カタツムリ系@エンタメ・レビュー (ポップ・サイエンスはデフォルト)

映画・本・動画といったエンタメのレビューを友人に語りかけるように書きためています。映画は、おすすめポイントと大好きなカットに焦点。本や動画でポピュラーサイエンスやオカルトをエンタメとしてカバーしているのも特徴。

【熱とはなんだろう②】人間を取り巻き、人間が常に生み出しているエントロピー≒カオスのミステリー💦

こんにちは、カタツムリ系です🐌 

かなりのキーワードでもあり、また、本書のサブタイトルにも言及されている「エントロピー」。ぱっと見の印象では、乱雑とか混乱みたいな感じですが、そのダイレクトな説明は、なかなかしてくれません。出し惜しみ?とにかく、読み進めます↓

熱とはなんだろう―温度・エントロピー・ブラックホール… (ブルーバックス)
 

出典はアマゾンさん。

 

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【目次】

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なかなか教えてくれないので、エントロピーのアカデミックな定義を先に

Wikipediaを見ると

  •   熱力学では、断熱条件下での不可逆性を示す指標
  •   統計力学では、系の微視的な「乱雑さ」をあらわす物理量

だそうです。んー、あんまりピンときませんね。なかなか、出口が見えません💦

 

定義からスタートしても、ピンとこないので、エントロピーの「外観」から見ていきます

P-43

数式をつかってエントロピーを計算してみると、次のような場合にエントロピーが大きくなることがわかっている。

  •   温度が上がる
  •   熱を吸収する相転移
  •   体積が増える

構造相転移 [物理のかぎしっぽ]

これを液体を例にとって考えると、

    熱が加わると→温度は上がり

    熱が加わると→沸騰すると気体に変わり【相転移

    熱が加わると→膨張して体積が増える

ようになります。すなわち、

P-44

エントロピーは「熱」の流入と関係している

そうです。しかし、これだけだと、わざわざ「エントロピー」というコンセプトを用意する必要は無さそうですね💦

まだまだエントロピーの振る舞いの具体例を見ていきます

P-55

2種類の気体を混ぜるとエントロピーが増える

P-56

同じ種類の気体の気体を混ぜてもエントロピーは増えない

P-56

標語 エントロピーは「取り返しのつかない」ことをやると増えるらしい

 

なんか、とりとめのない現象の連続。

P-84

エントロピーは乱雑さの「桁」のこと

 

このままだと全然話が進まないので、とりあえず「エントロピー」を暫定的に総括

とにかく

  •   複雑化して
  •   状態の変化が大きく(温度とか体積とか)

なると「エントロピー」が増えるようです。何かすると、すぐエントロピーは増えるのですね。しかし、

  •    定義を見ても、使い勝手が分かりにくく
  •    エントロピーと呼ばれる振る舞いを見ても

単なる「言葉の遊び」にしか思えません💦

 

今度は、エントロピーが止まる場合を考えてみます

 

P-106

熱力学の第三法則は、いわば目盛りの原点の話である。絶対零度では、物質の動きは止まる

絶対零度という単位がなぜに生まれたのかは不思議でした。長さの単位でも、メートルもヤードもたくさんあります。温度の単位も摂氏も華氏もあるので、そういう並立はよくあること。そんなに、目くじらを立てて、統一した基準を作るメリットがよく分かりませんでした。

でも、明確に理由がありましたね。物質の動きが止まる温度なんですね。

ちなみに、宇宙の温度も約3k。動きの「停止」寸前ですね!?

宇宙空間はいったい何度?「-270℃」|「マイナビウーマン」

 

エントロピーがあまりフォーカスされない理由

個々の時代にフォーカスされるトピックなんて、しょっちゅう変わるもの。それにしても、エントロピーという言葉はあまり聞きません。それは、熱力学とか統計力学とか、割に完成された分野に深く関係しているからかもしれません。しかし、エントロピーという言葉はあんまり便利な裏返しですが(熱量➗温度という公式はあるとはいえ)ちょっと、ぼやっとしたコンセプトなので、具体的な方向性で深掘りするのが難しいからのような気がしています。もっと理解が進めば、面白いトピックなのかも。しかし、当面は、アカデミックな論点というより、エンジンとの絡みでお付き合いしたほうが好感もてそう💦

 

また、次回。

 

#熱とはなんだろう

#熱力学第三法則

#絶対零度

【熱とはなんだろう①】マクスウェルの悪魔は、世界に蔓延するエントロピー≒カオスを救うのか?!

