カタツムリ系@エンタメ・レビュー (ポップ・サイエンスはデフォルト)

映画・本・動画といったエンタメのレビューを友人に語りかけるように書きためています。映画は、おすすめポイントと大好きなカットに焦点。本や動画でポピュラーサイエンスやオカルトをエンタメとしてカバーしているのも特徴。

【量子力学のからくり①】現代物理のレジェンド

こんにちは、カタツムリ系です🐌   

この本の筆者の山田克哉博士。ブルーバックスでたくさん上梓されています。

  •     時空のからくり 
  •     真空のからくり
  •     光と電気のからくり
  •     E=mc^2のからくり

などなど。

不思議と「相対論のからくり」がありませんが、おそらく、上記の「からくり」シリーズが相対論の解説になっているからでしょう。そんな方がとうとう出された「量子力学のからくり」。簡単なはずはありませんが、この方、明らかに、サイエンスを愛してらっしゃいます。一般の人々にサイエンスを易しく解説するという位置づけであるポピュラーサイエンスの本ですから、サイエンスを嫌いな方に書いてもらっても仕方ないのは確かてす。それにしても、十分に愛を感じます。この本にも、そこそこ、見慣れない数式は登場します。しかし、意外と目を背けることがありません。単に、先生が好きだと、その方の授業をちゃんと聴けるという、古典的な心持ちの話かもしれません💦それでは、現代物理のレジェンド「量子力学」のカラクリに、絡んでいきます😊

量子力学のからくり―「幽霊波」の正体 (ブルーバックス)

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出典はアマゾンさん。

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【目次】

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量子力学ノーベル賞をとり、量子力学と折り合いの悪かったアインシュタイン

そうなんですよね。アインシュタインは相対論でノーベル賞を取ったわけではないそうです。光電効果という量子力学系のテーマでノーベル賞の対象になっています。もちろん、政治的な背景もあったようです。

そんな

  •     ノーベル賞に関わる曰く付きでもあり
  •     現代のテレビ・ビデオカメラ・太陽電池・光センサーなどにも利用され
  •     量子力学系のテーマでもある

光電効果」をまずは確認します。

これだけの経緯があるのに(あったからこそ?)終生、アインシュタイン量子力学と折り合いが悪かったよう。その曖昧さが嫌いなんだとか。ある種の美意識から曖昧さを遠ざけたかったようです。ここまでくると、科学者もアーティストっぽい💦

 

光電効果という賢そうなテーマ

いろんなところで、このテーマは書かれています。おそらく、数式とかを含めて説明しだすとかなり、難しいのかもしれません。ただし、考え方だけだと、意外とシンプルそうに見えるのは不思議です。

P-40

金属面に光が当たるとほとんど間を与えず、瞬時に自由電子が金属表面にから出てきます(中略)自由電子はエネルギー(運動エネルギー)を持っていますが(中略)光の色によって、自由電子のもつエネルギーが異なっている

まぁ、光があたると、押し出されて電子が出てきて、エネルギー毎に色が異なるまでは、すんなり理解できます。とりあえず、これを光電効果というらしい。すごく、普通。

P-40

金属面に照射する電磁波の振動数fがある値以下になると、照射する電磁波をどんなに強くしても一個の自由電子も金属表面から出てきません。逆に、振動数の高い電磁波である紫外線を照射すると、その強さがゼロでない限り、どんなに弱くても金属表面から電子が出てくるのです。

ここですね。ポイントは。振動数が鍵だと。ちなみに、光の強さは振動数に関係していると思ってましたが、上の文面見る限り、どうやら関係らしい???

