【ホーキング 、最後に語る】ブラックホールを生き物のように、下手すると友達のように再生させてみせるホーキング博士。
こんにちは、カタツムリ系です🐌
本書↓は、ホーキング 博士のオリジナルの書き下ろしではなく、過去のインタビューや日本の研究者の方の解説から成る本。ホーキング 博士死去後に編集されています。
前回の記事↓
出典はアマゾンさん。
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【目次】
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ホーキング放射で明らかにされた「ブラックホールは温度もエントロピーも持っている」説
ブラックホール内は強烈な重力なので、何も吐き出さない、すなわち、温度もエントロピーも何も、何も、なかったのでは?
ブラックホールの現実
P-10
ブラックホールは温度やエントロピーなどの熱力学量を持つのである。ブラックホールの温度はブラックホールの事象の地平面の半径に反比例する(中略)またエントロピーは球殻である地平面の面積に比例、つまり質量の二乗に比例することになる
ほぼ通常の物質のよう💦さらに
P-11
ブラックホールは外にエネルギーを放出するだけ質量を失い、質量を失うほどブラックホールの温度は高くなり放出の度合いはさらに強くなる。つまり最後は爆発的に蒸発して跡かたなく消えることになる
あー、クリアカット!!
ちなみに、この理解は次のような量子論の考え方から出発しているようです。
量子論の解釈
P-10
量子論に従えば、何もない空間と考えられている真空は、たえず粒子と反粒子がペアで生まれ次の瞬間には二つが合体して消えてしまう状態である(中略)事象の地平面のまわりでこの揺らぎを考えると、ペアで生まれた一方ではマイナスのエネルギーを持って中心にらつかし、一方は落下することなく遠方まで放出されることになる。
この理解はさらに発展して
P-10
ホーキングがこうして放出される光の粒子、光子のエネルギースペクトルを計算すると、黒体が熱をもっているとき放出する光のスペクトルであるプランク分布と一致することがわかった。
黒体というのは理屈上の物質で、
P-10
光や電波などの電磁波をあらゆるエネルギースペクトルにわたり、満遍なく吸収、また同様に放射する性質をもったもの
のことです。それが、量子力学の生みの親、プランク博士の名前のついたデータ「プランク分布」と一致したのですね。なんか、すごい💦
ブラックホールの蒸発
温度と蒸発時間を。
P-11
多く観測されている太陽質量程度のブラックホールの温度は6 ✖︎ 10のマイナス8乗k、蒸発時間は2 ✖︎ 10の66乗年
蒸発する時間は、宇宙の年齢、138億歳よりはるかに長い💦
宇宙の始まり。一般相対性理論と量子論。
P-15
ホーキング は「果てがないのが、宇宙の始まりの条件なのだ!」という。ここでの果てがないとは宇宙は「特異点」として始まったのではなく、虚数の時間で始まるなら物理法則にしたがってなめらかに始まった
はい。宇宙は虚数時間の中で生まれたとは聞いたことあります。しかし、これで終わりでなく
P-15
ホーキング自身が大学院生のころ、「相対性理論に従うならば、宇宙は特異点から始まらなければならない」という「特異点定理」を証明したが、量子重力理論、つまり量子論的な一般相対性理論に基づけば、反対に特異点なしで宇宙は誕生
この表現が基づく理屈は難しそうですが、個人的には、一般相対性理論は、ビシッと細かいところまで決まっているので「宇宙の始まり」もビシッと決める必要あり、これに対して、量子論だと「いうのまにか宇宙は生まれてました」と言っても許されそうな雰囲気は感じます💦
最後に
最初にお断りした通り、本書は、ホーキング博士の死後、彼のインタビューとか、ほかの研究者からの寄稿によるものです。
もちろん、翻訳者の方の力量もあるとは思いますが、ホーキング博士は、ストーリーテリングの面でも、卓越した語り手ですね。すごい。そのおかげか、ホーキング博士の著作を集めてしまっています💦
また、次回。
#ホーキング、最後に語る