こんにちは、カタツムリ系です🐌

「熱」と「エントロピー」。最近、あんまり話題になりません。正確には、話題になったような時期を知りません。

熱は、普段の食べ物の調理には必須ですし、シャワーやエアコン、さらには大きなエンジンの動力など、その重要性は、すぐにわかります。

一方、エントロピーは、とにかく、乱雑さが増えていく状態を指すようなニュアンスと理解しています。とは言え、耳で直接ヒアリングした記憶はなく、本で引用されたものを目にした程度。

もともと、ムー的な知識を得るために読み進めてきたブルーバックス・シリーズ。ちなみに、ブルーバックスを読むと、例えば、電磁気のトピックとか量子論とか、ムーチューブ↓をさらに楽しめるようになったことは確か😊

 

そんな、いつのまにか大のお気に入りになったブルーバックス・シリーズですが、ここでは、実体があるようで実体がないような、フニャフニャしたイメージのある

  •   熱
  •   流体(液体と気体)

の取り扱いがキーらしい。しかも、ムー的ナレッジで登場するレジェンドの名前も意外にも、チラホラ。例えば、電磁波学のマクスウェル(Maxwell)は、熱力学も、かなりフォーカスしていたみたい😊

【科学史の肖像】James Clerk Maxwell, 1831-1879

そんなこんなで、まずは熱から取り組みます↓

熱とはなんだろう―温度・エントロピー・ブラックホール… (ブルーバックス)
 

出典はアマゾンさん。

 

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【目次】

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いきなりレジェンドのマクスウェルのトピック。「マクスウェルの悪魔

まずマクスウェルの悪魔がアタックする熱力学第二法則

とにかく物理の大原則に、真っ向から挑戦するエピソードのようです。どんな大原則に挑戦するかと言えば「熱力学第二法則」。熱は自発的に低温から高温には移動しないという、恐ろしくシンプルな大原則だとか。

熱力学の第二法則を他人に説明する。 -国語の授業で一分間スピーチをす- その他(教育・科学・学問) | 教えて!goo

マクスウェルの悪魔とは

分子レベルの観測をできる、素晴らしい眼をもった悪魔を想定しています。これはこれで、なかなかエッジの効いた想定💦

P-15

容器を仕切りでふたつの部屋に分けよう。AとBという具合に。仕切りにはちっちゃな穴があいている。1個1個の分子の見分けがつく小悪魔は、速い分子はAからBへだけ穴を通すようにし、逆に、遅い分子はBからAへ通すようにする。

小悪魔は、はっきり、分子の交通整理のような働きをするのですね💦こんな、ズル?して大丈夫?

P-15

すると小悪魔は、仕事をせずに、Bの温度をあげてAの温度を下げてしまう。熱力学第二法則に反して。

 

この「マクスウェルの悪魔」の、怪しいところ

P-15

だれがどう考えても小悪魔は「仕事」をしているように思われる

ですよね。でも、きっと、素人には、なんだかスッキリしないような、説明があるんでしょうね。例えば、

  •     宇宙の速度制限は光速↓
  •     宇宙の年齢は138億年↓
  •     でも、宇宙の大きさは470億年💦

みたいな。ここでは、物質や電磁波が光速を超えるのダメだけど、宇宙そのものが光速を超えるのは許されるのだとか💦

この小悪魔の関与は、どう処理される?!

 

小悪魔の振る舞いへのエクスキューズ

P-16

力学では、仕事というのは

      力  ✖️  距離

というふうに定義されるので、いくら力を出しても、距離がゼロだったら、仕事もゼロからなのだ。

「仕事」という言葉の使われ方のズレ?例えば、重い石を押してダラダラ汗をかいても、石が動かなければ(=距離がゼロ)、物理的には「仕事はゼロ」。だからこそ、小悪魔の振る舞いは、ズルではないそうです。

「仕事」という観点からはそうかもしれませんが、いくら思考実験とはいえ、超人的な存在をあんまり便利に使いすぎていないのではないか、ということですね。

要は超人的な存在をもって、難問を解決しても許されるということ?ちょっとでも説明がつかないと、すぐ宇宙人のせいにしがちな月刊ムーの愛好家としては、抗議するに抗議しにくい💦

 

今後、「エントロピー」という言葉が頻出しますが、なかなか、捉えどころがありません💦

この本のサブタイトルは「熱・エントロピーブラックホール」だし、

P-16

この本自体がマックスウェルの悪魔熱力学第二法則を中心テーマとしている

そうですから、この小悪魔の存在と振る舞いは、忘れちゃいけないそうです💦

 

また、次回。

 

#熱とはなんだろう

#マクスウェルの悪魔

#熱力学第二法則

 

