カタツムリ系@エンタメ・レビュー (ポップ・サイエンスはデフォルト)

映画・本・動画といったエンタメのレビューを友人に語りかけるように書きためています。映画は、おすすめポイントと大好きなカットに焦点。本や動画でポピュラーサイエンスやオカルトをエンタメとしてカバーしているのも特徴。

【クォーク②】「極小」「光速」「大型」のハイブリッド💦

こんにちは、カタツムリ系です。

なかなか手強い素粒子の話題の続き。騙されているような、新しい地球の姿を垣間見ているような、そんな、怪しい感じ💦

なお、そんな怪しい世界のセンターポジション候補の一つ『クォーク』とは

P-23

基本粒子とは現在の時点でのエレメント、すなわち物質を構成する最も基本的な単位
の一つのようです。

クォークを含む素粒子という「極小」を研究するのに「光速に近い」スピードを出す「大型加速器」に頼る、素粒子物理学。その、とりとめのなさが、なかなか消えません。

クォーク 第2版 (ブルーバックス)

クォーク 第2版 (ブルーバックス)

 

出典はアマゾンさん。

 

関連の記事↓

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【目次】

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素粒子実験の「気の長さ」というか「桁外れ」具合

P-287

陽子の崩壊は原理の問題としてはたいへんな意義をもつが、その寿命は、理論的には大統一エネルギーの逆数に比例し、10^30(10の30乗)年(中略)と見積もられる

見積もったところで、活かしようがなさそうな水準💦しかし、心配するには及ばず

P-287

宇宙の現在の年齢10^10年と比べても圧倒的に長いので、別に物質の消滅を心配する必要がない(中略)1トンの物質(何でもよい)は10^30のオーダーの陽子(および中性子)を含むから、その中で一年に一個程度の方が崩壊が起こるはず。だから例えば1,000トンの水を測定器として使えば、一日になり数個になり、実行可能

このまでくると、ぐーの音も出ません💦素粒子物理は、かなり地道な分野💦ちなみにオーダーとは「桁数」くらいの意味です。

 

本書初版の1998年当時の素粒子物理の環境

P-292

現在一般に受け入れられている見解によれば、宇宙は100億年から200億年ほど前に、ビッグ・バン(大爆発)から出発

現在では、138億年まで精度アップ。

P-293

宇宙の中に星のような目に見える物質以外のものがたくさんないと困るという理由がいくつかある。例えば宇宙の中の物質は膨張にブレーキをかける作用をする。この事実を使って宇宙の寿命と膨張速度から物質の量を逆算すれば、目に見える物質だけではだいぶん足りない。

今でいう、ダークマターとかダークエネルギーのことですね。

ダークマターとは - コトバンク

ダークエネルギーとは - コトバンク

 

小さいことからコツコツと

もともと素粒子自体がおそらく小さいので、細かい作業を淡々とこなさなければならないことは、想定の範囲でしょう。とは言え、

  •     10^30の陽子を確保するとか
  •     光速に近いスピードを実現する大型加速器を使ったり

と、兎にも角にも、手間がかかる分野。言い換えれば、かなりな人手が必要だし、なにやり、オカネを食いそうです。     

研究を続けようとすると、オカネを細かく集め、オカネを集めようとすると、細かい研究を続けるという、小さなことからコツコツと積み上げられる苦労人の分野のようです。

 

やっぱり超弦理論?!

まだ、量子重力理論が知られていない時代だったのか、今後の素粒子物理学の将来の方向性として、超弦理論にフォーカスがなされています。しかも、その理論には、科学としての厳密性に、かなりの疑義をはなさまれる筆者。色々、もがいておられる様子。いまから、激しいスクラップアンドビルドを予感させられる素粒子研究の行く末ですね💦

また、素粒子物理は、宇宙論にも大きく関与しているらしく、当然、マルチ・バースなんかの分野にも立ち入ることでしょう。気になるフィールドですね😊

 

また、次回。

 

#クォーク

#南部陽一郎

#レプトン

#ハドロン

#メソン

#バリオン

#超弦理論

#量子重力理論

【ホーキング博士のビッグ・クエスチョン④】人類の未来に貢献するのは住める惑星の発見と人工知能の建設的な利用と断言するのホーキング博士。

こんにちは、カタツムリ系です🐌 

先の記事でホーキング博士が、宇宙進出への積極てき推進論者でもなく、はたまた、地球にいても八方塞がりなイメージを持っておられるようでした。ここでは、その宇宙進出について、もう一歩踏み込みます。

ビッグ・クエスチョン―〈人類の難問〉に答えよう

出典はアマゾンさん。

前回の記事↓

https://katatsumurikei.hatenablog.com/entry/pop-science/physics-hawking/2020/04/10

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【目次】

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宇宙に植民地を建設すべきなのか?