流れとしては、電磁波を波と考えると矛盾があるという話らしいのですが

P-41

電子が、進入してきた光(波)から外に飛びだせるほどの十分なエネルギーを受け取るまでには時間がかかります(中略)しかし実際の光電効果においては光が金属に当たると瞬時に電子が飛び出てくる

この波であるはずの光にアタックされたら、もっと電子は、ゆるゆる出てくるし、おかしいと。

P-42

光が電子にぶつかるとときには、波としてぶつかるのではなく「粒子」としてぶつかり、光の持つエネルギーが瞬間的に電子に引き渡されると考えると辻褄が合う

あんまり、大きな問題には感じられませんが

  •    理論として成立させるなら、矛盾はなくす必要あるし
  •    それに光電効果が、電子の反発が対象だとすると、その反発スピードが予想とかなり違うのは都合悪いでしょう
  •    さらに、現在は光センサーなんかに利用されていて(コンビニの自動ドアとか)それらがちゃんと動くようにするには、大きな矛盾はたしかにマズイですよね💦

 

波と粒子の違いは如何に重要か

電子を波というだけでなく、粒子としても認識すると、色々説明がつくのは分かりました。残念なのは、そんなに重要?!というところが消化不良なところですね。まぁ、おいおい、追いついていきたいと思います💦

 

また、次回。

 

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【エネルギーとはなにか】太陽=神

こんにちは、カタツムリ系です🐌  

 

ムーの三上編集長が「ムー的物理」なんていう本を出して頂けていないかと願っているのですが、なかなか実現しません💦ついては、引き続き、地道に関心のあるタイトルの本を探していきます。

今回は、恐ろしくストレートに「エネルギーとはなんだろう?!」というタイトル。たしかに説明できません。どうして、1足す1は2になるのかを説明できないように💦

エネルギーとはなにか そのエッセンスがゼロからわかる (ブルーバックス)

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【目次】

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いきなり結論

P-7

地上で利用しているほとんどすべてのエネルギーの源が太陽であることがわかっていただけることでしょう

エネルギー保存の法則で、エネルギーは全体として、増えも減りもしないとすると、太陽は「神」ですね。古代エジプト人が「太陽神」として崇めたのも、うなずける話。

太陽神(たいようしん)とは - コトバンク

 

熱的死というノストラダムスの予言的イベントはいつ?!

P-37

これ以上仕事を引き出すことができなくなるまで温度を均一にする方向に向かいます(中略)宇宙のこの運命は「熱的死」と呼ばれています(中略)この熱的死は何億年も先のことです

全く宇宙にエネルギーがなくなって、何も動かなくなる時期のことかなぁ、と理解していますが、そんな地獄は何億年も先のことらしい。

弥勒菩薩(ミロクボサツ)さまも現れる頃でしょうか。たしか、お釈迦さまが亡くなって、56億7千年後に出現されるらしいので。

 

ノストラダムスとは - コトバンク

弥勒菩薩(ミロクボサツ)とは - コトバンク

 

E=mc^2ふたたび

P-44

「まったく動いてなくて、しかも外力も働いていない」すなわち「ポテンシャルエネルギーを持たない粒子」が(中略)E=mc^2で表現される大きなエネルギーを有している

あんまり気にならなかったのですが、そうですね。モノは、運動してなくても、高いところに位置していなくても、ただ、じっとしているだけで、実は莫大なエネルギーを持っている、という風にも解釈できるそう。んー、納得😅

 

トンネル効果。名前はなんだか間抜けですが、どうやら超常現象のようなものらしい

P-100

トンネル効果とは(中略)障壁を超えるだけのエネルギーをもっていない粒子でも、ある確率でその障壁をすり抜けることができる

もう、テレポーテーションとか、どこでもドアのレベルの話ですね。んー、ムーっぽい。ムー的。

 

最後に

最新の宇宙論を理解できている人はあまりいなさそうなので(私もそうですが)、このトピック、あるオカルト系映画のシナリオと説明しても、まったく違和感ありませんね💦

 

また、次回。

 

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【量子力学が語る世界像】暑くておかしくなったのか、ハチャメチャであり、無邪気な世界がてんこ盛りです💦