【エントロピーをめぐる冒険④】ほぼ量子力学と区別がつかなくなった?熱力学。エントロピー。

こんにちは、カタツムリ系のです🐌

エントロピーの存在は確信しつつ、妥当な説明のつかないまま、結果的に、確率論的な動きをすることが見えてきたエントロピー。次の展開には、かなり興味が湧きます😊

出典のアマゾンさん。

 

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【目次】

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エントロピー絶対温度

P-65

水車の<水>に相当するエネルギーの運び手は熱ではなく<熱➗温度>だった

エントロピーとは、この「熱➗温度」という状態量であるという立ち位置は変わってないようです。ところが

P-123

<温度>とはなにだろうか、われわれは温度とほ何かを、本当に知っているのだろうか?

と言い出す始末?しかし、これはたんなるたわごとではなく、

P-125

トムソンをして「絶対温度」への探究心へと駆り立てた

ウィリアム トムソンとは - コトバンク

不思議なことに、ここまで[絶対温度」トピックにフォーカスしておきながら、巻末の「さくいん」を見ても「絶対温度」という表現は出てこなくなりました💦

 

仕方ないので、絶対温度は離れて、ふたたび、エントロピーとはなんぞや、というトピックを

P-140

自然はえこひいきしない。あらゆる状態は同じ確率で出現する。そう言うと、多少とも物理や化学をかじったことのある読者は、違和感を覚えるかもしれない(中略)自然界では、エネルギーの低いほうが安定だから、そっちのほうが起こりやすい

自然はえこひいきしないなんて、過去、アインシュタインがボーアとの論争で言及した「神様はサイコロを振らない」なんていう言葉を想起させめすね。

エントロピーの本質が確率論的なら、すべての状態が同じ確率で出現する、というほうが違和感ありますが、この状態に関する解としては

P-148

見ている分子のエネルギー出現する頻度を知るには、見ていない分子たちの状態をすべてカウントする必要があるのだ

とすると、本当に

P-148

これら、物体を構成する他の分子たちをすべてひっくるめた<順列・組み合わせ>の一つひとつが、等確率で出現するということなのである

少なくとも、エントロピーが確率論をベースにしていつつも、等確率で出現するというロジックの理解は完全に行き詰まりました💦

 

最後に

世の中わからないことはたくさんあると言え、熱力学なんていう、産業革命時の蒸気機関車あたりから話題に上がっているトピックです。さらに、エンジンという、完璧に現実的なものを扱う熱力学という分野です。流石に、そんなに分からないことは多くないと思っていました。しかし、蓋を開ければ、ほぼ量子力学と似たような様相を見せてきました。さらに言えば、同じく熱なり分子を扱うものの、より統計学的アプローチを強めた「統計力学」というものがあるようです。エンジンに関するちょっとした興味から始めた、熱力学なり統計力学なりの情報収集。どうやら、量子力学同様、長いお付き合いになりそうです💦

 

また、次回。

 

#エントロピーをめぐる冒険

#アインシュタイン

#ボーア

#量子飛躍

#不確定性原理

#ハイゼンベルグ

#シュレディンガー

#波動方程式

#行列力学 

#多元的宇宙論

【エントロピーをめぐる冒険③】喧嘩上等のでたらめエントロピー

こんにちは、カタツムリ系です🐌 

本書↓の発刊は2014年。内容はコテコテの理系です。

出典はアマゾンさん。

しかし、タイトルは村上春樹さんの「羊をめぐる冒険」↓に似て、少しポップ。

羊をめぐる冒険(上) (講談社文庫)

羊をめぐる冒険(上) (講談社文庫)

 

出典はアマゾンさん。

「タイトル詐欺」な気もしますが、たしかに内容とタイトルは一致しているし、何より面白いから良いのですが💦

 

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【目次】

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前回までのおさらい

エントロピーというのは、

  •    エネルギーの運び手であるが
  •    歴史や記憶を持たない量で
  •    可逆過程なら一定で、不可逆過程なら増大

するという怪しい存在。

 

まず、不可逆過程の例を

P-72

現実の世界では(中略)完璧ではない、効率の無駄、熱の浪費を伴うーー不可過程のエンジン。

不可逆過程という、物々しいネーミングに驚かされましたが、なんのことはない、100パーセントのエネルギー効率ではない、くらいの意味のようです。よくあることというか、それしかないくらいの印象。やっぱりエントロピーとは、リサイクル不可能な使用済みエネルギーなのでは、と思ってしまいますが、どうも、その理解は違うよう💦では、もう少しクリアな定義はないのものでしょうか💦

