【重力波とはなにか②】見るものでなく「聞く」重力波。ダークマターの正体はブラックホールではないかと探索中。
こんにちは、カタツムリ系です🐌
凄そうではあるけれど、イマイチ、派手さに欠けるし、何がどう凄いのか分からないので、印象に残りにくい重力波。もっとも、一般相対性理論が有名だからと言って、一般に理解されているわけでないので、理解度=知名度というわけでもないでしょう。それにしても、今まで、なかなかブレイクスルーが現れなかった宇宙誕生時へのリーチが実現する可能性を秘める重力波。このことだけでも、十分凄いはず。

重力波とは何か アインシュタインが奏でる宇宙からのメロディー (幻冬舎新書)
- 作者: 川村静児
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2016/09/30
- メディア: 新書
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出典はアマゾンさん。
前回の記事です↓
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【目次】
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P-46
ブラックホール連星は中性子星と同様に重力波を放出し、エネルギーを失い、だんだんと公転距離が短くなり、最後には合体して一つの大きなブラックホールになります。
ブラックホールは、余剰次元など、超弦理論にもつながる文脈でよく目にしました。しかし、ブラックホール内の密度は半端ないので、空間も歪みに歪んでいるのかもしれません。空間の歪みが重力の正体なら、たしかに最高の(音源」かもしれませんね。
重力波は見るの?聞くの?
先程「音源」と書きました。しかし、観測というと、専ら「見る」作業なのでは?
P-50
可視光、電波、X線などの電磁波をとらえる望遠鏡はまさにうちの天体に「目を向ける」ものですが、重力波の場合は「耳を傾ける」もいったほうがいいでしょう(中略)重力波は空間の歪みを伝えるので、空気の振動が「音」として聞こえるのと同じように、私たちの鼓膜をふるわせるはず
もちろん、目に見えない光(電磁波)があるように、耳に聞こえない音もあります。人間には聞こえないが、蚊には聞こえるような。重力波も、この類です。
ガンマー線バーストという波動砲のような威力ありそうな存在
P-128
これだけだと特に印象的ではありませんが
P-129
ひとくちにガンマ線バーストといっても、その継続時間は一秒以下かは数時間までさまざまです。それほどの差があれば、原因も多様だと考えるのが自然(中略)その中でも一秒以下で終わるものは「ショートガンマ線バースト」と呼ばれており、これは中性子星連合の合体によるものでないかと考えられています。もしそうだとしたら、ショートガンマ線バーストと重力波が同時に地球に届くはず
あれあれ、ガンマ線バースト自体が凄いというよりは(だいたい、そんなに稀な現象でもないよう💦)重力波とペアになることが多いからなんでね。名前の威力に圧倒され過ぎました💦
出てきた!余剰次元
P-158
重力がほかの力とくらべて極端に弱いことを余剰次元で説明する試みもあります
お!なかなか新しい😊
P-158
電磁気力の強さを一とすると、重力の強さは10のマイナス36乗(中略)「四つの力」の中で重力だけが圧倒的に弱いことは、物理学における大きな謎のひとつです。そこで出てきたのが「四つの力」のうち重力だけは余剰次元の空間に逃げていけるーーという考え方
電磁波では通過できなかった宇宙誕生三十八万年前より、もっと過去にリーチできそうなほど貫通力?!の強い重力(波)。我々のいる三次元は、その一部しかシェアしていないのかも!と。恐竜があの大きな図体にも関わらず動き回れたのは、当時の重力がもっと弱かったせいだと主張しする方もいらっしゃるらしく、重力関係のトピックはなかなか興味深い😊
ダークマターまで登場💦
P-179
通常、太陽の近くにある星は、昼間は見ることができません。しかし、皆既日食で暗くなると、それを観測することができます(中略)その位置が夜(つまり近くに太陽がないとき)とは少しズレて見えることを発見(中略)太陽の重力によって光の進むべきコースが曲がるために、地球からの見かけの位置が変わってしまうのです
