カタツムリ系@エンタメ・レビュー (ポップ・サイエンスはデフォルト)

映画・本・動画といったエンタメのレビューを友人に語りかけるように書きためています。映画は、おすすめポイントと大好きなカットに焦点。本や動画でポピュラーサイエンスやオカルトをエンタメとしてカバーしているのも特徴。

【量子力学の解釈問題①】世にも奇妙な物語💦ディープ💦

こんにちは、カタツムリ系です🐌 

「解釈問題」??

だいたい物理学なんて、その厳密さが『売り』のはず?!数字に基づいて、自然を支配する、一見、まとまりの無さそうな法則をクリアカットに見せてくれるもののでは?

「解釈」というと、そんな厳格にイメージとのブレがあるように感じます。世にも奇妙な話💦

P-6

量子論の奇妙さは、この理論自体に問題があることを意味するのだろうか?

かなり深刻💦じゃあ、量子論はそもそも欠陥あるってこと?!

P-7

多世界解釈」は米国で発明されたが、成熟したのはヨーロッパ、特にオクスフォードにおいてである

ただでさえ奇妙な上に、もう一つ上をいく「多世界解釈」。宇宙は一つでなく、いく通りもあるという「解釈」。しかも

  •    アメリカは「明快なエンタメ」派  

              vs 

  •    ヨーロッパは「明晰な重層性」派

という勢いをかってか、「量子論」という「奇妙な理論」は「重層性」を好む「ヨーロッパ」で、さらに「ディープ」になっていくようです💦

量子力学の解釈問題―実験が示唆する「多世界」の実在 (ブルーバックス)

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出典はアマゾンさん。

 

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【目次】

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話は奇妙なカードゲームから始まる

奇妙な話を、手品みたいなトピックで始めるなんて、完全に確信犯です💦その手品チックなカードゲームは(かなり略しましたが)次の通り。最悪、読み飛ばしてください💦

  •     スクラッチカードの上に、ロザリオのように、それぞれ60個の銀色の玉を紐で通した、二つの「円」が書かれています↓
  •    スクラッチ・カードを真ん中から半分に割って、「円」を二つに↓
  • 60個の玉は、こすると、白か黒に。白と黒は30個ずつ↓
  •   参加者は二人。二人が別々にこすって、色が違えば、500ドル獲得。参加費は10ドル↓
  •    例えば、黒を狙うとすると、単純にその期待値を計算すると、30/60(一人が黒を出し)✖︎30/60(もう一人も黒を出し)✖︎500ドル(賞金)ー10ドル(参加費)= 115ドル(これが、期待値。計算がラフ過ぎる?!)で、まぁ、ぱっと見、割の良さそうなゲーム。

しかし、こうした見た目に騙されてはいけない、実は負けがかさむのだよ、というお話。なんだか騙されているようだけど、せめて最後には、クリアカットな説明が用意してあるのだよ!という伏線であることに、期待したい💦

 

奇妙なカードゲームで言いたいこと

P-18

『不可能なことを排除したあとに残った可能性は、たとえどんなにありそうにないとしても真実である』。

シャーロック・ホームズも似たようなことを言ってます💦

P-18

この結果を得るただ一つの方法は、二枚のカードが、状況に応じて色を変えるメカニズムを内部にもつこと

このことだけインプットすると、このスクラッチ・カードは

  •     超能力に近いAIであり
  •     明確にイカサマ

に思われます。そう、こんな『後出し』はずるいのでは?だいたい、先ほど計算された期待値なんて、意味なさそう💦そこで、筆者は言います。

P-25

このスクラッチ・カードは単に、我々の日常生活のすべての物質が振舞っているように振舞っているに過ぎない。すなわち、光と物質それぞれを構成する基本的な単位である光子や電子を使って実現される

このスクラッチ・カードは我々の日常生活の物質の振る舞いそのままだ、と。。。。。。かえって、分からなくなりそう💦

 

ようやく、冒頭の総括が

ということは、このディープな本の、ディープなオープニングは

P-26

この謎は(中略)量子論と呼ばれる現代物理学の最も不思議な特徴であり、半世紀もの間、この振る舞いを説明しようとする物理学者や哲学者による試みは、ほとんど奇っ怪(中略)この本の目的は、この手品がどのようにしてなされるのか、もっと常識的な説明を見つけること

だそうです。ナンダカ、シェークスピアとかミルトンの大仰な振る舞いの多い演劇の、大仰な台詞回しを聞かされているよう。

この大げさな物言い、ちょっと奇妙な仕掛け、ちょっと賢そうな総括。とはいえ、この本の奇妙さ、量子論の奇妙さだけは(納得感は別にして)よく伝わりました💦

 

最後に

この本、324ページあります。そして、この奇妙なエピソードは16ページを割いてます。内容・質ともども、なかなかディープです。救いは、こんな状況を、鵜呑みにするのではなく、「もっと常識的な説明を見つけること」という気持ちはあるようなので、引き続き読み進めます。ただし、文章の調子は、どちらかと言えば格調高く、なかなか読ませます💦😊

 

また、次回。

 

 

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