こんにちは、カタツムリ系です🐌

よく理解していないのにナニですが、その、あまりに人間臭い部分に惹かれて、量子力学の知識の仕入れにいそしんでいます。

もちろん、すべてのモノは「ツブ(粒)」であり、同時に「ナミ(波)」なんていうハチャメチャを言っている時点で、日常生活の感覚とは全く接点がありません。

しかし、そのハチャメチャさ(学問的根拠に基づいているので、本当はハチャメチャではないのでしょうが💦)には愛嬌を感じます。また、その無邪気さ(日常感覚からはかけ離れていても、ちゃんと考えていけば、宇宙はいくつもあると考えざるを得ないよね😙と断定するところ)にも愛着を覚えます。

量子力学が語る世界像―重なり合う複数の過去と未来 (ブルーバックス)

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【目次】

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量子力学というと、かなりアカデミックなイメージあります。しかし、実際には、かなり実用的らしい

P-22

実は量子力学という一つの「計算方法」が確立したといったほうが正確だろう

P-80

物理学のみならず、化学、生物学、電磁気学原子力工学、そのほか多くの分野で自然の基本法則として使われてきた。現在の工業技術も、電子や原子、分子といったものがかかわるものはすべて、量子力学もとづいて考えられている

「計算方法」と言い切ってますねぱっと見、人間から大きく隔たりのあるように感じれる考え方です。しかしながら、単なる「計算方法」で、かつ、人間の役に立っているとか。理屈の突破すぎる点と、地に足のついた役立ち方をしている点のギャップで、なぜ量子力学がこんなに注目されているかが分かりますね。

 

量子力学には「根本原理」感ありますが。。。

P-80

量子力学がこの世の根本原理だとしたら、原子ひとつひとつのみならず、それから構成される物体、人間、天体、そして宇宙全体も同じ原理で説明されるべきもの(中略)この多世界解釈に到達した

量子力学は、すでに人間社会に役立っていて、その効用は確認されています。そんな量子力学から導かれる多世界解釈」。なんか高尚な原理なのでしょうか?!

 

いえいえ、単に、真面目に無邪気に考えをまとめただけ

P-82

多世界解釈(中略)これを「量子力学を真面目にとる解釈 “take quantum mechanics seriously interpretation”」と呼んでいるくらい

P-149

コペンハーゲン解釈では「観測のときに波の収縮ということが起こるので、マクロの世界は必ず一つしかない」と主張する。しかしこれではマクロの世界が一つしかないということを説明するために、ほとんど同じことを意味する「波の収縮」という仮定をもちだしているに過ぎないという感じもする。多世界解釈では何も仮定しない。したがってマクロの世界でも複数の状態が共存している

モノはいつもは「ナミ(波)」であるのに、人が観測すると、その瞬間に、キュッと縮んで(波の収縮)「ツブ(粒)」になるという、従来の理屈は無理有りませんか、という疑問の提示です。ごもっとも😙

それに比べると多世界解釈」は肩に力を入れず、普通にさらっと考えます。「ナミ(波)」は「ナミ(波)」のまま。すなわち、複数の世界が「ナミ(波)」のように、並行的に存在しているのだと。頭では分かりますが、胃にまでは落ちていないです💦

 

しかし、あまりに何でもありじゃないですか?

P-233

「神様はサイコロをふらない」という皮肉が、アインシュタイン量子力学に対する気持ちをよく表している

かつては神様は万能で、なにごとも、神様によって、厳格に定められているという考えが強かったようです。だから、量子力学のこんな「なんでもあり」スタイルには、かのアインシュタインもオカンムリだとかまるで、神様がモノゴトをサイコロ振って適当に決めているなんて、ケシカラン!と。

これに対し、量子力学のリーダーたるボーア博士は「神様のいうことにケチつけちゃいけない」みたいな言い草で交わしたそうです。

ボーアとは - コトバンク

 

アラレちゃんのような魅力

冒頭でも触れましたが、

○そのハチャメチャさ

○その無邪気さ

は、私にとっての、量子力学の魅力ではあります😙ドクタースランプ・アラレちゃん😎

Dr.スランプ アラレちゃんとは - コトバンク

 