P-197

一万年前に文明が始まって以来、進化は着実にスピードを上げている。もしも人類がこれから先、さらに百万年ほど存続するなら、私たちの未来は、まだ誰も行ったことのない場所に大胆に行くかどうかにかかっている。私は最善の結果を期待している。そう願わずにはいられない。ほかに道はないのだから。

条件付き賛成派でしたね。しかも「ほかに道はないない」という表現にも明らかな通り、ノリノリの選択というより、消去法的なものですね💦

 

人工知能は人間より賢くなるのか?

P-205

イーロン・マスクはこれまでにも、人間を超える人工知能は、予想もつかない恩恵をもたらす可能性がある一方、不用意な使い方をすれば、人類という種に良からぬ影響を及ぼすだろうと警鐘を鳴らしている

これは、いろんなところで、何度も聞いたことがあります。日本のむかしの「触らぬ神にたたりなし」という諺を思い出します。しかし、もう、後戻りはできなさそうですが💦そう、ホーキング博士

P-207

現実を直視するなら歴史のほとんどは愚かさの歴史だ

と、かなり警戒されています。しかし、前回の記事で、宇宙への移住という選択肢をとるのは「ほかに道がない」からだという理由付けと似ていて、人工知能とは付き合わざるを得ないとすると

P-213

火を使い始めた人間は、何度も痛い目を見た後に消火器を発明した。核兵器や合成生物学、強い人工知能といった、もっと強力なテクノロジーについては、あらかじめ計画を立てて最初からうまくいくようにしなければならない。なぜならそれは一度きりのチャンスになるかもしれないからだ。

なるほど!「一度きりのチャンス」なんですね。ひとつ間違えれば、独裁者的人工知能が登場するかも💦

 

より良い未来のために何ができるのか?

過去、発電所や自動車といったテクノロジーの成果は、人間の暮らしを豊かにしてきました。そんな経験に加えて、人工知能の脅威も存在する現代。そんな背景から

P-220

いまの若い人たちには、どんな未来が待っているのだろうか?これまでのどの世代にもまして、いまの若い人たちの未来は、科学とテクノロジーに依存するだろうということだ。科学は、かつてない形で日々の暮らしの一部になるだろうから、いまの若い人たちは、これまでのどの世代よりも科学を知らなければならない

納得する一方、きっと、1960年あたりの、鉄腕アトムが人気だったころも、同じような示唆はあったと思います。そういう意味では、決して突然の指摘ではなく、もともと、人類にずっと前から投げかけられていたもの。もっと具体化すると

P-221

私の考えでは、人類の未来のためにできることはふたつある。ひとつは、人類が生きていくのに適した惑星を求めて宇宙を探査することらそしてもうひとつは、地球をより良いものにするために人工知能を建設的に利用することだ

 

最後に

ホーキング博士の最後のメッセージは「科学に興味なしでは済まされない」ということでした。科学者らしいと言えば、その通りですが、これだけ広範な話をいくらでも深掘りできる人の言うこと。さすがにグッときます💦

それにしても、なんとも、興味深く、面白い本を読むかける人。それだけでも、彼の死は惜しいですね💦

 

また、次回。

 

#ビッグ・クエスチョン

#ホーキング博士

【クォーク①】伸び代あるセンターポジション💦しかも、この本、文字通りのバイブルだそうです。

こんにちは、カタツムリ系です🐌

量子力学という役には立つけど、なんだかモヤモヤしたエリアの先にある「素粒子物理学」。この本の主題です。さらに、モヤモヤを楽しめそうです。

クォーク 第2版 (ブルーバックス)

出典はアマゾンさん。

関連の記事↓

 

P-7

素粒子物理学の目的は物質の究極的構造と、それを支配する基本法則を明らかにすること

原子とか原子核なんかより、もっと小さな単位で、物質を研究する分野。クォークも、そんな小さな小さな単位をとる存在の名称です。この素粒子物理学を専攻されていた方なんていうのは、当然、縁遠い訳ですが、一度だけ肉眼で見たことあります。ツチノコくらい遭遇しにくそうです💦