P-73

そもそもエントロピーを定義したり、定量的に計算したりすることは不可能なのだろうか?熱力学の対象外として、あきらめるべきなのだろうか?厳密に言えば、その通りなのである。

むむむ。量子力学で習う、全ての物質は、粒子であり同時に波がであるという説明と同様、このコンセプトについては、理解するのではなく、「慣れる」ことに方向転換💦ちなみに

P-75

宇宙のエントロピーは最大は向かう(中略)いまこの瞬間もわれわれの眼前に展開しているのは「エネルギーがなくなっていく」光景ではなく、「エントロピーが増えていく」光景なのである。

のだそうです。なんとも言えません💦しかし、面白くはなってきました。

 

不可逆性に関する補足

P-99

不可逆性とは、そもそもどこから来るのか、過去から現在へ、一方向にしか進まない<時間の矢>とは何か(中略)この根源的な問題は、今日までさまざまな角度から研究されているにもかかわらず、最終的解決には至っていない

では、袋小路?!

 

ついに「喧嘩上等」までエスカレート

P-101

いまや彼(ボルツマン)は<エントロピー>の本質が、実は<確立>そのものであることを、明哲に喝破した

でた!確率!ムーチューブでも、なにか不可解なことがあれば、これでもか!というくらい宇宙人のせいにしがちですが、なんだか同じように見えてきました💦もっとも、それはそれで面白い😊

ボルツマンとは - コトバンク

しかも、露悪趣味とでもいいましようか

P-101

衝突の力学をいちいち追跡するかわりに「分子たちにエネルギーをでたらめに分配する」という驚天動地の暴挙によって、エントロピーの本質を白日の下にさらけ出すことに成功したのだ(中略)ケツをまくって「不可逆結構!でたらめ上等!」と大勝負に出たところだ

まぁ、かの革命児?!アインシュタインも、宇宙は一様で静的なものだという大前提から逃れられず、宇宙港という、かなり無理に無理を重ねた失策をした経緯もあります。従来の常識を打ち破る時もには、どうしても、喧嘩腰にならざるを得ないのかもしれません💦

 

そして、ボルツマンの科学者としての締めくくり

P-117

ボルツマンは「確率論によるエントロピー則と愛の解明」なる演題で、ダーウィニズムを論じている。「生物の生存競争は...エントロピーをかけた闘いである」

ガリレオの「それでも地球は動く」のような、渾身の闘いを終えた戦士のような言葉ですね。

 

最後に

なんだか人間ドラマの追跡のようになってきました。次回からは、本題のエントロピーとはなんぞや、もしくは、今後の展開を見ていくことにする予定です。

 

また、次回。

 

#エントロピーをめぐる冒険

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【エントロピーをめぐる冒険②】エントロピーという幽霊があちらこちらに💦

こんにちは、カタツムリ系です🐌

読み進めていくと、なんだか「量子力学」のご先祖のようなロジックの連続。熱力学なんてエンジンなんかの、バリバリの産業向けのナレッジなので比べて、量子力学はマルチ・バースなんかの怪しい?議論も本気でやってしまう、ややアカデミズムの勝った、もしくは机上の空論チックな世界。果たしてどんな共通点が?と思いきや、量子力学もPCや半導体、さらにはものすごいCPUをもつ量子コンピュータの生みの親でした。

出典はアマゾンさん。


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【目次】

  • ようやく「エントロピー」のトピックと思いきや
  • また、水車のアナロジーに戻ります。小さいことからコツコツと💦
  • しかも、エントロピーは、記憶をもたない「状態量」(P-67)だと言い始めた💦
  • 「記憶をもたない」だけじゃない!!エントロピーは増大するのだそうです💦
  • 最後に

 

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【エントロピーをめぐる冒険①】熱力学は、古くて、そして、とても、新しいらしい💦

こんにちは、カタツムリ系です🐌

エントロピーというのは、大まかに言うと、使用済みで、再利用不可のエネルギーのようなイメージ。もちろん、私だけの「イメージ」💦。エネルギー保存の法則から、エネルギーは消えてなくならないのだけれども、時間が元に戻らないように、そうしたエネルギーも、元の利用可能は新品?には戻れないようです。不可逆性というのだそうです。ただし、ニュートンなり量子力学なりでは、「元に戻れない」とは「言ってない」ので、なかなか厄介な代物らしいです。さらに、エンジンの本に触れて、プラモデルもそんなに好きではなかったし、理科の実験なんか特に関心なかった私が、意外にも面白いと感じました。