また、次回。

 

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【宇宙の誕生と終焉】重力レンズと銀河衝突。ミルコメダ銀河の誕生。

こんにちは、カタツムリ系です🐌 

今回もダークマターダークエネルギーが登場。ダークマターは、なんだかやたらと重力の影響を受けていて、ダークエネルギーは、重力と反対の方向、すなわち、宇宙を膨張に導くチカラ。こう次から次へと良い?タイミングでミステリーを提供してくれる宇宙。この気の利き具合やはり、宇宙に人格を認めても、許されるような気がします。

宇宙の誕生と終焉 最新理論で解き明かす!  138億年の宇宙の歴史とその未来 (サイエンス・アイ新書)

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【目次】

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重力レンズ

宇宙論を見ていて感じるのは、あまり、キャッチーな表現が少ないこと。変に派手にするより、学問的に正確なことが重視されているよでしょう。もちろん、異論はありません。その中でも、派手さはないものの、ちょっとキャッチーな表現に漸く会いました。重力レンズ。なんか、カメラ会社の抑制気味のコマーシャルのよう💦 

P-114

ダークマターの集まっている方向を見てもダークマター自体は見えないが、その奥にある銀河からの光はダークマターを通過して私たちまでやってくる。

そうでした。ダークマターは見えないだけではなく、通り過ぎてもいく、幽霊のようなものでした。ということは、幽霊もダークマター候補の可能性?!

P-115

その光はダークマターの作り出す重力の影響を受けて、進路がわずかに曲げられる。ダークマターがレンズのような役割を果たすのだ。これを重力レンズという。

類書ではダークマターの発見契機として、ある銀河団が、その質量ではありえないスピードを出していて、その「ありえないスピードに対応する質量」をだすモノをダークマターと言っていた記憶あります。とにかく、なんか、地味ですね💦

 

ダークエネルギーの影響謎なところ

P-118

ダークエネルギーはとんでもなく奇妙なもので、そこに私たちが知っている物質やエネルギーの常識は通用しない。ひと言で言えばダークエネルギーとは空間に広がったエネルギーなのだが、宇宙が膨張してもその密度が薄まらないという際立った特徴をもつ

多分、宇宙が収縮してもダークエネルギーの密度は変わらないのでしょうね。そんな不思議といえば不思議、普遍的といえば普遍的なダークエネルギーには関心高まります。唯一絶対と思われている「光速」と並んで、絶対的な密度をもつ「ダークエネルギー」。

ちなみに、ダークエネルギーが宇宙膨張の理由でない場合もあるとか

P-122

ダークエネルギーなしで宇宙の加速的な膨張を説明しようとする立場も考えずられないわけではない

もっと面白い展開もありそうではありますが、重力には引き寄せるチカラしかなく、反発するチカラはありません。重力の唯一の対抗馬としてのダークエネルギーという観点は個人的に面白そうだと思っています。

 

巨大隕石

P-161

いまから約6550万年前、直径10kmもの巨大な隕石がメキシコのユカタン半島に衝突した。そのときにできたクレーターの痕跡は直径160kmにもおよぶ。

例の恐竜絶滅の引き金となったと目されている事件。しかし、アメリカ大陸はなかなか世界史に登場しなかったような印象ありますが、こと「大陸」トピックでは結構古来から活躍しているのですよね。例えば、地球最初の超大陸アメリカ付近💦↓「コロンビア超大陸」。

 

銀河衝突

我々の地球とか太陽系は「天の川銀河」。お隣さんが「アンドロメダ銀河」。宇宙は加速的に膨張しているので、それぞれ、お互いが遠くになるだけかと思ってましたが、その膨張過程でと、ぶつかる時はぶつかるらしい。

P-179

アンドロメダ銀河で、約250万光年離れたところにある。アンドロメダ銀河は私たちの方向へ向かって近づいていて、いまから約40億年後には天の川銀河とほぼ確実に衝突するだろう