本書↓の一読後感じるのは

  •     なんかワチャワチャしていること
  •     その未整理な分、多めの伸び代

の二点です。「伸び代」なんて、上から目線を私がとれるわけもないので、本書↓から、得た情報です。

P-7

幸いにして日本は素粒子物理学にこれまで第一流の貢献をしてしました

まさに、センター。しかし、

P-189

この本をここまで読まれた読者諸君はおそらく、素粒子物理はモデルの寄せ集めに過ぎず、定性的にもろもろの事実を説明できても定量的に答を出すことができないのみならず、すべてを系統的に導き出せるような根本理論がないという印象をもたれたのではないだろうか

ここで、ワチャワチャ感。でも、謙遜かと思いきや

P-189

このような批判に反駁することは難しい

まぁまぁ、本音のようです。しかし

P-8

さらにおどろくべきことは、極大の世界である宇宙全体の歴史が極小の世界の問題と切り離せなくなったことです

伸び代!!「センター」「ワチャワチャ感」「伸び代」。なんか、有名なアイドル・グループの「売り」のようにも感じます。

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【目次】

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本の「帯」の「宣伝文句」が凄い

「帯」とは、表紙の上に、巻いてある宣伝用のツール。その文言というのが次の通り。

科学新書No.1

ノーベル物理学者が素粒子物理学の世界をわかりやすく解説!日本の物理学者が必ず読んでいるブルーバックス普及の名作。2008年ノーベル賞

最大限の賛辞と言えましょう😊ちなみに

✖︎ ノーベル物理学賞受賞者

◎ノーベル物理学者

なんですね。「ノーベル物理学者」なんて意味は分かりますが、なんか、軽い感じかします💦

 

本の「帯」の「大きさ」が凄い

帯なんて、普通、表紙の三分の一なのに、表紙の半分も!結構インパクトあります💦

 

クォークのポジション

クォークとは

P-23

基本粒子とは現在の時点でのエレメント、すなわち物質を構成する最も基本的な単位

の一つのようです。ほかにはレプトンというのもあります。もっとも

P-25

他にニュートリノ(ν=中性微子)、ミューオン(μ=ミュー)などがレプトン属の基本粒子

なんていう説明もありますが、私自身が整理未了なんで割愛💦ちなみに、あと、バリオンとかメソンとかハドロンとか💦いろいろ出てきます。

 

やたらとフォーカスされる加速器

相当な大規模な装置で、かつ、粒子同士を光速に近い速度でぶつけ合って、実験をするのだの聞いています。しかし、そんなスピードで、クォークみたいな小さいものをぶつけ合って、大丈夫なんでしょうか。いろいろ、壊れたり、変質しそうですが💦しかし

P-44

素粒子物理のシンボルは大加速器である。これがなくては素粒子の実験はできず、実験なしでは物理は進歩できない

そこまで重要なんですね💦

 

またまたオカネの話

P-45

莫大な国家予算を投じて大加速器を建設することに文化的価値を認めうるわけもである

本書は1998年初版。予算取りにこんな強気なんて、今とは相当環境が違うようですね。今は、科学者の方は予算取りでヒィーヒィー言っておられるイメージあります。

 

じゃあ加速器で具体的に何をやっているのか

P-46

素粒子の実験の根本原理は至極簡単なものである。二個の粒子を衝突させて何が起こるかを見るに過ぎない。

んー、シンプル。

 

で、どんなアウトプットが?

P-46

衝突の結果、一般にいろいろな粒子が作られる。中には不安定で普通物質の中には見られない粒子も生まれる。

うまく言えないですが、なんか、変なもの、さらには、作ってしまったらマズイようなものも出来てしまうのでは?実際、世界最大の加速器をもつスイスのCERNは、自前でブラックホールを作ってしまう可能性のため、周辺住民から訴えられたことあるとか💦

CERN(せるん)とは - コトバンク 

そして、新規生成された粒子の行方は?

P-46

このような粒子はいったん生成されたあと、ほかの粒子に「崩壊」してしまう。何に崩壊するか、また崩壊するまでの時間(半減期)がどのくらいかは、はじめの衝突反応自体とともに重要なデータ

最初から「崩壊」することは前提なのですね。どのように、そして、どのくらいで崩壊するのかも使い勝手あるのだとか。なんか、静かな不気味さを感じさせる実験具合💦

 

最後に

やっぱり、ちょっと奇妙です💦

 

また、次回。

 

#クォーク

#南部陽一郎

#レプトン

#ハドロン

#メソン

#バリオン

【ホーキング博士のビッグ・クエスチョン②】タイムトラベルと地球で生活し続けるへきかの考察

こんにちは、カタツムリ系です🐌   

子供相談室向けレベルの難問に真っ向勝負で取り組むホーキング博士。しかも、読み物として面白いというのも、驚きです。

ビッグ・クエスチョン―〈人類の難問〉に答えよう

出典はアマゾンさん。

前回の記事↓

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【目次】

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未来を予言することはできるのか?

