意義も相当ビッグなものになるに違いありません。そして、同時に私が懸念するのは、2つ。
- そんなビッグクエスチョンにホーキング博士は答えてくれるのか(だいたい回答を出せるほど、宇宙に関する十分な材料が集まることなどあるのだろうか?)
- そして、答えることで過剰で無用な混乱や争いは起きないのか(宇宙の誕生は、どうしても神の問題を通り過ぎる事は出来ないでしょう。何を言ったとしても、嵐の予感💦)
とはいえ、そもそも
を知らずして勝手に心配しても致し方のないこと💦ホーキング博士の叡智を分かる範囲で楽しむことにしたいと思います。
なお、本書↓の印税の1%は慈善団体に寄付されるとか。
出典はアマゾンさん。
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【目次】
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まず、ビッグクエスチョンとは何を指すのか
ここでのビッグクエスチョンは次の10項目。
- 神は存在するのか
- 宇宙はどのように始まったのか
- 宇宙には人間のほかにも知的生命が存在するのか
- 未来を予言することはできるのか
- ブラックホールの内部には何があるのか
- タイムトラベルは可能なのか
- 人間は地球で生きていくべきなのか
- 宇宙に植民地を建設するべきなのか
- 人工知能は人間より賢くなるのか
- より良い未来のために何ができるのか
んー。これは、ホーキング博士か、神も含めた宗教関係者しか答えられない、もしくは答えようと試みることは出来ませんね💦
神は存在するのか?
ホーキング 博士はたしかに信心深いタイプではなさそうです。という私も、人のことをどうのこうの言える立場ではありません。
ただし、神を否定しがちな人によく見る攻撃的なところがないのが印象的です。純粋な科学愛好家というイメージが強いです。
ちょっと控えめなコメント
P-44
つまるところ、何が、あるいは何者がこの宇宙を作ってコントロールしている方いうことよりも、重要で根本的なもの謎は考えられないのだ。
P-54
私たちの一度きりの人生は、宇宙の大いなるデザインを味わうためにある。そしてそのことに、私はとても感謝している。
なんともクリアで、ほっこりするコメント😊しかし、それなりに尖っていた時もあったようです。いかも、本書執筆当時もそうかも💦
本音?!
P-43
私は「神が宇宙を作ったのだろうか?」と問う本を出版して、ちょっとした騒ぎを巻き起こしたことがある。
人の信仰に挑戦するかのようなタイトルですし、アンチもたくさんいたことを匂わせる表現ですが、ちょっと石に躓いたくらいの感想ですね。
そして、ホーキング博士のファイナルアンサー。
P-43
私はアインシュタインと同じく、「神」という言葉を、人格を持たない自然法則という意味で用いる。したがってら神の心を知るということは、自然法則を知るということだ。私の予想では、今世紀の末までに、人類は神の心を知ることができるだろう。
割とストレートな表現をする方のように思うので、ここまで婉曲的な表現を使うということは、ホーキング博士は神の存在は信じていなかったでしょう。そして、人類肌まもなく神の心まで分かるというのです。そりや、炎上しがちですよね💦
宇宙はどのように始まったのか?
まずは「宇宙の始まり」を肯定
P-67
ロジャー・ペンローズと私は、もしもアインシュタインの一般相対性理論が正しく、いくつかの妥当な条件が満たされるなら、宇宙には始まりがなければならないことを示す幾何学的な証明をすることができた(中略)宇宙には始まりがなければならないことを認めた
たしかホーキング 博士は、虚数時間の中で
宇宙は生まれたと言っていたような記憶が。
しかし、早速、この考え方にチャレンジがあります。
「宇宙の始まり」に疑問点
P-67
ロジャー・ペンローズと私が証明した定理は、宇宙には始まりがなければならないことを示していた(中略)、その定理は宇宙の始まりとその内部に含まれるいっさいが無限大の密度を持つ一点、すなわち時空の特異点に詰め込まれたビッグバンだったことを示唆していた。
ビッグバンは一般相対性理論からも導かれるのですね。突然、何かが爆発して宇宙ができました!といのは、あまりアインシュタインぽくないですが💦 そう思ったら案の定、
P-68
その一点(ビッグバンの存在)において、アインシュタインの一般相対性理論は破綻するだろう。そのため、宇宙がどんなふうに始まったかを予測するために一般相対性理論を使うことはできない。
ということは、宇宙に始まりがあったかどうかと議論は棚上げ?!
「宇宙の始まり」は断念?!
P-73
私が証明した定理によれば、宇宙には始まりがなければならない。つまり、時間において境界がなければならない。
たしかに「始まり」というくらいなので、時間の「境界」は必要そうですが、そもそも、ここで言う「境界」って?
P-73
数学者たちは(中略)虚数時間という概念を作り出した。それは、私たちの経験する実数時間とは何の関係もない(中略)虚数時間は(中略)私たちの経験する実数時間の代わりになるものだ(中略)虚数時間には境界がない
時間の境界がかなり強調されています。しかし、なかなか「境界」のことについて教えてくれません💦
P-73
もしも宇宙の境界条件が、虚数時間には境界がないこということなら、宇宙の歴史はひとつだけではないだろう。虚数時間にはたくさんの歴史があり、それぞれの時間が実数時間におけるひとつの歴史を決定する。そのため、宇宙には膨大な数の歴史があることになる
まだまだ、「時間の境界」というコンセプトには近づけませんが、時間に絶対的なものがない以上、「宇宙の始まり」はない、というか「宇宙の始まり」自体を無視しつつ印象あります。
P-82
私たちの「無境界」の提案によれば、ビッグバンの前に何があったかと問うことには意味がありません。「前」を示すために必要な時間の概念がないからです。それを問うことは、南極点のさらに南には何があるのかと問うことに似ています。時間の概念があるのは、私たちの宇宙の内部だけなのですから。
どうやら、「宇宙の始まり」はもちろん、「時間」というコンセプトそのものが、我々の「ローカル・ルール」扱いされてきています。
ホーキング 博士によるファイナルアンサーを推測
明示はされていませんが、おそらく「宇宙はどうように始まったのか?」と問われれば「そは質問には意味がない」という回答が得られそうです💦
また、次回。
#ビッグ・クエスチョン
#ホーキング 博士