こんにちは、カタツムリ系です🐌
最初は、やたらと古臭い、過剰な義理と人情を強調した、冴えない映画の印象が強かったものでした。
しかし、なんとも言えない哀愁(ペーソスという言葉もあるそうです)と、抑えがよくきいたコミカルなテイストが、いいんですね。何だかんだ言って、1969年から1997年まで、全49作もあって、全部見てしまいました。そうか49本も見てしまったのですね💦
今回は、第30話です。ですが、第30話だけでなく、シリーズ全体に当てはまるようなことばかりの投稿になってしまいました💦
おすすめポイント
①主題歌の、昭和の歌謡曲と言いましょうか、
演歌チックと言いましょうか。ひたすら風情
&風情
→しかも車寅次郎、通称寅さん役の俳優
渥美清さん自らの歌声。上手いのかどう
か分かりませんが、母は通ります。
そして、三枚目、三枚目の哀愁が切ない
②倍賞千恵子さん演じる、妹役のさくらさんの
伝統的な?よいお嫁さんぶり
→1982年の映画公開。この頃の女性への
褒め言葉の一つに「いいお嫁さんに
なれる」というのがあったよう。
それを具現化したのが、さくらさん
らしい。しかし、決して古臭くなく、
さくらさんが、あまりにクレバーなの
で、今でも十分魅力的です。
https://conex-eco.co.jp/special-feature/14181/
③おいちゃん(寅さんの叔父で、車竜造さん。団
子屋「寅屋」主人)の気のいいご年配の風情
→ここに出てくる人はたいてい人情味
あふれるような心持ちの人ばかり。
その中でも、この気さくで心温かい
江戸っ子の「おいちゃん」は大好き。
役者さんのお名前は、下條正巳さん。
トリセツ)
私こと、カタツムリ系的に「ここだ!」というところを、スナップ・ショット的にピック・アップしていきます。
なので、必ずしも、全体を丁寧に網羅しないことも💦
作品紹介
旅先の温泉宿で一緒になった青年(沢田研二さん)と同行して東京に戻る寅さん(渥美清さん)。その青年は、同じく旅行先で会った女性(田中裕子さん)に一目惚れ。東京に戻ってからは、寅さんは、キューピッド役に徹するが、いつしか、その女性に恋心を。
出典はアマゾンさん。
主題歌のパワーが凄い
歌い出しの前の「語り」
(私 生まれも育ちも 葛飾柴又です
帝釈天で うぶ湯を使い 性は車 名は寅次郎)(人呼んで フーテンの寅と 発します)
歌い出しを少し
俺がいたんじゃ お嫁にゃ行けぬ
わかっちゃいるんだ 妹よいつかおまえの よろこぶような
偉い兄貴に なりたくて(後略)歌:渥美清
作詞:星野哲郎
作曲:山本直純
いまや、いつの時代の作品なのか分からないような文面。今から五十年くらい前に作られた昭和の歌です。そう言えば、中村草田男さんという俳人の作品に「降る雪や 明治は遠く なりにけり」という句があるよう。昭和も、そして、まもなく、平成も遠く感じられることでしょう。
昔は(今も?)テキ屋という職業があったよう。寅さんの職業で、道端で、本とか薬とかを叩き売りするような感じ。寅さんは自ら「渡世人(トセイニン)」と呼んでました。ちょっと反社会的勢力に近い方らしいのです。。。。
ちょっとヤクザなノリで、ちょっとおバカで、ちょっと優しい心持ちをもった、愛され人物像の寅さん。もう令和の時代には、そんな方には、お目にかかれなさそうですね。
そんな寅さんの応援歌。漢詩。とは言え、寅さんが生まれる、ずっと前の作品💦
昔の「勧酒(カンシュ)」という、中国の古い漢詩があるようです。それを日本の小説家井伏鱒二さんが訳したものが有名に。それを以下に。
コノサカヅキヲ受ケテクレ
ドウゾナミナミツガシテオクレ
ハナニアラシノタトヘモアルゾ
「サヨナラ」ダケガ人生ダ
(漢字も入れて読みやすく)
この盃を受けてくれ
どうぞ、なみなみ注がしておくれ
花に嵐の例えもあるぞ
サヨナラだけが人生だ
「花に嵐の例えもあるぞ」というのは、花が咲くような幸せな時にも、すぐ嵐が訪れたりする。そんな波乱万丈なさまを指すようです。
ステキな詩ですね。そして、寅さんのセリフでもおかしくないような、おセンチで、旅から旅の人生を連想させます。
最後に
「昭和」の「可愛い」部分をギュッと凝縮して魅せてくれる作品ですね😊
#葛飾柴又
#車寅次郎
#渥美清