銀河同士の衝突はさして珍しい事柄でもないらしい。しかし、拍子抜けというか

P-179

天の川銀河アンドロメダ銀河と衝突しても、その中の星が衝突することはまずない。星の間には広大な空間が広がっていて、星同士はめったなことでは衝突しないのだ

納得。そして、合体して出来る楕円銀河が「ミルコメダ銀河」と予め命名されているとか。しかし、そんな銀河も

P-181

宇宙の加速膨張により、いまから約1500億年後にはほかの銀河がすべて宇宙の地平面の外にでていく(中略)ミルコメダ銀河からはほかの銀河を見ることはできなくなり、宇宙の中で孤立した状態になる

 

宇宙の終焉

P-183

銀河からは欲しがって消え去り、超巨大ブラックホールだけが残されることになるだろう。ただしらそこまでに要する時間は(中略)1兆年のさらに1億倍(1垓年)ほどの時間がかかる。事実上の銀河の終焉

しかし、この「1垓年」。計算の結果でてくるんですよね。まぁ、人でなく、コンピュータでしょうが💦

 

 

また、次回。

 

#宇宙の誕生と終焉

#コロンビア超大陸

#ミルコメダ銀河

【宇宙はどうして始まったか②】時空は歪み、次元は増減💦

こんにちは、カタツムリ系です🐌

先の記事↓で、単なる入れ物程度の認識だった宇宙、すなわち、時間や空間は、宇宙の変化そのものであるようなイメージさえ生まれてきました。

宇宙はどうして始まった②過去記事引用

P-103

アインシュタイン(中略)は、時間や空間が固定された単なる舞台ではないことを、深い洞察によって正しく見抜いた。

そんな時空の主役ぶりを解説してくれる本書↓

宇宙はどうして始まったのか (光文社新書)

出典はアマゾンさん。

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【目次】

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アインシュタインの直感。重力の正体は時空間のゆがみ

時空の歪み素描

さすがに、この点は私も、ようやく学習してきました。例えば、ゴムシートのようなものを宇宙になぞらえて、重いものも置くと凹んで、周りのものを強く引き込みます。逆に、軽いものだと、周りのものを引きつける度合いは小さいまま。この、ゴムシートのゆがみが、重力だとか。これを、例の「時空の曲率」と「物質やエネルギーの分布(膨張度とも言い換えられそう)」の度合いを導くアインシュタイン方程式で証明してみせたわけですが、

アインシュタイン方程式(アインシュタインホウテイシキ)とは - コトバンク

紆余曲折のアインシュタイン方程式

これとて、

P-120

彼が正しい方程式に到達するまでには、いったん間違った方程式を提唱してみたり、あとでそれを取り下げたりみたり、などの苦難の過程

 たしか、

E(エネルギー)=m(質量)✖️c(光速)の二乗

も、そんな紆余曲折あったとか聞いたことあります。この経験があるからでしょうか、かなり有名になってからも、「宇宙項」は間違いだったと認められたのは。

ちなみに、本書の筆者の意見で

P-124

アインシュタインよりも頭の良い人はいくらでもいる。だが、それまでの常識を覆す見方によって、一人で物理学の基本的な枠組みを変えてしまうような彼の仕事は、いくら頭が良い人であっても、めったにできるものではない。

これは、アインシュタイン方程式含めた、一般相対性理論がスルッと頭に入って、さらに、かなりのプラスαがあって初めて言えること💦

 

救世主候補?ストリング理論

厄介な次元の捉え方

ひも理論とか、弦理論とか呼ばれているもの。

ひも理論では、とにかく次元数が目に付きます。26次元とか、ちょっとコンパクトにして10次元とか。そもそも、コンパクトに出来るものなの?