→エンジンのABCの引用

そんなエンジンが基礎にする「熱力学」の本↓。またまた、期待です。しかも、わざわざタイトルに「冒険」とまで付け加えられていて、なんらかの、ドンデン返しを期待してしまいます💦

出典はアマゾンさん。

 

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【目次】

  • エンジンとは熱のこと
  • 温度のアップダウンのコントロールが、エンジン操作のカギ
  • エンジンは水車のアナロジーで考えると、より分かりやすいらしい
  • 最後に

 

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【量子力学のラスボス②】量子力学の誕生

こんにちは、カタツムリ系です🐌 

本書の内容はそれこそ量子力学の教科書に出てくるような内容もあろうかと思いますが、私の理解力が全然追いつきません。にも、関わらず読み続けているのは、専門用語(の理解はともかく)に慣れてきたこと、そして、何より、使命感とも言うべき量子力学への取り組みに、私なりに感銘を受けているからでもあります。いやー、偉い人は偉い💦そう、量子力学誕生のゴッドファーザーたるボーア博士たちの物語の続きです。

ニールス・ボーア論文集〈2〉量子力学の誕生 (岩波文庫)

ニールス・ボーア論文集〈2〉量子力学の誕生 (岩波文庫)

 

 

出典はアマゾンさん。

 

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【目次】

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スタート地点でもあり、常にメインテーマともなる「作用量子」

量子力学とそれ以前を峻別するポイントはいくつかあると思いますが、私が知る限り、大きな相違点は次の三点。

  1.     すべての物質は、粒子であり波動の二重性を認めること
  2.     観測者は、観測した時点で、観測対象に影響を及ぼしてしまい「客観的な」観測はありえない
  3.     量子力学以前のよう古典物理学が「連続した数値」を前提としているのに比べて、量子力学は、物質は「とびとびの整数という値」をとることを前提としていること

本書では、特に三つ目が何度も強調されています。

P-361

作用量子を古典物理学の内部矛盾のない一般化に組み込むと言う課題は、依然として厄介で深刻な困難を抱えていました

「作用量子」というのは、現在使われている「量子」とほぼ同じ使われ方をしている印象あります。プランク定数の別名です。

作用量子(さようりょうし)とは - コトバンク

「E=hν」という公式で、エネルギーEは、プランク定数hの「整数倍」(振動数ν)で表されます。私にはあまりピンときませんが、とにかく、物理に関する数字が連続した値をとらず、「整数倍」のように「とびとびの値」をとることが革新的なのだそうです💦古典物理学では考えられないことなんだそうです。物質をそんな革新的な「作用量子」の集合として見るのが、量子力学

 

古典物理学の理想というか、拘りというか、弱点というか💦

それにしても

  •    物理的数値が、連続した数値であるべきとか
  •    宇宙は一様で定常できなものであるべきとか

古典物理学では、宇宙に対する理想形があったようですね。特に後者は、かのアインシュタインも強く強く支持。でも、リアルタイムでないと、その理由とか、熱い想いとかは、もう分かりません💦

 

アインシュタインもハイゼンベルグも、自らの研究のために数学の新しい分野を学習。大変ですね💦

アインシュタイン一般相対性理論を編み出すために、曲面もカバーする数学分野を学習したとか。リーマン幾何学というのだとか。我々が学校で習うのは、全て「平面」での計算。あれだけでも面倒なのに「曲がった空間」まで計算しようとするのだとか。同じように?!「行列」をマスターして量子力学の発展に寄与したとか。

ハイゼンベルクとは - コトバンク

 

P-364

今ではゲッチンゲンの碩学の数学者たちがエルミット行列についてさかんにお喋りしていますが、しかし僕は、じつは行列が何であるのかさえ知らないのです

とは、それ以前のハイゼンベルグの言葉。しかも

P-366

ハイゼンベルグ行列力学シュレディンガー波動力学という異なる方法の完全な同等性

もう一人の量子力学誕生の雄、シュレディンガーと形は違えど、同じ内容を編み出していたという逸話も、天才相通ずる感がして、エピソードらしいエピソード😊

 

最後に

自分の力量の無さはとりあえず棚にあげますが、なかなか、しんどい本書の内容。これ、読める人、もしくは読もうという人は果たしているのかな?という印象。とは言え、五十年まえくらいは「物理帝国主義」なんて言われて、大人気分野だったので、果敢に挑戦した人もいたんでしょうね。とは言え、嫌いではいんですよね、これが💦

 

また、次回。

 

#ニールス・ボーア論文集 量子力学の誕生

#シュレディンガー

#波動力学

#ハイゼンベルグ

#行列力学