こんにちは、カタツムリ系です🐌
一般に優秀な人でも、どこか抜けているとか、実はたくさん失敗していたということで、愛着が出てくることがあるそうです。
そう言えば、「しくじり先生」↓なんていうテレビ番組もありましたね。
しかし、失敗にも、笑って済ませられるものもあればタブー視されるものもあり↓色々面倒そう💦だいたい、粗探しはあんまりピンと来ません。
ただし、本書は、ある種の粗探しではありますが、
- 愛とリスペクトのある視点
- 間違いを犯したとしても、間違え方さえも賢いこと
から、読み物として、かなり面白いものになっています。
間違えた人は次の五名。
です。
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【目次】
- 何だかんだ言っても、この宇宙のグランドデザインを設計した存在はすごい
- ダーウィンの一撃
- あれあれ、主著「種の起源」ダーウィンの発言は随分、盛られている様子💦
- 自然選択(自然淘汰)は、どちらかといえば消去法的
- 最後に
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何だかんだ言っても、この宇宙のグランドデザインを設計した存在はすごい
生物の豊かな多様性と、驚くべき数の生物が織りなす複雑な調和や適応。かつての賢人たちは、宇宙のグランドデザインをした存在を信じていました。
とりわけ拡張の高い、次のメッセージは、古代ローマの弁論士キケロ。
P-29
かりにもし宇宙のすべての部分が、有用性の点でこれ以上良くはありえず、また視覚的にもこれ以上美しくありえない形で組み立てられているなら(中略)もし技術によって完成されたものより自然によって完成されたもののほうが優れているというなら、あるいはまた、技術は理性なしには何も生み出すことはないというのなら、自然が理性を欠いていると考えるべきではない
その精密さは、あたかも
P-29
時計職人の比喩を初めて想起させたのもキケロ
納得。こんな凄い創造物を目の当たりにして
P-33
つまり、生きとし生けるものは、昔から不変だし、これからもそう、と。
ダーウィンの一撃
P-33
彼の壮大な統一概念は、人類史上もっとも想像力を掻き立てる非数学的理論となった。ダーウィンは、地球上の生物に対する考えかたを、神話から科学へとまさに一変しせたのである。
例のコペルニクス的展開というヤツですね。天が動いていると思っていたら、なんと地球が動いていると言い出す人がいたなんて、それは驚きますよね。
コペルニクス的転回(コペルニクスてきてんかい)とは - コトバンク
当時の人々も、急に自分たちの先祖がサルと言われたら、なんだか、からかわれたような気になっても責められますまい💦
そして、そう、これだけ普遍的な理解なのに、アンチ数学的なんですよね💦
あれあれ、主著「種の起源」ダーウィンの発言は随分、盛られている様子💦
P-33
この本で議論されていない内容について理解しておくことは重要だ。ダーウィンは、生命の起源だとか、宇宙全体の進化などというものについては、一言も述べていない
実はその二年後に刊行された本で、自身の進化説が人間にも成り立つはずだという見解を明らかにしたそう。
ということは結局、我々が知っているような内容をダーウィンは主張していたわけですが、ここで言いたいのは、従来からの神話的な観点が一冊、もしくは二冊の本の内容で一挙に覆されたこと
P-35
ダーウィンはたった一撃で、デザイン説を葬り去り、種が永久不変であるという考え方を一蹴し、適応と多様性を実現するメカニズムを提唱
自然選択(自然淘汰)は、どちらかといえば消去法的
自然淘汰とか適者生存とかいった言葉は、あたかも自然が主体的に、あれが良くてあれはダメというふうに、選択しているイメージあります。しかし、そんな主体的なイメージではなく
P-49
個体群の中の”弱い”個体が消滅するプロセスを指している
じゃあ、主なルールは何でしょう。
P-53
自然選択説を裏付ける証拠をいくつか簡単に挙げておくことは重要だ。というのも、進化の目的地がなくても、生命か進化や多様化を遂げうるという考え方
現在では、生命を構成する量子は、なにか高い目的に向けて変化していくのではなく、デタラメな動きしかしないことを、量子論が明らかにしています。そんな(冷たいという意味の)クールな量子論を経た現在であっても、なかなか寂しい結論。ましてや
P-53
ダーウィンの時代の人々にとって、進化論のもっとも由々しき側面
だと思われていたそうです。
最後に
ダーウィンの進化論は、博物学とか生物学のカテゴリー。どこか夏休みの宿題を思わせる、牧歌的なのどかな感じかと思いましたが、ダーウィンはなかなかに、シビアな洗礼を受けてましたね💦
また、次回。
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