P-169

余分な次元を隠すには、それを小さく丸めてしまうと良い。例えば、紙は2次元の表面を持っている。これを丸めて筒状にすると、一つの次元か丸まったことになる。丸める半径を人間に感知できないほど小さくすれば、それは線状の物体にみえることになる。

そう、これなんですよ。便宜的に、小手先の説明で誤魔化されているような印象がなかなか消えない好例。紙を丸めると二次元→一次元💦要は、観測者にとって重要性がある切り口を次元と呼んでいるようですね。だから、極小でも、異常に曲率(歪み度合い)が酷ければ、次元の一つにカウントするみたいな。

 

次元の調整の仕方

P-169

ストリング理論にもいろいろな理論的見方があり、それによって必要な空間の次元は異なるが、最低でも9次元の空間が必要だ

しかし、先ほどの紙のように、次元数をカットする方法はなくはないようです。

P-169

ストリング理論に現れる9次元の空間のうち、実際の空間は3次元なのだから、余分な6次元を丸めて隠す必要がある。この6次元分を私たちから隠す方法は一通りではない。数学的には非常に多くの可能性があるのだ(中略)一説によると丸める方法が10の500乗個 

ほぼ無限に近い💦ということは、いつでも、ストリング理論での次元数は三つまで引き下げられるということ?

P-170

余分な空間次元を隠すこれら無数に近い方法の一つ一つは、すべて異なる性質を持つ宇宙に対応している

あらあら。一つ、次元数を丸める方法を生み出したと思ったら、それは、また新たな宇宙向けなのですね💦きりがない💦

 

プランクトンに置き換えた例。面白い。

P-228

彼らは十分に賢いので、このプランクトン社会には科学が発達した。このプランクトンたちにとって、宇宙を理解するということは、海水で満たされた世界を理解することと同じだ。

例え話は、もっと続き、なかなかウィットに富んでいて面白いです。ただ、ここでポイントになるのは、海水から出られないプランクトンと、今の宇宙からは出られない人間のアナロジーですね。とにかく、その容れ物の中から出られないので、外は直接知りようがありません。果てしなくて呆然としてしまいそうにもなりますし、まだまだ謎かあることに、安心する心持ちもあります。

 

また、次回。

 

#宇宙はどうして始まったか

#プランクトン

【宇宙はどうして始まったか①】宇宙の始まりが曖昧などころか、宇宙自体も、存在したり存在しなかったりの幽霊ぶり💦

こんにちは、カタツムリ系です🐌 

科学に特別詳しくないかもしれませんが、「宇宙はどうして始まったか」というタイトルには、ほとんどスピリチュアルなものを感じます。以前は、哲学者とか宗教家しか相手にできなかった領域に科学者による参入が可能になったということですね。きっと、探せば、本格的な哲学者と科学者のディベートはありそうなので、そんなアプローチも楽しそうです。

宇宙はどうして始まったのか (光文社新書)

出典はアマゾンさん。

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【目次】

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有名な宗教家の意地悪?賢い?回答

アウグスティヌス

宇宙の始まりとか、時間とかのトピックになると、よく聖アウグスティヌスの話題が出ます。紀元4世紀頃のキリスト教の聖人。ちなみに聖人というのは、もともと人間離れしていたというよりは、カトリック教会に、その功績を認められて「聖別」されてなる、資格?!名誉?!みたいなものだそうです。

アウグスティヌスとは - コトバンク

ちなみに、ジャンヌ・ダルクも聖人だそうです。

ジャンヌダルクとは - コトバンク

 

神は天地を創造する前に何をしていたのか?というのが、一つのポピュラーな疑問だったとか

この問いに対しては「そのような疑問を抱く者のために地獄を用意していたのだ」という物騒な回答もあったよう。これに対し聖アウグスティヌス

P-20

時間そのものも神が造ったのだから、天地創造以前には過ぎ去る時間というものがなく、神が何かをしているということもない、という推論に至っている

なんだか、一休さんのトンチ合戦のようですが、この回答自体は、かなり考えないと出てこないと思います💦

 

ビッグバンが先?インフレーションが先?

