こんにちは、カタツムリ系です🐌
物理を利用して、身近にある電化製品などを、易しく(個人的には、あまり易しかった経験はあんまり、ありません)解説している本は多々あります。コンビニなんかでよく見かけます。例えば↓
しかし、この本は、バリバリの宇宙物理学を専門とする著者↓の手によるもの。
過度に専門的になることなく、果たして、どこまで、我々に付き合ってくれますことやら。
出典はアマゾンさん。
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【目次】
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(ページネーションはkindleでの表記に従います)
まずは、物理学者がウォール街で活躍しているというトピック
No.86
非現実的な状況設定のもと、わけのわからない計算をさせられる。物理に対してそんな印象を持ってある人は少なくないだろうでは、「物理学を使って株価の動きを予想できる」と聞いたら、どうだろうか
お金で関心をひく露骨な導入部分ですが、説得力があるのも確か。大きな成功を収めているケースもたくさんあり
No.91
その代表が1982年にジェームズ・シモンズが設立した投資会社ルネッサンス・テクノロジー(以下「ルネッサンス」)(中略)ルネッサンスがユニークなのは、金融や経済にバックグラウンドを持つ人材を一切雇っていないこと。100人以上いるといわれる社員の多くは、物理や数学、統計学などの博士号を持つ研究者であり、シモンズ自身、著名な数学者であり、物理学者である
恐らくは、外部のコンサルタントに、ある程度の経済や金融のコンサルタントは雇っていたかと思いますが、なかなかの徹底ぶり。たしかに、納得するところがあって、専門家と言っても、ある程度の年数を経過すると、流石に伸び率が頭打ちになるのでは?!それであれば、そういう人は外注し、儲け頭を内部に留保するのは、とても合理的ですよね。
しかもいつも改善、改善
No.106
モデルの改善を繰り返しながら、短期間に高頻度の取引を行うことで、驚異的なパフォーマンスを保っている。ルネッサンスは主力ファンドの「メダリオン」の年平均リターンが40パーセント近くあり(100万円投資したら140万円になるということ)、立ち上げから10年間で2378.6パーセントもの収益率を上げたという。
最近深層学習とか機械学習とか、いわゆるAIで、膨大な量のデータの取り扱いと、それと同時に、莫大なモデルの改善が実現できるといいます。たしかに「相場師」なんていう、表現で伝説的な投資家がおられますが、まさかAIには勝てないですよね。手も足も出ない感じ💦
とはいえ、裏事情もあるようで
No.112
1980年代に宇宙開発費の削減などの影響でNASAの科学者たちがロケット開発を離れ、ウォール街の金融会社や証券会社に転職し、最先端の物理学を金融に取り入れたのが始まりだそうだ
ロケット科学者が失業するのも悲しいし、ロケット科学が金融に適用できるのも、なんか変な感じ。なんだか、居心地悪い💦
不況にも強い?!
No.120
さらに翌年におきたリーマン・ショックでも、ヘッジファンドや証券会社が軒並みダメージを受けたなか、メダリオンは、80%ものリターンを上げたといわれている
もちろん、不況前に有効であったモデルの改変にはかなり手間がかかったと思われますが、そんな改善もクイックにできるのでしょう。
最後に
とにかく今回は、物理がたんなる机上の空論ではなく、お金儲けというドロドロした現実の世界でも、強力な武器になるのです!という実例の列挙がメインでした。
では、次回からは、如何にそうなるのか?!という具体的な内容に入ります。
本書を見ていると、物理が得意なら、すぐにでもお金儲けが出来そうです。ただし、日本では、アメリカのように、金融業界における「物理学者バブル」が起きなかったですね。
何はともあれ、お金儲けと物理という(少なくとも日本では)一見遠い両者のシナジーは楽しみ。
また、次回。
#世界の仕組みを物理学で知る