カタツムリ系@エンタメ・レビュー (ポップ・サイエンスはデフォルト)

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【ペンローズのねじれた四次元③】輪廻する宇宙。ゆがんだ四次元。

こんにちは、カタツムリ系です🐌

前回の記事で、量子論の永遠?のテーマたる

  •   「月は見ていなくも存在する」のか
  •    「月は見ていないときは、それが存在するかどうかを論ずることは意味をなさない」

につき、ペンローズとホーキングの間で意見の相違あることに触れました↓

 

 

その量子論へのアプローチの仕方について、新しい展開😊↓

出典はアマゾンさん。

 

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【目次】

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量子力学は不完全だ(P-135)

え、今更⁉️

P-135

このアインシュタインの信念を受け継いでいるのが、現代数理物理の雄、ロジャー・.ペンローズ卿その人である。いわゆる波束の収縮に関係する「観測問題」は。今でも科学哲学者を巻き込んで論争が続いている

決着はそもそも着いていないし、どうしてそうなるかは説明できないけど、実際に役立っているからいいんじゃないの?という「諦め」という形で「オトナ」の決着がついたものと思ってました。

波束の収縮というのは、物体は観測者が見るまでは、波の形をしている(=いろんな可能性が束ようにたくさんある。確率的に存在する、くらいの意味か)のだけれど、観測者が見た瞬間にぎゅっと縮まって、形のはっきりした粒子として見えるという、改めて向き合うの、割には子供騙し的にも感じられるロジック💦

でも、こんな見方も仕方がない?面もあります。なぜなら

P-137

観測とは見ることであり、見るためには光が必要だということだ。光というのは、物理学では「光子」とよんでいるが、やはり、電子のように小さな粒なのだ。だから、電子を観測するために光を当てるというのは、要するに、小さな電子に小さな光子を衝突させて、跳ね返ってきた光子をフィルムがとらえるのである

このメカニズムは結構分かっているようで、分かっていないイメージあります。その意味ではとっても、有り難いご説明に思えます💦さらに、

P-138

電子は、あまりにも軽くて、まさに吹けば飛ぶような状態なのだ。だから、勢いよく光子が飛んできてぷつかれば、その衝撃で、電子はあらぬ方向に吹っ飛ばされてしまう(中略)「観測」に使った光子が原因で、観測されていた物体(電子)の位置が変わってしまう(中略)このように、観測によって、観測されていたものの状態がみだれるのが、量子論の特徴

とは言え、何だかんだ言って、ペンローズと言えども、この波束の収縮ロジックを封じ込めるまでには至っていない様子。

P-186

ニュアンスとしては、「確かに実用上は困らないが、でも、真理の追究とは程遠い」というようなネガティブな感じの物言いだ

現代では、あまり受けの良くなさそうな反応ですね💦

 

ペンローズの提唱する「共形循環宇宙論

なんだか、よくわからないので、部分部分をつまみ食いします💦

P-264を編集

  •  共形→形を保ちながら全体のスケールだけを変えるような数学的な操作。言い換えると(角度」はそのままで、大きさを変えるもの。相似。
  •  循環→言葉通り。同じことが繰り返されるという意味。イメージとしては、宗教や哲学でよく遭遇する輪廻転生に近いかもしれない。ただし、個々の生命や心が循環するのではなく、宇宙そのものが循環する

突飛です💦実際、ペンローズ自身も

P-265

自身の宇宙論を「とんでもない」(outrageous)とよんでいる

とか💦

 

歪んだ四次元

なんか、ひも理論あたりで「十一次元」なんて話も聞きます。多元的世界解釈と関連はしているのでしょうが、どうやら、より「数学的な」ものらしいです。飽くまで「らしい」のレベですが💦

P-239

ペンローズは、一貫して四次元が特別であることを主張してきた

ここから、極端に数学的なアプローチになるので、話しをかなり端折ります💦

数学で微分ってありますよね。要は、極小のレベルまでカバーして、変化の「割合」をみるアレ。どれくらい「なめらかに」変化をしているかをみるツール。そんな「なめらかさの基準」(=微分構造と呼ぶらしい)ですが

P-259

四次元には無数の微分構造が存在する(中略)面白いことに、四次元以外の次元では、微分構造はひとつしかない

なんだか凄い話になってきました💦たしかに、いろんな意味で「ゆがんだ」感が出ています💦

 

最後に

一旦読み終わると、あまりの内容の充実度のせいか、はて?何が書いてあったっけ?という気持ちにも近い脱力感💦社会人になりたての頃、読みつけない日本経済新聞読了時の感想とそっくり。しかし、歩みは遅いとはいえ、かなりエキサイティングなトピックを提供してくれるストーリーテラーたるペンローズさん!これからも注目予定です😊

 

また、次回。

 

#ペンローズのねじれた四次元

#ホーキング

#ノーベル賞