これが何の呼び水になるかと言うと
P-179
これと同じような現象が、太陽のような天体が存在しないところでたくさん見つかっています。目に見えない重力源があるせいで、その向こう側にある銀河や銀河団の光が歪んで見える
これを「重力レンズ」と呼ぶらしいのですが、この正体がダークマターらしいのです。
ダークエネルギーはダークマターの3倍くらい存在するらしいし、なにより重力と反対の力をもつと目されているので、かなり印象的。しかし、こんな魔法のような効果をもたらすことに加え
P-181
なんと、ブラックホールまで持ち出されました。我々が現在知っている物質の5倍もあるらしいダークマター。それが、そのままブラックだとすると、我々はブラックホールに囲まれているのですね。なかなか刺激的‼️
今後のスターとなるか?!重力波
しかし、これだけの可能性をもつ存在です。今後、存在感を増していくのは間違いなさそうです。重力波にも、俄然、目を向けたかなりました😊
また、次回。
#重力波とはなにか
#LIGO
【重力波とはなにか①】重力波発の天文学誕生。宇宙創生の瞬間までたどる手がかり。
こんにちは、カタツムリ系です🐌
百年ほど前にアインシュタインが、その存在を予言し、2016年に観測されたという重力波。ネーミングからすると、なかなか興味深いですが、観測された!という報道からあとは、急に耳にしなくなった感あります。研究が止まったというよりは、成果を出すのに、なかなか骨の折れる分野なのでしょう。こちらの関心も衰えることなく、以前、似たようなタイトルの本を通読したのですが↓
今回、改めて本書に挑戦する次第↓しかも今回は、生粋の理論物理学者とうよりは、望遠鏡を武器に研究を進める天文台系の方だとか。

重力波とは何か アインシュタインが奏でる宇宙からのメロディー (幻冬舎新書)
- 作者: 川村静児
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2016/09/30
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【目次】
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P-14
光も含めて電波も赤外線も「電磁波」の一種だそうです。波長の違いによってネーミングが違うとか。かなり用途も違うのでしょう。さらにどの波長の電磁波を使うかで「天文学」も分類されるようです。今回は重力波を使うので「重力波天文学」というものがあるとか。
重力波のすごいところ
P-16
ある事情によって、宇宙誕生から38万年までの姿は見ることができません。その時代の宇宙は、光がまっすぐに飛ぶことができず、現在の地球にそのままでは届かないからです。それに対して、重力波は宇宙誕生の瞬間こらまっすぐに飛ぶことができました(中略)ですこら、重力波望遠鏡の才能さえ上げれば、宇宙誕生の瞬間をキャッチできる
なかなか壮大な話になってきました。たしか、宇宙誕生から38万年くらいまでは、いろんな粒子が凄まじい衝突を起こしているので、光が直進できなかったとか。しかし、そんな障害物も、重力波は超えていけるよう。たしかに、重力は、壁か何かで遮っても通過しているように思えます。
重力波観測の副産物
P-14
実際、LIGO(レーザー干渉計重力波観測所)は重力波を検出することで、それまで見つかっていなかったものを発見しています。「ブラックホール星」です。これは、近接する二つのブラックホールがお互いのまわりをぐるぐると回転する天体現象
LIGOというのは、アメリカのマサチューセッツ工科大学とカルフォルニア工科大学が中心となって建設された観測施設。重力波の検出はノーベル賞ものなのですが、かなりのオマケもついてきたようですね。
重力が起こす空間の歪み。というか、空間の歪みが重力らしい
重力の実感という観点では、ロープの切れたエレベーターの落下の例が一般相対性理論関係のトピックではよく登場します。特に、エレベーター内での無重力状態のこと。ここでは、少しアプローチが違います。縦方向と横方向に分けて考えます。そして、エレベーター内に四つリンゴがある設定になっています。リンゴが登場するあたり、やはりニュートンを意識?!
