カタツムリ系@エンタメ・レビュー (ポップ・サイエンスはデフォルト)

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ノーベル賞のアインシュタインでも、論文には20%のエラー💦【偉大なる失敗②】地球の年齢調べは上や下への大騒ぎ💦

こんにちは、カタツムリ系です🐌

前回の記事↓では、ダーウィンの進化論も無敵ではなかったことに触れました。

今回は、ケルヴィン卿という

P-133

ずば抜けた数学的能力を持っていた

のにも関わらず、しくじってしまった科学者の失敗の話。↓とにかく、偉大なる試みは、おっきな間違いをしなくてはならないようです💦

偉大なる失敗──天才科学者たちはどう間違えたか (ハヤカワ・ノンフィクション文庫〈数理を愉しむ〉シリーズ)

出典はアマゾンさん。

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【目次】

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地球の年齢

P-96

人間は有史以来、ずっと地球の年齢に興味を抱いていた

現在は45.6億歳ということになっているそうです。ものすごい時間の蓄積ですね💦

地球の年齢もそうですが、宇宙の年齢調べでも結構すったもんだしたと聞いています。エピソードとしては、かなり面白いジャンルかもしれません💦  

 

ちなみにキリスト教の時間観

P-98

ユダヤ人が主役を担うとされる神のドラマにおいては、歴史を持つということは明らかに重要だった。この伝統に従えば、世界はおよそ5773年前に創造されたことになる(2013年現在)

出典は再確認できませんでしたが、ギリシャ正教では、地球創造は7000年くらい前という情報に接したことあります。ただし、あんまり年齢にこだわるのもどうかということで、

P-99

太陽は天の一部であるゆえ、時間は世界よりあとにできたと考えてしかるべきだ。したがって、世界が時間の流れの中で創造されたという言い方は正しくなく、むしろ世界があるからこそ時間が存在すると言うのが正しいのだ

と、紀元1世紀のユダヤの哲学者の言葉。そういえば、紀元4世紀の哲学者アウグスティヌスも、

  • 時間は神が創造したのだし、
  • 宇宙ができる以前は神は何をしていた?というバカな質問をする輩のために、神は地獄を用意した

のだとか。なかなか、辛辣なコメントあったようです。関連記事↓

熱で地球年齢を測る!!

P-112

ケルヴィンが行った地球の年齢の計算は単純だった。地球は冷却しているため、熱力学の法則を使えば、地球の有限の地質学的年齢、つまり固体の地殻が形成されてから現在の状態に至るまでの時間を計算できる、というのが彼の説明

たしか、ウランあたりの半減期で、こうした長い時間は算出されていると思いますが(まぁ、半減期というコンセプトも、そんなに理解していない私ではありますが💦)、この時は熱力学で対処。なんか、うまく行きそうな気がしますが💦

ケルヴィンが弾き出した地球年齢。一億年。

実際は45.6億年なので、例えば、学校のテストだと、まず間違いなく、✖️ですよね。

しかし、完璧に方向違いではなく

P-130

少なくとも概念的には、ケルヴィンの勝利であることは明白だった。地球の年齢は無限ではなく、有限であるという考え方が勝ったのだ。

しかし

P-131

地球の年齢は(中略)ケルヴィンの推定した年齢の約50倍である!物理学の法則をもとにしたはずなのに、からの計算はいったいどうしてこれほど誤ってしまったのか?

ほぼ推理小説チック。

 

どこで間違えた?!

ケルヴィン卿の数学的能力をもってすれば、恐らくは、彼が用いた仮定が誤っていたという線で考えると

P-155

ケルヴィンの太陽年齢の計算は、太陽が収縮するに伴って熱という形で重力エネルギーを放出するという仮定に完全に依拠

というとのでしたが

P-155

それは完全に間違いだった

重力エネルギーを放出?!まぁ、重力のことなんて、もっとも分かっていないことの1つなので、仕方ないところはあります。しかし、重力エネルギーを放出するというのも、今から考えれば、なかなかシュールなアイディア💦

 

正解は?

P-156

水素原子核からヘリウムが形成される「核融合」こそが、太陽のエネルギー源

核融合」が未発見の時代のこと。仕方ないこととはいえ、いざ、歴史の舞台に引き摺り出されると「失敗」扱いされるのですね💦

 

最後にアインシュタインの粗探し

本書のタイトルは、もともと「失敗」についてなので、失敗を対象にするのは当然と言えば当然。しかしながら、粗探しに、少し飽きてきたので、最後に、アインシュタインの例を一つ。

P-400

アインシュタインのオリジナルの論文の20パーセント以上には、なんらかの間違いか含まれている

たしかに、アインシュタインがよく間違っていたことは、いくつかの本でも目にしました。そして、相対性理論も彼の独走というよりは、例えば、ヒルベルト博士とのデッドヒートなど、ギリギリな面も多々あったようです。

それにしても、アインシュタインもわりかし「数打ちゃ当たる」的なところあったようですね💦

 

まとめ

以上のストーリーをまとめると、次のようになるか、と。

 

  • 地球の年齢は45.6億歳。
  • キリスト教では6000歳くらいとの教え。
  • かつて地球の年齢を「熱」で解明しようという試みがあった。
  • 数学の達人ケルヴィン卿が、熱という観点から算出した地球年齢は1億歳(正解は45.6億歳)💦
  • ケルヴィン卿は仮定でそもそもつまづいた。太陽エネルギーは重力に関係しているかと考えたものの、正解は太陽の核融合に依存
  • アインシュタインは数打ちゃ当たるタイプ。提出した論文の約二割には誤りあったとか。

 

また、次回。

 

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