カタツムリ系@エンタメ・レビュー (ポップ・サイエンスはデフォルト)

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【消えた反物質②】玉ねぎ状態の素粒子。まさに幽霊物質のニュートリノ。「反水素原子」という怪奇

こんにちは、カタツムリ系です🐌

物質やら粒子が

などという、SFだか、魔術やら、最先端理論やら、とこにも分類しがたい方法で、生まれ、そして極めて短い時間で消滅することが分かりました。

そんな神秘的なパワーをもつせいか、ブラックホールも気軽に生成しがちなのだとか(実際には、その可能性は極めて低いそうですが)。しかも裁判沙汰にもなるという、いろんな側面で話題となっている素粒子

前回の記事↓

本書↓を読み進めます。

消えた反物質―素粒子物理が解く宇宙進化の謎 (ブルーバックス)

出典はアマゾンさん。

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【目次】

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沢山ある、玉ねぎ的素粒子

だいたい、

  • 原子はそれ以上分割できないと言ったり
  • 原子は原子核と電子から形成されていると言ったり
  • 原子核は陽子と中性子から形成されていると言ったり
  • 陽子はクォークから、電子はニュートリノから形成されると言ったり

玉ねぎ状態。しかも、上記の構成要素は色々複雑に交わり合っています💦たとえば、

などというカテゴリーわけもあります。しかも、まだまだあります💦

今後もまた新しく小さな物質が見つかるかもしれないので、もはや「これ以上分割できない」とは言わず、小さい物質ということで、ふわっと「素粒子」という言葉を受け皿にしているそうです。

 

新しい注目株「ニュートリノ

このワードも結構注目株ですね。

なんと

P-21

ニュートリノだけは例外的な存在であり、電荷も質量ももたず、物質とは極めて弱くしか相互作用をしない。

幽霊のよう。しかし、光の粒子「光子(フォトン)」と同じ。さらに

P-21

実はニュートリノは宇宙空間にいっぱい存在していて、我々の体も突き抜けて飛び交っているのであるが、何も感じることはない

やっぱり幽霊。しかし、電磁気もスマホなどの電波という形で飛び交ってますが、全然感じませんけどね💦

 

相互作用とは

新しいものかと思いましたが

P-22

相互作用はその性質に基づいて、

という、例の四つの力ですね。これが素粒子の働きを理解するキーなのだとか。

 

宇宙は物質でできている(P-22)

そりゃそうです。

しかし、そんな当たり前のことを改めて確認しているわけではありません。物質と反物質は対生成と対消滅を経て、基本的には、物質と反物質は、同数のはずなのに、なぜか「物質だけ残っているのが不思議」という話です。

P-23

現在までのところ実験室の中では、反水素原子をつくることにようやく成功した段階であり、人工的に巨視的な大きさをもつような反物質をつくることはとても不可能であろうが、自然界のどこかに反物質が存在している可能性はあるだろうか

素粒子を扱うテクノロジーは発達して、なんと「反水素原子」を作り出せるのだとか。これが、どのくらいすごいのかは全く分かりませんが、馴染みのないこともあって「反水素」なんて、なかなか魔術っぽい💦

P-23

一般に粒子と反粒子が出会うと(中略)対消滅が起きる。対消滅では質量のエネルギーが解放されて最終的には熱エネルギーになる。このため反物質が物質と接しているところでは爆発的反応が起きて反物質は(同量の物質とともに)消えてしまう。したがって、地球上に反物質が存在している可能性は考えられない

この理屈で進めると、反物質どころか、物質が存在するのも不思議。

 

数のつじつまを合わせようと思えば、もしかして、地球以外は反物質だったりするのか?

P-23

他の天体が反物質でできているという可能性はどうであろうか。月にも物質でできたロケットや人間が無事着たのであるから、月が反物質からできているということはない

ということは、どうして物質があまっているのでしょう💦もっとも、そのあまりが地球をはじめとする天体であり、人間も同じ。

 

物質>反物質のカラク

138億年前ビッグバンによって宇宙が誕生し、その当時は、高温高密度の状態。

P-25

高温高密度の状態では衝突によって頻繁に粒子と反粒子の対生成が起きる。この結果、対生成による粒子や反粒子の数の増加と対消滅による減少のあいだでバランスがとれた状態が実現して、粒子と反粒子の共存が可能となる。共存が許されない常温の地球上との大きな違い

そういう意味ではCERN(セルン)のLHCという大型ハドロン衝突型加速器は、宇宙誕生当時を再現しているということ?!

いずれにせよ、粒子と反粒子の共存はビッグバン直後の高温高密度の状態だけに許されるレアな現象らしい💦

 

まとめ

以上のストーリーをまとめると、次のようになるか、と。

  • 素粒子というフワッとした名称で、さらに小さい粒子が見つかった時の受け皿にしてあるらしい
  • ニュートリノは質量も電荷もなく、人体にも感じられないが、かなりのボリュームをもつ
  • 相互作用とは、例の四つの力=強い力、弱い力、電磁気力、重力
  • 物質と反物質は同数というのが基本だし、お互いに消しあっていまうのに、宇宙は物質でできている 不思議
  • 地球以外の反物質の可能性はなさそう
  • 物質>反物質というカラクリはビッグバン直後の高温高密度の世界に秘密

 

また、次回。

 

#消えた反物質

#小林誠

#ノーベル賞