カタツムリ系@エンタメ・レビュー (ポップ・サイエンスはデフォルト)

映画・本・動画といったエンタメのレビューを友人に語りかけるように書きためています。映画は、おすすめポイントと大好きなカットに焦点。本や動画でポピュラーサイエンスやオカルトをエンタメとしてカバーしているのも特徴。

ニャンちゅう声優さんの病名ALSはホーキング博士の病名でもあります【ホーキング博士のビッグ・クエスチョン②】宇宙知的生命体。

こんにちは、カタツムリ系です🐌    

つい昨日、津久井さんという、ニャンちゅうの声優の方がALS(筋萎縮性側索硬化症と診断されたとのニュースに接しました。

Action Figure ニャンちゅう 全高約80mm PVC製 塗装済み 可動フィギュア

出典はアマゾンさん。

そんな深刻な事態にも関わらず、とても前向きなご発言に驚かされましたが、私が何度か記事化しているホーキング博士も、また、ALSを罹患されていました。

ホーキング博士が有名なのは、もちろん理論物理学者としての実績がベースになっているとは思います。ただ、そうしたホーキング博士の具体的な功績ではなく、やはり「車椅子の学者」というアイコン化が大きかろうと思います。

そんなホーキング博士がALSに罹患されたのは、なんと学生時代。何十年もそうした環境下に置かれつつ、本書↓で扱うような大問題に真っ向から回答のできる存在にまで到達されたこと、改めて驚かされます。

今回は、地球の外ですが、「生命」を扱っています。

ここからは、いつもの調子で。

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先の記事でご紹介しましたが、

  • 神は存在するのか?
  • 宇宙はどのように始まったのか?

という、難し過ぎて、子供相談室以外では、問われることがなさそうなものばかりです。そんな難問に対して、本書↓の始まりから真っ向、取り組むホーキング博士

ビッグ・クエスチョン―〈人類の難問〉に答えよう

出典はアマゾンさん。

しかし「問い」そのものが基礎とする考え方自体にも挑戦するホーキング博士なので、必ずしも、我々が期待するような回答ではなかったりもします。しかし、その知刺激的に知的挑戦は、なかなか楽しいものです。とても、賢い友人に、面白い話をせがむと、そんなリクエストに、どんどん答えてくれる親切なシーンが思い浮かびます。

前回の記事↓

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【目次】

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宇宙には人間のほかにも知的生命体が存在するのか?

生命のイメージ

この点はアメリカのNASAあたりで、どんどん研究探索が進んでいるフィールドですね。「実験」ではなく「理論」物理学者のホーキング 博士のコメントは楽しみ😊

P-86

私たちが普通に「生命」とみなすものは、鎖状につながった炭素原子に、窒素やリンなど、わずかな原子がついたものを基礎としている。

生物学者の方だと、生命というと、その構成要素として

を挙げるそうですが、そこは物理学者。全くアプローチが違います。まぁ、テーマもテーマですし💦

コスパの悪い?問いの連続

この後、

  • 宇宙はなぜ生命誕生に適していたのか?とか
  • 生命誕生は起こりにくいできごとなのか?

という問いが続きます。私の単なる印象ですが、そんなことは大事じゃないので、どんどん先に進みましょう、といった印象を受けます。問いとしては意味があっても、問い続けることのコスパが悪いという判断かもしれません。

新しいフェーズに入りつつあるという確信

P-97

ダーウィン流の進化が、人類をもっと知的で性質の良いものにしてくれるのを待っている時間はない。しかし、私たちは、自分たちのDNAを変化させて改良する「自己設計による進化」とでも呼べそうな新しいフェーズに入りつつある

遺伝子工学の発達、情報科学による情報のコントロール度合いの向上から、そんなことも期待できるのですね。しかも、ホーキング博士はもう一歩踏み込んだ期待もしています。

P-98

それでも今世紀の末までには、知性や攻撃性のような本能を修正する方法が発見されるだろうと私は確信している

ホーキング 博士が言及する「新しいフェーズ」における人類は、まるで、今までとは違った。新しい生き物のような感じがします。

P-101

銀河系には多くの生物が見つかると予想するのはかまわないが、私たちが知的生命に出会う可能性は低そうだ(中略)およそ六千六百万年前に比較的小さな天体が地球に衝突した時には、恐竜が絶滅したと考えられている(中略)そんな天体の衝突が起こる頻度について何か言うのは難しいが、平均すると、二千万年に一度くらい(中略)地球上に人類が存在するのは、過去六千六百万年間に大きな衝突がなかったという幸運のおかげだ

恐竜が絶滅したのは六千六百万年前。恐竜絶滅の理由は彗星の衝突という説がありますが、意外や意外。ホーキング博士も支持しているよう。また、この文章だけ見るとホーキング博士は知的生命体の存在に否定的な印象ありますが、そんなことはなく

P-102

私のお気に入りは、第四の可能性だ。宇宙には、私たちとは異なる形態の知的生命が存在しているのだが、これまで見逃されていたというものだ。

しかし、手放しでウエルカムなのではなく、当然、頭をよぎる懸念にもきちんと配慮されています。

P-106

(宇宙から)私たちがメッセージを受け取ったとしても、ある程度事情がわかるまでは、返信することには慎重であるべきだろう。進歩した文明との遭遇は、今日のわたしたちの発展段階では、アメリカの先住民がコロンブスに遭遇したときのようなものになりかねない。そして私は、アメリカの先住民たちがその出会いのおかげでよい暮らしができるようになったとは思わないのだ。

優しい表現ですが、ここで書いてあるのは、アメリカ先住民の悲劇ですね。宇宙人との遭遇において、我々はコロンブスに会ったときのアメリカ先住民になりたくない、という宣言にも聞こえます💦

 

最後に

ホーキング博士の著作については、そんなにたくさん読んだことはありません。しかし、かなり、感情を排除し、淡々と筆を進めておられるイメージあります。しかし、アメリカ先住民のエピソードでは、急にホーキング博士の心情が前面に押し出されたようで、ドキッとしましたね。

 

また、次回。

 

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