P-26〜28を編集
- ①縦方向→上にあるリンゴと比べて、下にあるリンゴのほうが地球に近い。従って、下にあるリンゴのほうが重力をより強く受けるので、落下速度も速い。ということは、縦方向には、伸びる。
- ②横方向→地球から受ける重力の度合いは変わりませんが、リンゴのお互いから受ける重力で引っ張りあう。ということは、横方向には、縮む。
単に、エレベーター内で無重力状態という話より面白い😊
潮汐力につながる
ちなみに、この考え方は、海の潮の満ち引きと同じそうです。
P-30
このリンゴの動きを海に当てはめれば、潮がどのように満ち引きを起こすかは明らかです。縦方向には長く伸びるので海が膨らんで満潮になり、横方向には縮まるので干潮になる。月の重力によって、地球のまわりの空間がそのように歪む
この場合、伸び縮みするのは、リンゴでなくて海。主な重力発生源は、地球でなくて月という捉え方になるようです。
こんなに示唆の多い重力波ですが、なかなか現れてくれないらしい
P-35
物体が動かなければ、重力があっても重力波はでない(中略)ただし、物体が動いていれば必ず重力波が出るというわけでもありません。重力波がでるのはら物体が「加速度運動」をするときです。
ちなみに
P-37
たとえば長さ10メートル、重さ1トンの棒を使って、秒速100回転で振り回したらどうでしょう(中略)それによって生じる重力波は、空間を10のマイナス40乗ほど歪ませるだけ
ここらあたりは、もはや、実感からかなり遠ざかっているので、おいおい、そんな感覚を得ることにしたいと思います💦
また、次回。
#重力波とはなにか
#一般性相対理論
#潮汐力
#LIGO
【物質のすべては光②】本当にすべき質問。重力はどうしてこんなに弱いのか。陽子はどうしてこんなに軽いのか。
こんにちは、カタツムリ系です🐌
超弦理論とかシュレディンガーの猫のような、特殊な?シチュエーションでの特殊な理屈でなくても、日常的に、世界は、我々の思い込みとは随分違う姿をまとっているよう。そんな、異次元な世界をさらに深めることにします。

物質のすべては光: 現代物理学が明かす、力と質量の起源 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫―数理を愉しむシリーズ)
- 作者: フランクウィルチェック,Frank Wilczek,吉田三知世
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2012/11/09
- メディア: 文庫
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前回の記事です↓
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【目次】
- 世界は調べれば調べるほど、我々から離れていく。そして振り出しに。
- こんな袋小路に「対称性」という救いの手
- ここで、休憩的に世界創造に関する向け昔の聖人の問答
- 話は、やはり重力に戻ります。しかし、極めて斬新な視点😉
- どうやら日本のポピュラーサイエンスの書き手の方は丁寧ですね
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世界は調べれば調べるほど、我々から離れていく。そして振り出しに。
P-76
陽子と陽子をほんとうに激しくぶつけると、出てくるものは、元々あったよりもたくさんの陽子
たしかに質量は保存されなさそう。しかし、表面的にはエネルギーも増えてそう。物理学が壊れるんじゃないの?
P-77
そんな粒子を理解するには、それどころかそろそもそも捉えるためには、初めからやり直さなければならない
こんな袋小路に「対称性」という救いの手
P-127
このように対称性は、豊かな帰結をもたらす強力な概念になりうる。自然もこの概念をたいへん気に入っている。あからさまな愛情表現を見せつけられても驚かないようにしよう。
ちょっとここは分からないですね。恐らくは、あとで種明かしされるでしょうから、ここでは、対称性がすごい!ということだけ覚えておきます💦
ここで、休憩的に世界創造に関する向け昔の聖人の問答
1,500年ぶり位前の宗教家。アウグスティヌスという人↓
P-199を編集
(問い)神は世界を創造する前には何をなさっていたのか→(回答)世界を創造する前、神は、愚かな疑問を問いかける人間のために地獄を準備されていた
なかなかエグい💦
P-199を編集
(問い)神は何をグズグズされていたのだろう。もっと早く創造をお始めになったほうがよかったのではないか→(回答)神が世界を創造されるまで、「過去」は存在しなかった。したがって、そのような疑問は意味をなさない
これは、的を射ているような💦
話は、やはり重力に戻ります。しかし、極めて斬新な視点😉
P-282
理論的には重力は弱い必要などない。だが実際には、重力は弱い。このパラドックスの核心は、重力は確かにわたしたちには弱く見える、ということだ。
しかし、重要だけに焦点を当てないのが、本性の筆者のシャープなところ(私が言うのもなんですが💦)。
P-282
物体の質量の大部分は、物体を構成している陽子と中性子の質量である。したがって、重力が弱くて見えるとすれば(中略)弱過ぎると言って重力を咎めるか、軽過ぎると言って陽子(と中性子)を咎めるか、わたしたちには常に二つの立場が取れる。
そして、陽子の軽さに焦点が移ります。ただし、完全に私の理解を超えているので、飽くまでざっくりとした説明に終始してしまいます💦
P-284〜287を編集
エネルギーから質量が生成される瞬間の話のようです。きっと、私の知らないことが多過ぎて、この辺りを正確に描写することは無理そうですが、とりあえず、学習の一歩とうことで自己了解しています。しかし、本書の筆者は威勢良く
P-287
これが、陽子がこんなに軽い理由だ!
