カタツムリ系@エンタメ・レビュー (ポップ・サイエンスはデフォルト)

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【エントロピーをめぐる冒険③】喧嘩上等のでたらめエントロピー

こんにちは、カタツムリ系です🐌 

本書↓の発刊は2014年。内容はコテコテの理系です。

出典はアマゾンさん。

しかし、タイトルは村上春樹さんの「羊をめぐる冒険」↓に似て、少しポップ。

羊をめぐる冒険(上) (講談社文庫)

羊をめぐる冒険(上) (講談社文庫)

 

出典はアマゾンさん。

「タイトル詐欺」な気もしますが、たしかに内容とタイトルは一致しているし、何より面白いから良いのですが💦

 

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【目次】

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前回までのおさらい

エントロピーというのは、

  •    エネルギーの運び手であるが
  •    歴史や記憶を持たない量で
  •    可逆過程なら一定で、不可逆過程なら増大

するという怪しい存在。

 

まず、不可逆過程の例を

P-72

現実の世界では(中略)完璧ではない、効率の無駄、熱の浪費を伴うーー不可過程のエンジン。

不可逆過程という、物々しいネーミングに驚かされましたが、なんのことはない、100パーセントのエネルギー効率ではない、くらいの意味のようです。よくあることというか、それしかないくらいの印象。やっぱりエントロピーとは、リサイクル不可能な使用済みエネルギーなのでは、と思ってしまいますが、どうも、その理解は違うよう💦では、もう少しクリアな定義はないのものでしょうか💦

P-73

そもそもエントロピーを定義したり、定量的に計算したりすることは不可能なのだろうか?熱力学の対象外として、あきらめるべきなのだろうか?厳密に言えば、その通りなのである。

むむむ。量子力学で習う、全ての物質は、粒子であり同時に波がであるという説明と同様、このコンセプトについては、理解するのではなく、「慣れる」ことに方向転換💦ちなみに

P-75

宇宙のエントロピーは最大は向かう(中略)いまこの瞬間もわれわれの眼前に展開しているのは「エネルギーがなくなっていく」光景ではなく、「エントロピーが増えていく」光景なのである。

のだそうです。なんとも言えません💦しかし、面白くはなってきました。

 

不可逆性に関する補足

P-99

不可逆性とは、そもそもどこから来るのか、過去から現在へ、一方向にしか進まない<時間の矢>とは何か(中略)この根源的な問題は、今日までさまざまな角度から研究されているにもかかわらず、最終的解決には至っていない

では、袋小路?!

 

ついに「喧嘩上等」までエスカレート

P-101

いまや彼(ボルツマン)は<エントロピー>の本質が、実は<確立>そのものであることを、明哲に喝破した

でた!確率!ムーチューブでも、なにか不可解なことがあれば、これでもか!というくらい宇宙人のせいにしがちですが、なんだか同じように見えてきました💦もっとも、それはそれで面白い😊

ボルツマンとは - コトバンク

しかも、露悪趣味とでもいいましようか

P-101

衝突の力学をいちいち追跡するかわりに「分子たちにエネルギーをでたらめに分配する」という驚天動地の暴挙によって、エントロピーの本質を白日の下にさらけ出すことに成功したのだ(中略)ケツをまくって「不可逆結構!でたらめ上等!」と大勝負に出たところだ

まぁ、かの革命児?!アインシュタインも、宇宙は一様で静的なものだという大前提から逃れられず、宇宙港という、かなり無理に無理を重ねた失策をした経緯もあります。従来の常識を打ち破る時もには、どうしても、喧嘩腰にならざるを得ないのかもしれません💦

 

そして、ボルツマンの科学者としての締めくくり

P-117

ボルツマンは「確率論によるエントロピー則と愛の解明」なる演題で、ダーウィニズムを論じている。「生物の生存競争は...エントロピーをかけた闘いである」

ガリレオの「それでも地球は動く」のような、渾身の闘いを終えた戦士のような言葉ですね。

 

最後に

なんだか人間ドラマの追跡のようになってきました。次回からは、本題のエントロピーとはなんぞや、もしくは、今後の展開を見ていくことにする予定です。

 

また、次回。

 

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