P-28

現在の宇宙も膨張しているが、宇宙の始まりに近い頃、それとは比べものにならないほどの勢いで急膨張したというのが宇宙のインフレーション理論だ

たしかに、これだけだと、ビッグバンとインフレーションに区別をつけられません💦

 P-30

とある一般向けの講演会で(中略)筆者はインフレーションの後をビッグバンと呼ぶ場合が多い、と答えた(中略)別の参加者から「宇宙が始まった時をビッグバンというのだから、それはおかしい」と憤然と言われたことがある

まぁ、実際、そう説明している本も多そうですし。しかし、ここは言葉の定義上の問題だそうです。とりあえず素人は、宇宙誕生→インフレーション→ビッグバンの順番で覚えておくと大怪我しなさそうです。だいたい

P-33

インフレーション理論においては、インフレーションが始まる前からすでに宇宙は存在しているものと想定され、その後のことを問題にしている(中略)インフレーション理論はあくまでビッグバン宇宙につながる前段階に対する理論で、時空間自体の起源については教えてくれない

ビッグバン理論とインフレーション理論の発表時期がかなりズレたことも理由にあるかもしれませんが、別々にするより、一つのコンセプトとしてまとめてもらったほうがスッキリしますね💦

 

量子ゆらぎとは

この量子ゆらぎとか、量子もつれとか、よく耳にしますが、毎回、異なる使われ方をしているようだし、だいたい、ネーミング自体が、まさに、揺らいでるし、もつれています。

P-94

あるのかないのかはっきりしない状態といものは「量子ゆらぎ」と呼ばれている(中略)粒子のある場所がはっきりしない状態

ぱっと見、例の確率的にしか粒子の動きはわからない、みたいなことにも受け取ることができますが、なんとなく、まだまだ含意ありそう。

P-95

宇宙のある状態とない状態が重なり合っていて、宇宙全体が存在と非存在の間に放り込まれた量子的状態。宇宙全体が量子ゆらぎであるとは、そのような状態を言う。

量子のもつれは、粒子同士が、ワンセットになって、不思議な関係性をもつことと理解しています。な量子もつれ(りょうしもつれ)とは - コトバンク

やや緩い理解ですが、

  • 量子ゆらぎ→粒子の「存在」自体が曖昧で、存在したり、非存在になったり。
  • 量子もつれ→粒子の「存在」は大前提として、その上で、粒子同士の不思議な関係性を言う言葉、

くらいの整理でしょうか💦

 

最後に

となると、宇宙、すなわち、時間や空間は、単なる容れ物ではなく、それ自体が激しく変化する、宇宙の「主役」そのものな感じもします。

 

 

また、次回。

 

#宇宙はどうして始まったか

#量子もつれ

#量子ゆらぎ

【宇宙に「終わり」はあるのか】最近ビジュアル的にもインスタ映えしそうなブラックホール。しかし、宇宙の終わりには、改めて、その暗黒な存在感を浴びせます💦

こんにちは、カタツムリ系です🐌 

最近、「宇宙の「果て」になにがあるのか」を読んだばかり。この、宇宙の果てなり、宇宙の終わりなりというのはワードは引きがあるんでしょうね。しかし、そんな字面の違い云々以上に、この手のテーマは面白い。良い先生が集まっておられるのか?!

宇宙に「終わり」はあるのか 最新宇宙論が描く、誕生から「10の100乗年」後まで (ブルーバックス)

出典はアマゾンさん。

 

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【目次】

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宇宙カレンダー

たまに見ますね、これ!恐竜とか宇宙とか、とにかく時間軸のスケールの大きい時には、かならずと言っていいほど登場するイメージあります。

宇宙カレンダーの具体例

何かと言えば

P-3

138億年の歴史を365日に置き換えて、ビッグバンを元日の午前0時0分とすると、約46億年前の太陽系の形成は9月1日に当たり、約20万年前の原生人類の誕生は大晦日の午後11時52分頃にあたる

というやつです。しかも、このアイデアの原型は、かつて科学系テレビ番組で活躍されていた

P-3

天文学者・作家のカール・セーガンの著書に紹介されている

そうです。

たまに、YouTubeで、このカール・セーガン博士の番組を見ます。今から、40年くらい前に活躍されたそうですが、大学教授にしては?かなりの洗練度が印象的。対局はアインシュタイン博士?!

