カタツムリ系@エンタメ・レビュー (ポップ・サイエンスはデフォルト)

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【宇宙の「果て」になにがあるのか②】気の遠くなるような話。神秘的でさえあるストーリー。

こんにちは、カタツムリ系です🐌 

宇宙の「果て」を話題にするくらいですから、「時間」については触れざるを得ないですよね。さらに、「始まり」と「果て」はこの手の議論ではセットだそうですから、「始まり」にも配慮する必要でてきます。そして、また、極端な水準で「始まり」を見ていくことになります。

宇宙の「果て」になにがあるのか 最新天文学が描く、時間と空間の終わり (ブルーバックス)

出演はアマゾンさん。    

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【目次】

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宇宙誕生当時の時間の水準感

まずは、宇宙「誕生時」から

P-97

もし時空が量子的に誕生日した宇宙が始まったのであれば、誕生直後の宇宙の典型的な時間スケール

を抑えていく必要があります。水準感とか、頃合いとか。

プランク時間

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プランク時間といい、それは一秒を10の44乗で割った程度の時間である(中略)宇宙の典型的な時間スケールはこの程度

ここまでくると、重力も、量子的に振る舞い始めるという区切りの時間だとか。なお、プランク時間は、プランクスケールとも言うようです。

プランク時間(ぷらんくじかん)とは - コトバンク

しかも

P-99

ブランクスケールが重要になるのは宇宙誕生時だけだと考えられている

上に、

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素粒子加速実験機で、現在のところ、最高エネルギー一万ギガ電子ボルトに到達しているLHCは、山手線の一周に匹敵する巨大な加速器

一周は27kmだとか💦

プランク時間の再現性

P-99

プランクスケールに到達するには、じつにこの1000兆倍にエネルギーを上げなければならない。粒子を加速する効率が変わらなければ、必要な加速器の大きさは約3000光年となり、これは太陽から銀河系中心までの距離の八分の一

これが何とかならないと、大統一理論とされる量子重力理論は完成が難しいらしい💦

 

星々の死

宇宙誕生時に触れたので、今度は、個々の星々の死に目を向けます。

P-161

太陽質量の場合、半径3キロメートル以下のサイズにまで潰れてしまうとブラックホールになるわけだが、多くの場合はその一歩手前、半径10キロメートルで重力崩壊が止まり、中性子星と呼ばれる星が誕生する

ちなみに、太陽の半径は70万キロメートル。

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この星が重力に対して持ちこたえれる秘密は、1立方センチメートルに1兆キログラムという超高密度にある。

前回の記事↓を思い出すと、アインシュタイン方程式では、宇宙の時空の曲りくねり具合がすごいと、物質のエネルギー密度もすごいのだ、と。

【再掲】

 

今回の場合も、強烈な高密度になって(ここでは質量ですが、アインシュタインによれば、質量とエネルギー場合同じらしいので)、宇宙空間がかなり歪む。そうするとブラックホールができる、と。きちんとしたストーリー💦

 

宇宙の将来像

量子的に始まり、重力崩壊して大人しくなる星々。しかも

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加速膨張を始めた宇宙

であり、星々が次々に終焉を迎え、そして宇宙の加速膨張によって、互いが遠くに存在するとなると、まさに寒い真っ暗な空間が続くでしょう。しかし、そんな究極的な終焉の前に大きな究極の危機があるとか。

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人類にとっての究極の危機は、陽子崩壊であろう。

人間は37兆個とも60兆個とも言われる細胞をもち、その細胞は一体幾つの原子をもつのやら。そして、その全ての原子に陽子が存在します。そんな、陽子が崩壊するなら、それは、大ピンチです。しかし、

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ある種の素粒子理論が予想するように、10の34乗年という時間が経つと陽子が崩壊してしまうのであれば、我々の生命活動を担う物質がすべて消滅してしまう

んー。もうその頃に、人類も「種」として終わり迎えてそうだし、だいたい、地球も太陽さえもなさそう💦

 

最後に

宇宙の果て、という語感からは「終末感」が漂っていますが、本書は、宇宙論の概観、すなわち、宇宙論の果てから果てを簡潔に解説されている感じ。どこか、開発者される感じもあり、読後感は、なんか清々しいですね。

 

また、次回。

 

#宇宙の「果て」なにがあるのか

#プランクスケール