と断言されています。
どうやら日本のポピュラーサイエンスの書き手の方は丁寧ですね
趣味や理解度に大きく影響される部分ですが、本書の書き手がユーモアを大事にされているのに比べて、日本の書き手の方は、かなり丁寧な内容説明に注力されていますね。今のところは、日本の書き手の方が馴染みます😊
また、次回。
#物質のすべては光
#クオーク
【物質のすべては光①】質量は仮の姿。重力は目に見えないエネルギーに反応。日常世界は仮構の世界であることのメッセージ。
こんにちは、カタツムリ系です🐌
イギリスもそうですが、アメリカでは、ノーベル賞なんかをとりつつ、軽快な楽しい科学読み物を書ける人がいて、本書↓の筆者ウィルチックさんも、その一人。とはいえ、文章そのものを楽しめる余裕がなく、その先はなんだ?どうしてなんだ?と読み急ぐわたしには、ちょっともどかしさもある本。しかし、そんなことを言うくらいなら、本書を完全に理解にしているのか?と聞かれれば、もちろん、そんなことはないので、あまり偉そうなことは言えないのですが💦

物質のすべては光: 現代物理学が明かす、力と質量の起源 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫―数理を愉しむシリーズ)
- 作者: フランクウィルチェック,Frank Wilczek,吉田三知世
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2012/11/09
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関連記事です↓
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【目次】
- 愛嬌ある雰囲気とは裏腹に、身もふたもない「データ」の定義
- しかし、ニュートンの頃から、すでに日常の感覚とは全く異なる世界模型💦
- では、基本中の基本である「質量」とは何か
- 質量に関する、スターウォーズちっくなQ&A
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愛嬌ある雰囲気とは裏腹に、身もふたもない「データ」の定義
P-28を編集
「データの流れ」といっても、ぴんとこないかもしれない。もっと馴染み深い呼び名で言えば、視覚、聴覚、嗅覚などのことだ。現代では
こんなに身もふたもない表現をするのは、厳密な分析をするためとか。我々が宇宙をとらえる時には
- 情報にあふれたうちにフィルターをかけ
- 数種類の入力データの流れにかえられるように進化によって「設計」された信号処理ツール
で、世界をわかりやすく把握するために、世界の「模型」を作っているのだとか。そうです。身の回りにあるデータを使いながら、日常感覚ちなそぐわない宇宙像が生まれてくるのは、ここらあたりから始まるのでしょうか。特に、最近💦そして、これを「世界模型」と呼んでいるようです。
しかし、ニュートンの頃から、すでに日常の感覚とは全く異なる世界模型💦
ニュートンの考え方レビュー
P-31
ニュートンの法則が成り立っているのは、じつは、日常的な直感とはまったく異なる世界模型のなかだけなのである
イメージとしては、ニュートンは我々の日常的な直感を大事にして、アインシュタインたありから、何がなんだか分かりにくくなった印象ありますが💦
P-31
ニュートン的空間は、無限で均一なので、地球やその表面も特別な場所ではない。「上」、「下」、「横」などの方向は、基本的にどれも同じである。また、「静止」も「等速直線運動」となんら変わらない。
たしかに上下左右同じだと、まるで身の回りがいつも回転しているかのよう。地球は回っても、自分が絶えず回っているのは、困りもの💦
ニュートンの時点で既に大きなズレ💦
P-31
こういった考え方はどれも、日常の経験とは一致しない。このことにニュートンの時代の人々は困惑し、当のニュートンさえもがそうだった。
でも、地球が自分でも回転しているし、太陽の周りを回っているのも、誰も不審に思わない。では、きっと、いつか
- 次元が26個あったり
- 物質は粒子だし波でもあり
- 宇宙は虚数時間の中で生まれた
ことも、当然のように受け入れる時期が来るということでしょうか。ほんと?
では、基本中の基本である「質量」とは何か
学問は色々と難しくものだとしても、こんな根本的なことからスタートするのですね。もう、人間とは何か、人生とは何か、みたいな哲学的な話とほほんど一緒💦
P-42
物質とはなんだろう?ニュートン物理学は、この問いに深い答えを提供した。「物質とは質量を持つものである」というのがその答えだ。
しかし、アインシュタインのm(質量)=E(エネルギー)➗c(光速)の二乗から、質量は、物質の根本的な性質でもなさそうですが💦
P-58
質量の大部分はエネルギーを祈願としている。
あれ、意外とシンプルな回答。しかし「大部分は」が気になります💦要は、この難題にアインシュタインが答えだということのよう。
質量に関する、スターウォーズちっくなQ&A
質量がほぼエネルギーだとすると、エネルギー保存の法則同様、質量も保存されるの?
