カタツムリ系@エンタメ・レビュー (ポップ・サイエンスはデフォルト)

映画・本・動画といったエンタメのレビューを友人に語りかけるように書きためています。映画は、おすすめポイントと大好きなカットに焦点。本や動画でポピュラーサイエンスやオカルトをエンタメとしてカバーしているのも特徴。

【ホーキング、ブラックホールを語る②】外向きの核融合パワーと内向きの重力パワーでバランス。そのバランスが崩れると、時間と空間の終わりが。

こんにちは、カタツムリ系です🐌

ブラックホールというと以前は「宇宙の墓場」のような扱いでしたが、最近はやたらと前向きな表現が目に付きます。ちょっと極端な例ですが、日本の歴史の有名な人だと

明智光秀

   【以前】主君に反乱を起こした裏切り者→【現在】理知的で、仕方なく織田信長に反旗を翻した不運の武将

田沼意次

     【以前】賄賂政治のシンボル→【現在】資本主義、貨幣経済を先取りした、先見性のある政治家

のようなケースありますが、なんとはなく、共通点感じます。あまりの豹変ぶり、という意味で。

そんな歴史的に毀誉褒貶半ばするブラックホールですが、本書↓で、どんどん、その性質に迫ります。

ホーキング、ブラックホールを語る BBCリース講義 (早川書房)

出典はアマゾンさん。

前回の記事↓

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【目次】

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恒星のパワーバランス。核融合によるエネルギーで外に向けて凄いパワー。一方、重力で内に向けて凄いパワー。

そんなエネルギーの放射と重力のバランスの上に成り立っている恒星といえども、さいごには、自分の持っている核燃料を使い果たし、今度は、縮んでいきます。要は、核融合による外に向けたパワーが無くなったので、重力による内に向けたパワーのせいですね。

P-20

オッペンハイマーは(中略)質量の大きな星が外向きの圧力によって維持され続けるのは無理であり、計算から圧力を取り除くと、均一できれいに球対称となっている星は、密度が無限大となる一点にまで収縮することを示しました。

 

話題が難しくなると出てくる「特異点

縮むのは分かるのですが、そこまで💦テレビCMだったでしょうか、真空のなかでは、空き缶はグシャグシャに潰れてしまいますが、あんなイメージでしょうか。しかし「密度が無限大」まで、縮むとか。「無限大となる一点」ということは、

P-22

この点のことを、特異点といいます。

特異点というのは、よく耳にします。要は、ある数字をゼロで割ると無限大になるが、そういうポイントだと。まるで、よく分からない説明でしたし、どういうケースで想定されるのかも不明でした。無限大とブラックホール。似た者同士💦しかも、特異点については、重要なポイントらしく、解説が追加されています。

なめらかな時空の終わり

P-22

空間についてのあらゆる理論は、時空がなめらかで、ほぼ平坦であるという仮定の上に組み立てられています。したがって、時空の曲率か無限大となる特異点において、なめらかな時空は破綻すると考えられます。

特異点」というのは、天体が究極まで縮んだ状態のことをシンプルに伝えているのかと思いきや、「時空の曲率が無限大」になると!時空の曲がり具合が無限大って、無茶な議論にもほどがある感じします💦そりゃ「なめらかな時空は破綻」するでしょう。きっと、他のものも、色々破綻してそう💦終わってそう💦

P-22

実際、特異点は時間そのものの終わりを意味します。これをアインシュタインはたいそう不愉快に思っていたものです

時間そのものの終わり💦そもそも「時間」自体よく分かっていないのですが。そう言えば、アインシュタインの相対論では、時間と空間は一体のもの。ということは、時間が終わりということは、きっと空間も終わるのですね。

 

アインシュタイン一般相対性理論における時空のイメージのおさらい

P-23(編集者 注)

アインシュタイン一般相対性理論にしたがえば、物体はそのまわりの時空をゆがめる。トランポリンの上にボウリングの球が置いてあるところを想像してみよう。その玉によってトランポリンの面は形状をかえられており、トランポリン上には球より小さな物体があれば、それに向かって球はずるずる滑り落ちていくだろう。重力効果。

私は、トランポリンの代わりに(似たようなものですが)ゴムシートを例に出しますが、こういう比喩は本当に理解を助けますね。ありがたいです。しかし、ここまででは、アインシュタインが不愉快に思う理由には、まだたどり着けていないような気がします。

P-23(編集者 注)

時空の曲がりがどんどん大きくなり、最終的に無限大にまでなると、もはやそのに時間と空間な通常のるーるは適用されなくなる。

こんな強烈に人の関心を惹きつけずにはいないように思える重力トピックですが、こんか議論が重ねられていた時代は第二次世界大戦前夜。研究の関心が重力崩壊(ちなみに、重力自体が崩壊するのではなく、重力によって天体が崩壊していくこと)から、核物理学に切り替わったとか。例の、核融合とか核分裂あたりの技術で、核爆弾を作る流れですね💦

 

最後に

しかし、こんなトレンドもいつまでも続かず、やはり関心がブラックホールに戻ってきます。技術の進歩もありましょうし、アインシュタインが百年前ほどに、その存在を予言した「重力波」のような新発見もありましょう。次回は、重力への関心を呼び戻した「クェーサー(Quasar)」という天体の発見から話をしたいと思います。

 

また、次回。

 

#ホーキング 、ブラックホールを語る

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#アインシュタイン

#一般相対性理論