カタツムリ系@エンタメ・レビュー (ポップ・サイエンスはデフォルト)

映画・本・動画といったエンタメのレビューを友人に語りかけるように書きためています。映画は、おすすめポイントと大好きなカットに焦点。本や動画でポピュラーサイエンスやオカルトをエンタメとしてカバーしているのも特徴。

【光と物質のふしぎな理論】量子電磁力学の、電気への新しくて不思議な視点。電気力は重力より40桁強い

こんにちは、カタツムリ系です🐌

量子電磁力学の専門家ファインマン博士の著書。何度か記事にしていますが、最新のものはこれ↓

これも、ポピュラーサイエンスのはしりなんでしょうか。最新の物理を語りつつ、きっちりエンタメになっているところは素敵です。

なかなかユニークな方だったらしく、反骨精神が、単なるやせ我慢ではなく、もっと肯定的にとらえられていた時代の最後の人。研究室に閉じこもるオタク系の人ではなく、明るく、お話好き、新しいもの好きの人生を謳歌したタイプの方。当然、書くものも面白い😊ちなみに、この本は、ファインマン博士の講演集です。

光と物質のふしぎな理論―私の量子電磁力学 (岩波現代文庫)

光と物質のふしぎな理論―私の量子電磁力学 (岩波現代文庫)

 

出典はアマゾンさん。

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【目次】

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いきなりパンチを浴びせるファインマン博士

P-5

ニュートンの運動の法則が原子については全然当てはまらないということを指摘した、この量子力学の発見に比べれば、相対性理論のほうはそれにごく小さな修正を加えただけのことでした

一般的には、相対性理論を発表したアインシュタインが、有名。その相対性理論も、量子力学に比べれば、そんな大したことない、と。使い勝手という意味では、相対性理論GPSくらいですが、量子力学はレーザーやIT分野ではフルに機能している点、相対性理論は少し分が悪いかも💦いずれしても、歯に衣着せぬ、すなわち、忖度しない、お人柄😊

 

量子電磁力学のパワー

個人的には「量子電磁力学」という名称だけでも、かなりパワーを感じます。

P-9

この量子電磁力学が非常に広範な現象を説明できるということを強調したいと思います(中略)物質世界の現象なら、重力(中略)、それと原子核のエネルギー準位の遷移で出てくる放射線などに関した現象、この二つを除いては、すべて量子電磁力学で説明できる

たしかに、これはすごい。実際に役に立つのと、有名なのは、やっぱり違うのですね。アインシュタイン相対性理論はかなり有名ですが、重力のパワー自体があんまり弱いせいか、少なくとも現時点では、あんまり使い勝手はないそうです。

P-214

事物間の重力の影響は非常に微小で、二個の男子のあいだの電気力に比べると、一にゼロが四十個(ひょっとすると四十一個かもしれません)ついた数分の一ほど小さいのです。

 

ぶっちゃけ系的セリフで、有名なもの

P-12

第一私の大学の物理の学生だって、ほんとうにはわかっていないのです。なぜかと言えば、この私にだってわからないからで、そもそもほんとうにわかっている人などどこにもいはしないのです。

私が知る限り、この量子力学なんて、誰もわからないというセリフが一番有名。あとは、量子力学がいろいろ奇妙なことばかりいうので(全ての物質は粒子であり、波でもあるとか)学生が文句言うと「黙って計算しろ!」という下りです。一応、ファインマン博士のために弁明しておくと

◦     そもそも、このセリフはファインマン博士のものではないらしい

◦     量子力学は、とにかく計算の手順として優れており、実のところ、計算しないと、わからない方が本当に多いのだとか

 

P-13

それもそのはずで、それを知っている者は誰一人いないのです。だから私にせよ、自然がなぜそのような独特のふるまいをするのかを説明することはできません。

まぁ、分からないことは分からないという趣旨なんですが、身もふたもない感じもしてきました💦

 

超ひも理論と並んで、大統一理論として期待される「量子重力理論」についても、すこし

P-215

重力の量子論も、結合を含む項には「無限大」が出てきますが、量子電磁力学の場合に「無限大」をしめ出すのに成功した例のへんてこな過程(くりこみ)も、重力にはまったく役に立ちません。つまりいくら重力の量子論を裏付けようにも、実験もできず、理屈の通った理論すらない

ここ、そうここ。「無限大」になると、理屈としてダメなので、極力、避けたいと考えるのが物理学なのだとか。でも、物理学が相手にしている宇宙、例えば、ブラックホールとか、「無限大」が、とても馴染む感じするんですけどねぇ。ここら辺の「無限大」の取り扱いについては、いつか、もう少し詳しく知りたいですね。あと、ファインマン博士がいう「へんてこな過程(くりこみ)」とは、量子論で、計算結果が無限大にならないように工夫された数学的な計算技法なのだとか。

え、ズルに聞こえますが💦

しかも、ファインマン博士自身が、ほかの方と共同で、この「へんてこな過程」を持ち込んだのだとか💦

くりこみ理論(くりこみりろん)とは - コトバンク

 

また、次回。

 

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