P-59
E(エネルギー)=m(質量)✖︎ c(光速)の二乗は、実際には静止している孤立した物体にしか当てはまりません
じゃあ、質量はどこに行くんでしょうね。ここまで気を持たせながら、ロジックのスムーズな伸展のためか、ここは教えてくれません💦
P-59
質量のない構成要素からできたものが、どうして引力を感じられるのでしょうか?
F(力)=m(質量) ✖︎ a(加速度)なので、質量がないと力は感じられなさそうですが、
P-59
ニュートンなら「力はm(質量)に比例する」と言うだろうところで、アインシュタインのもっと正確な理論では、「力はE(エネルギー)➗ c(光速)の二乗に比例する」と言っている
どうやら、重力はエネルギーに作用するようです。ベタな連想ですが、重力とかエネルギーの話がでると、いつもスターウォーズのヨーダ(「フォース」という不思議な力をもつ歴戦の騎士)と、その剣「ライトセーバー」を思い出します。そこでは、フォースはエネルギーに反応して、ライトサーバーの光も自在に曲がる印象あります。しかも、ライトセーバー はダークサイドで製造されたとか。いろいろ、つじつま合いませんか💦
また、次回。
#物質のすべては光
#ヨーダ
#フォース
#ダークサイド
【マルチバース宇宙論入門③】真空エネルギー問題がマルチバース理論を導く。泡宇宙はアメーバのように自己増殖するホラーにも見える💦
こんにちは、カタツムリ系です🐌
物質と反物質の対消滅。真空のエネルギー密度が物質のエネルギー密度をいずれ上回る謎。しかも、伝統的な科学的アプローチを経ての結論。大元の量子のゆらぎ。最先端の科学のトピックとしても成立し、オカルトのエピソードとしても生きる、稀有なバリューを持つマルチバース理論。たしかに、我々は新しい時代には生きているようです😉

マルチバース宇宙論入門 私たちはなぜ〈この宇宙〉にいるのか (星海社新書)
- 作者: 野村泰紀
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2017/07/27
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前回の記事です↓
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【目次】
- 真空のエネルギーにつき、観測値が理論値より120桁大きなことをめぐる騒動
- このデッドエンドを多元的宇宙論が刺激する
- そろそろ超弦理論関連を。まずは余剰次元
- 量子力学的トンネル効果と泡宇宙
- 永久にインフレーションと超弦理論の余剰次元の構造から得られる描像
- 入門というわりには、なかり欲張った内容
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真空のエネルギーにつき、観測値が理論値より120桁大きなことをめぐる騒動
普通なら大騒動になるかと思いきや、割と冷静な反応であったかのような印象あります。
P-74
しかし、いくつかの理由でこの問題は理論物理学の中心的な話題ではなかった。
やっぱり。しかし、どうして?
P-74
一つには問題が重力を含んでいるということがあった。(真空のエネルギーは重力を通してのみ我々に影響を与える)素粒子の標準模型は重力を含んでいない。
きちんと重力を反映し、それを正しく理解すれば
P-75
真空のエネルギーの理論値はゼロになるはずだと考えていた
さらに
P-75
科学視野たちの多くが重力の問題に積極的でなかった理由の一つには、それが実際上あまり重要でないということもあった(中略)重力は他の三つの力(中略)に比べて圧倒的に弱いため(中略)大部分のシステムでは完全に無視できる
ためでした。
このデッドエンドを多元的宇宙論が刺激する
P-80
自然界には無数の異なる宇宙が存在するという一見突拍子もない考えは、他のどの理論も説明し得なかった真空のエネルギー密度の小ささを説明しただけでなく、それが人間が宇宙を観測した時(すなわち高等生物が生じた時期)の物質のエネルギー密度とほぼ同程度の大きさであることまで予言し、それが実際に観測で確かめられた
これこそ、コペルニクス的転回と言えましょう😉ベタにいうと、コロンブスの卵?!しかし
P-80
無数の異なる宇宙が存在するという仮定は当然ながは大きな仮定
あー、ちゃんと地に足のついた科学者による研究結果なのですね。良かった。ホラー映画で登場するマッド・サイエンティストのようだつまたので💦
そろそろ超弦理論関連を。まずは余剰次元
よく超弦理論に絡めて、「余剰次元」というワード聞きます。ここで説明してくれているので共有を。
P-87