 

宇宙の晴れ上がりの、より洗練された表現

宇宙誕生から暫くは、とにかく宇宙が高温で粒子も活発。活発過ぎてお互いの衝突具合が甚だしく、光さえも直進できなかったとか。それが38万年ほど続いて落ち着き、漸く、宇宙が遠くを見通せるようになった状態を、宇宙の晴れ上がりと呼ぶのだとか。そのときから、なんだかんだとよく耳にする、宇宙マイクロ波背景放射が発せられたらしい。

それで、この「晴れ上がり」の説明は長いので、もう少し洗練された表現はないものかと思ってました。探すとあるものなのですね💦 

P-101

宇宙の晴れ上がりとは、電子と陽子という二つの荷電粒子が結合して中性の水素原子となり、光を散乱しなくなることを意味していた。

なるほど。電子と陽子は、一つの原子の中で、お互いに中和しているので、電気的に中性さを保っているばす。これが、バラバラなら、それは大騒ぎでしょうね。

 

宇宙は、ある時「加速」膨張に転じる

アインシュタイン含め、そもそも、宇宙は静的で一様である、定常的な宇宙が期待されていたそうです。なので、膨張することだけでも一大事なのに

P-177

この宇宙は、60億年ほど昔から加速膨張に転じたらしい

理由はわからないらしいですが、たしかに、宇宙の終わり感を「加速」するエピソード💦太陽系の崩壊。銀河系の崩壊。

 

銀河系の崩壊において重要な役割を果たすブラックホール

ブラックホールは、なんでも吸い込んでしまいそうな雰囲気ありますが、もしそうなら、今頃宇宙は存在しないので、吸い込むのは、そこそこの範囲のようです。

P-213

すでに新しい星も誕生しなくなった銀河では、星同士の接近遭遇が起きた際に、一方がエネルギーを獲得して外宇宙に放り出されると、他方はエネルギーを失って密集していく。こうして、周辺部の星が蒸発していくとともに、残された星は中心部に集まり、そこで息を潜めていたブラックホールに次々に飲み込まれる。

そうですか。新しい星の誕生自体がなくなるのですね。宇宙は膨張して低密度になり、だんだん低温化。そして、距離が離れていくので重力は弱まり、星を形成する粒子の集結作用が無くなるのでしょうか。しかし、それは相当先の話で

P-214

銀河全体がブラックホールに飲み込まれるのがいつ頃になるのか、多くな要因があるためはっきりしたことは言えないが、1垓(1垓は1兆ほ1億倍。すなわち、10の20乗)年も経過すれば、大半の銀河において、外に飛び出さずに残った星がすべてブラックホールに飲み込まれるだろう。

ブラックホール

  • 周りのガスが鮮やかに光り(膠着円盤とか呼ばれてますね)ビジュアル的にも綺麗なこと
  • 飲み込んだら、何も吐き出さないと思いきや、低いながらも温度もあり、吐き出しもする(ホーキング放射)
  • さらには、時空の曲率と密度が無限大という状態が宇宙誕生と共通点をもち

かなり、印象の改善がありました。しかし、この1垓年後には、ブラックホール

P-214

もはや膠着円盤をまとっておらず、20世紀半ばに思い描かれたように、漆喰の闇の中で運の悪い漂流者を待っていふアリ地獄のような存在と化しているはずである

 

最後に

「宇宙の墓場」から「宇宙のレジェンド」に華麗に転身を遂げたブラックホールインスタ映えしそうなくらいの勢い💦しかし、宇宙の終焉には、その名にふさわしいブラックさを発揮するようですね。

 

 

また、次回。

 

#宇宙に終わりはあるのか

#宇宙の晴れ上がり

#宇宙マイクロ生背景放射

#ブラックホール