カタツムリ系@エンタメ・レビュー (ポップ・サイエンスはデフォルト)

映画・本・動画といったエンタメのレビューを友人に語りかけるように書きためています。映画は、おすすめポイントと大好きなカットに焦点。本や動画でポピュラーサイエンスやオカルトをエンタメとしてカバーしているのも特徴。

【ホーキング 、ブラックホールを語る③】ブラックホールは目に見えず、音も出てこない。そして、吸い込まれた存在は「消失」してしまったことさえわからない💦

こんにちは、カタツムリ系です🐌 

本件に関する前回の記事では、一旦忘れ去られたかのような重力というトピックに、再び光を当てたクェーサーから、始める旨確認しています。

それにしても、この本↓、薄くて、百ページもないのですが、内容が濃すぎて、なかなか前に進みません。まぁ、楽しいから良いのですが💦

ホーキング、ブラックホールを語る BBCリース講義 (早川書房)

出典はアマゾンさん。

前回の記事↓

https://katatsumurikei.hatenablog.com/entry/pop-science/physics-hawking/2020/03/06

————————————————————————

【目次】

————————————————————————

 

クェーサーとは

P-24(編集者 注)

クェーサーは宇宙で最も明るい天体であり、おそらくこれまで検出されたなかで、最も遠いところに位置する天体でもある。クェーサー(Quasar)という名称は「準恒星状電波源」(quasi-stellar radio source)」の略で、その実態は、ブラックホールのまわりをぐるぐる回っている物質の円盤と考えられている。

このクェーサー。よく目にしましたが、なんとはなく、エピソードの中心的な役割を果たしているとは感じられず、一体なんのことだか全然知りませんでした。しかも、結構、重要そうな位置付け💦ちなみに、発見された経緯もなかなか劇的。

 

クェーサー発見の経緯

P-24

多くのクェーサー(中略)は非常に遠くにあるにもかかわらず、とても明るく輝いていました。このエネルギー出力は、核過程では説明できない。なぜならその場合、天体から純粋なエネルギーとして放出されるのは静止質量のごく一部に過ぎないからです。そうなると、ほかに唯一考えられるのは重力エネルギー、すなわち重力崩壊によって放出されるエネルギー

しかし、重力は、四つの力のあるうち、影響範囲は広いとはいえ、やたら、弱い、弱いと繰り返し言及されています。そんな力が、大きな天体をぐにゃりと押しつぶすまでのパワーを持つとは、不思議。しかし、重力崩壊ということは、例の時空の曲がり具合が「無限」という、本当に意味がわからない状態になっているので、そこでは、時間も空間も終わっているはず。とすると、なにが起こる?もしくは起こらない?

 

特異点=密度無限大の一点では

P-25

この密度無限大の一点では、もはや誰にも未来が予測できないことになります。つきつめれば、星が崩壊したときにはどんなきみょうなことでも起こりうるということです。

ここまで、すなわち、

  • 密度も無限大
  • 時空の曲がり具合が無限大
  • 時間と空間の終わり

の状態です。しかし、そんなものが生まれでたら、それこそ、地球どころか太陽系、太陽系どころか銀河系も飲み込まれてしまいそうですが💦

 

とはいえ、ブラックホールの外部への影響はなぜか抑えられています💦

P-25

とはいえ、もしも特異点が裸の状態でなければ、つまり、特異点が外部から遮蔽されているなら、予測ができなくなっても私たちには何も影響ありません。

急ですねー。あれだけ丁寧に説明してくれていたのに、急に、いくつもの段階をすっ飛ばした感じ。

まず

P-25(編集者 注)

「裸の特異点」は理論上のシナリオであり、このシナリオ上では星が崩壊しても、その周まわりに事象の地平面が形成されない。したがって、特異点が観測可能となる。

「事象の地平面」とは、かなりざっくり言えば、一般宇宙とブラックホールの境界線。たしかブラックホール形成のプロセスを復習すると

恒星が核燃料を消費し尽くす↓
核燃料で作っていた外向きの力がなくなり、内向きの重力だけになる↓
ひたすら内向きに重力が働き、恒星は収縮↓
密度無限大まで収縮↓
それを特異点という↓
ブラックホール化し、光をも吸い込むから当然だと目に見えない

なのに、急に「特異点か観測できる」シナリオを作ったということ?もちろん理由あってのことでしょうが、急ですねー。

ちなみに「急ですねー」と繰り返していますが、やはり、ここはアインシュタイン一般相対性理論が幅をきかすフィールド。如何に究極とはいえ、量子論の突飛さ(たとえば、月を背にしている人がいて、彼が振り向くまでは、月が本当にそこにあるかはわからない)よりは、ずっと可愛いといえましょう💦

 

ちなみにブラックホールはどこら辺にあるのか

P-29

この天の川銀河の中心部には、太陽の約四百万倍の質量を持ったブラックホールが存在しています。

さらには、ほぼ全ての銀河の中心部には巨大なブラックホールが存在する可能性が高いのだとか。先の「裸の特異点」は、単なる理論上の話なので、我々がブラックホールに今すぐ吸い込まれることはなさそうですが、

P-32(編集者 注)

ブラックホールから抜けて出てこられる光がないため、遠くから見ている観察者にはらあなたの転落を実際に目撃することができない。宇宙空間では、あなたの叫び声は聞こえない。そしてブラックホールに入ってしまえば、あなたの消失は誰にも見えない

音も聞こえず、目にも見えないだけではないそうです。「消えて無くなる」ことさえ、まわりにはわからないようですね💦

 

また、次回。

 

#ホーキング 、ブラックホールを語る

#クェーサー

#シュレディンガーの猫