空間のいくつかの方向が(この場合、円状に)丸まっており、その大きさが知覚できるサイズよりはるかに小さかったならば、その方向に対応する次元は「小さ過ぎて見えない」ということになる。超弦理論によれば、我々の時空にはこのように小さな6(=10 - 4)次元の丸まった「余計な」次元が存在しているということになるのである。このような次元をコンパクト化された次元、もしくは余剰次元と言う。
あれ、単に知覚できない次元ということ?次元というのは、なかなか捉えづらいです💦
量子力学的トンネル効果と泡宇宙
量子力学には何を言われても、もう驚かないつもりでしたが、またまた、驚かせてくれます。
P-94
量子力学では、非常に小さな確率ではあるが、物が古典力学的には乗り越えられないはずの障壁を通り抜けたように動くことが起こりうる。(これはトンネル効果と呼ばれる)
このトンネル効果だけでも驚きなのに、これを宇宙論に当てはめるのだとか。
P-94
これは、はじめAであった宇宙がBの宇宙に転換し得ることを意味する(中略)時空がAの状態から始まったとすると、その中にいくつとのBの「泡宇宙」ができ、それが広がっていく
さらに
P-96
Aで占められた空間は加速膨張を続けていく。そして、この加速的膨張は一般にBの泡が広がるスピードよりも速い
たいていは、Bの方が新しいエネルギーをもらって速くなりそうなものなのに、そんな普通な想像は許されません💦しかも
P-96
美の泡たちは広がっていくのだが、その間の空間な広がるスピードの方が速いためお互いに衝突できず、それぞれが孤立した宇宙のように振る舞うことになる。また、Aの空間はBで埋め尽くされることなく存在し続けるため、その中に無数のBの泡宇宙が永遠に生まれ続ける
かなり機動的なアメーバのようですね。しかも宇宙規模の。こういう現象を「永久インフレーション」と呼ぶそうです。
永久にインフレーションと超弦理論の余剰次元の構造から得られる描像
P-98を編集
- 無数の宇宙が生み出し続けられている↓
- これらの泡宇宙は10の500乗かそれ以上の種類をもつ↓
- これらの異なる宇宙においては、素粒子の種類や真空のエネルギー値、空間の次元数も異なる↓
- 我々の住んでいる宇宙はこの無数の宇宙の一つに過ぎない
そして、このロジックは、観測値が理論値より120桁近く大きいという真空のエネルギーの問題を解くのに必要とされた状況だとか。恐らくは、我々があまりに小さい存在ゆえ、真空のエネルギーを全て知覚できないという結論につながるのでしょうか。
入門というわりには、なかり欲張った内容
でも、かなり面白かった。マルチバースのトピックは最近目新しいものがなく、マルチバースの話題には数学の匂いが強い超弦理論がすぐ登場するので、ちょっと敬遠気味でした。しかし、これは、ウオッチし続けるしかありません💦
また、次回。
#余剰次元
【マルチバース宇宙論入門②】反物質のゆくえ。量子がもたらす宇宙と人類のゆらぎ。人類は特別な存在という考え方へのいくつもの挑戦。
こんにちは、カタツムリ系です🐌
前回の記事↓で、物質・反物質という如何にもムー的なトピックに遭遇。
しかも、この物質・反物質という現象は、一時的なおもしろトピックなのではなく、かなり本質的なものらしい。その割には、なかなか出会わなかったのは不思議💦

マルチバース宇宙論入門 私たちはなぜ〈この宇宙〉にいるのか (星海社新書)
- 作者: 野村泰紀
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2017/07/27
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【目次】
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いま、反物質はどこに?
P-35
実際、宇宙超初期の物質と反物質の量は同じであったと考えられる。
では、然るべきプロセスがあったのですね。それは、次の通り。
P-36を編集
最近(私が)よく聞く「CP対称性の破れ」「超対称性理論」のようですね。
CP対称性の破れの起源の解明 - 特集記事 - 東京大学 大学院理学系研究科・理学部
要は、
- ゆらぎがあって
- 物質と反物質が対称でない
ことから、物質が残り、今の宇宙が形成されたよう。これだけ聞くと、なにかの製品の失敗作の残りのような、イメージ💦
P-50
我々が知る物質は宇宙に存在する(ダークマターを含めた)全物質の一部でしかなく、さらにそれは反物質との大量の対消滅を逃れたほんの僅かな残りカスでしかない。我々は宇宙にとって何と取るに足らない存在なのだろうか!
良い悪いではなく、これが事実のようです💦我々の存在はちっぽけさを増すものの、ストーリーとしては、俄然面白くなってきました😉
ちっぽけとは言いながら、例の人間原理というワードが頭をよぎる
「人間原理」というワード。いろんな風に使われているので、どんな解釈が正解なのかはよく分かりません。
でも、結局は、人類なり地球なりが、かなりレアな可能性しかないのに実在している、その希少性というか特別な存在であることを強調する考え方のような気がします。
ちなみに、素粒子理論の基礎となる理屈をまとめた「標準模型(標準理論)」というのがあります。
P-61
標準模型にはヒッグス場の二乗質量パラメータというものが存在する。理論的にはこのパラメータは何十桁の範囲にわたって正負どちらのあたいも取ることができるのだが、それを実際の標準模型の値からたった数倍にしただけで(中略)全ての原子核が存在しなくなってしまう
そのレアさはよく伝わります。
P-61
前章では我々人間がいかに宇宙全体にとってちっぽけな存在であるかを見た。にもかかわらず、自然界はそのちっぽけな我々が存在し得るように基本理論をうまく調整してくれているように見える
(量子)ゆらぎのパワー再び
なかなか不思議な現象を提供してくれる量子ゆらぎ。ここでは、そんな、ゆらぎの別のエピソードを。
P-67
真空エネルギーの量子力学による(中略)現在の理論的枠組みで正確に計算することはできない。しかし、その大体の大きさは見積もることができる。その結果は、当時の実験で許される最大の値(中略)より、約120桁大きかったのである!
120倍ではなく、120「桁」!要は、観測値より理論値が小さいということは、そもそも理論が間違っていたという可能性もゼロではないのでしょうが、理論を構築するサイドで、知らない要素が、莫大にあるということでしょうね。しかも宇宙の膨張が加速していることが実験てわかったとか。これがダークエネルギーとして改めて認識される存在ですね。
真空に存在するダークエネルギーの謎がもう一つ
P-70
初期の宇宙では、物質のエネルギー密度の方が真空のエネルギー密度よりもはるかに(何十桁)大きかったということを意味する。また、将来の宇宙では逆に真空のエネルギー密度の方が物質のエネルギー密度よりもはるかに大きくなるはずである
物質のエネルギー密度のほうが、真空のエネルギー密度よりも高いのはわかります。「真空」というくらいなので、そもそも密度ゼロなのでは?さらに、その密度が逆転する?なぜ?
P-70
時間が経って宇宙が膨張していくにつれ、物質のエネルギー密度は薄まって小さくなっていく(中略)一方で、真空のエネルギー密度の方は宇宙膨張の影響を受けず、したがって時間によって変化しない
真空にも密度があり、しかも、物質のエネルギー密度よりいずれ高くなるという不思議に加えて、現在はほぼ同じ密度らしい。さらに、
P-71
高等生物である人間が生まれて宇宙を観測することになる(中略)そのちょうどその(百数十億年もの後の)時代には二つのエネルギー密度が同程度の大きさになるように働いた
謎やパラドックスの多い宇宙物理の中でも、なかなかに大きな謎。少しくらい数学が出てきたくらいで嫌うのは、時期尚早のようです💦
また、次回。
#CP対称性の破れ
#超対称性理論
【マルチバース宇宙論入門①】ニュートンの万有引力より古い量子効果。量子はゆらぐ。反物質は消滅を続ける。連続再生される泡宇宙。
こんにちは、カタツムリ系です🐌
タイトルもズバリ「マルチバース」。量子力学による、物質は粒子にして波動であるという、真剣には聞いていられないような原則から出発して(シュレディンガーの猫は死んでいるし、生きてもいるみたいなエピソードも、最初は聞いていられなかった💦)宇宙は一つではなく、いくつもあり、そして、生まれ続けているのだ!威勢良くと宣言されていたのは楽しかった!しかも、それを基礎付ける理屈が「超弦理論」という、またまた、ふざけたかのようなネーミングも、そんなリラックスムードを助けてくれていました。 しかし、いろいろ、読み進めていくと、どれも、戯れではなく、昔からの物理的アプローチで対処された問題も多く、超弦理論に至っては、かなりの度合いで、数学的に積み上げられた議論であることが判明。気楽さが変えつつある点、かえってイメージダウン⤵️。💦。しかし、トピックとしての面白さは減らないので、数学先行だからと言って毛嫌いせず、気楽に追って行く予定です↓💦でも、数学色が薄まるといいなぁ、と💦

マルチバース宇宙論入門 私たちはなぜ〈この宇宙〉にいるのか (星海社新書)
- 作者: 野村泰紀
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2017/07/27
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【目次】
- 量子のゆらぎ、というよく分からないワード。せめてイメージだけでも。
- マルチバース宇宙論の怪しさ?正当さ!
- ビッグバンの時代から量子力学効果
- 量子ゆらぎというと、如何にも曖昧そうですが、かなり几帳面な量子ゆらぎ
- 物質と反物質というトピック
- 最後に
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量子のゆらぎ、というよく分からないワード。せめてイメージだけでも。
本書でも頻出💦また、他にも量子力学の本を紐解くと、よく「(量子の)ゆらぎ」という表現を見かけます。ざっくり読むと
- 量子のもつエネルギーが絶えず変化すること
- しかも、そんなエネルギーの状態は、一つではなく、重なり合っている
ということらしい。要は、行儀よくじっとしていないということか?!この説明の正誤、そして、説明が正しかったとして、きちんと理解しているかは、まるで自信がありませんが、とりあえずは、「量子のゆらぎ」をイメージする第一歩にしたいと思います💦
マルチバース宇宙論の怪しさ?正当さ!
P-7
我々の宇宙を超えるような壮大な宇宙を扱う理論というのは、本当に科学理論と言えるのだろうなという疑問を考える(中略)マルチバース描像に至る理論は完全に伝統的な科学の手法の上にあること(中略)一見原理的に検証不可能であると思われるマルチバース理論が実はそうでないこと
なんと!マルチバース理論はとても由緒正しい、北斗神拳の一子相伝のような正当の後継ぎなのですね。では、このマルチバースをめぐる騒ぎは、単なる権力争いなのか💦
ビッグバンの時代から量子力学効果
P-3
ビッグバン以前のインフレーションと呼ばれる、我々の宇宙が誕生して10のマイナス30乗秒後くらいまでの時期に、量子力学的効果(素粒子の世界ては、粒子は一つの場所に存在せず同時に様々な場所に確率的に存在するという効果)によって生じたということを、かなりの自信をもって述べることができる
そういう意味では、ニュートンの万有引力より、こちらが先輩のようです。正当な後継であり、かつ、ニュートンの万有引力より先輩かぁ。こちらの時系列も、こんがらがっています💦
量子ゆらぎというと、如何にも曖昧そうですが、かなり几帳面な量子ゆらぎ
P-24
宇宙は大きなスケールでほぼ一様に見える(中略)この一様性は初期の宇宙ではより著しいものであった(中略)詳細な観測により、この時代の宇宙がたった十万分の一程度の密度ゆらぎしかない完全に一様なのかスープなような状態であったことを知っている
例えばポタージュスープをイメージしても、そのレベルでよくかき混ぜることはできなさそう。几帳面であり、ゆらぎがち。要はツンデレのようです💦
ちなみに、その高度に一様な状態でも十万分の一レベル程度だけ密度の高い領域は重力により多くの物質を引きつけ高密度になり、密度の低い領域は低密度に。
P-25
この重力による不安定性の結果が、我々の知る銀河団、銀河、恒星なのである
しかし、まぁ、なんと緻密なストーリー展開なことでしょう。
物質と反物質というトピック
そもそも、反物質というのは、よくわからないですが、とりあえず、進めます。
P-34
初期の超高温高密の宇宙で起こったもう一つの重要な出来事は、現在我々が見ているようか物質が反物質に比べて優勢の世界が作られたことである
ということは、反物質はなにか有害なもの?
P-34
反物質とは、全ての粒子に対して存在する、質量が同じでそれ以外の性質が正反対の粒子(中略)これらの反物質は、ある意味「マイナス」の物質のようなものである。例えば、反物質が対応する物質と出会うと、対(ツイ)消滅という現象を起こして共に消えてしまう
本当にSF映画のようなことが存在するのですね。
最後に
ムー的には、この物質・反物質は面白くないはずがありません💦次回以降掘り下げます😉
また、次回。
#物質反物質