100%無理、という回答があるかと思えば、少し修正されています。まずは教科書的な回答から。

未来予言の難しさ

P-114を編集

  • ラプラスが提唱した古典的な観点によると、ある時刻における粒子たちの位置と速度を知ることができれば、それら粒子の未来における運動は完全に決定できる↓
  • ハイゼンベルグ不確定性原理によれば、位置と速度を同時に求めることはできない↓(未来は予測できるという、ラプラスのアイデアの大幅修正
  • それでも、位置と運動の特定の組み合わせなら予測することができた↓
  • しかしその制限された予測可能性でさえ、ブラックホールを考慮に入れれば消えてなくかるかもしれない(未来は予測できるという、ラプラスのアイデアの完全否定

しかし、ちょっとだけ深みを持たせる表現も。宇宙を支配する法則は、未来に起こることを正確に予測させてくれますか?という問いに対し

P-115

ひとことで言うなら、その答えは「ノー」でおり「イエス」でもあります。宇宙を支配する法則は、原理的には未来を予測させてくれますが、実際にはそのための解散はあまりにも難しいことが多いのです。

えっ?原理的には未来予測はできるの?ここらあたりは、なんだかホーキング博士に振り回されているようです💦 

 

ブラックホールの内部には何があるのか?

強烈な重力で全てを吸い込み、中のものは覗くこともできないとされていたブラックホール。しかし、そんな暗黒の墓場のような場所ではないようです。

P-131

ブラックホールが熱的放射を出すという数学的な証拠は、何人もの人たちによってさまざまなアプローチで確かめられている

そして、映画「インターステラ」がよく引き合いに出されます。きっとホーキング博士のお気に入り。

P-134

私たちが経験する宇宙は、十次元または十一次元空間のなかの四次元表面に過ぎない。映画「インターステラ」を見れば、いくらかはそのイメージがつかめるだろう。

インターステラー(字幕版)

出典はアマゾンさん。

P-139

ブラックホールはいまも、事象地平面の外側での全体としての質量、電荷角運動量だけで特徴づけられている

とりあえず、この、質量・電荷角運動量という情報がブラックホールの「事象地平」という、ブラックホールを取り囲む境界面に保存されているようですが、これも深掘りが期待されているらしく

P-139

続報をお見逃しなく 

ということです😊

 

タイムトラベルは可能なのか?

まずどうやってらタイムトラベルができるかと言うと

P-150

タイムトラベルができるかどうかは、過去に行けるぐらい時空を大きく歪めることができるかどうかにかかっている

きっと、時空の「歪め方」にも、色々、制約あるのでしょう💦じゃあ、どのくらい歪めるかというと

P-151

妥当な時間内に銀河系の端から端まで移動するためには、小さなトンネルすなわちワームホールを作ることができるくらいに時空を歪めるしかなさそうだ(中略)ワームホールを作るためには、通常の物質とは逆向きに時空を曲げる必要がある

このためには、

P-152

負の質量と、負のエネルギー密度を持つ物質が必要になる

多分ですが、こんなもの、まだ見つかってないですよね💦じゃあ、無理ということ?!

P-159

大きな速度での宇宙旅行と、過去への旅行ができる可能性を除外することはできない。だが、そういう旅行をすれば論理的に大きな問題が生じるため、人が過去に戻って両親を殺したりしないよう、なんらかな時間順序保護法則があることを期待しようではないか。

タイムトラベルの実現性にはかなり肯定的な感じ。しかも、タイムトラベルのパラドックスがでないよう「時間順序保護法則」という、随分親切な法則、言ってみれば、横断歩道を渡るときの幼児向けの旗のようなものを期待しているとか。微妙にかわいい💦

 

人間は地球で生きていくべきなのか?

私が読む限り、人間が地球で生きていくべきかの、直接的なコメントは無さそう💦とにかく

P-171

現在の指数関数的成長が、いつまでも続かないのは明らかだ。では、なにが起こるのだろうか?ひとつの可能性は、核戦争のような壊滅的なことが起こって人間が自滅することだ

という風に「指数関数的成長」という表現と併せ、比較的否定的なニュアンスが感じられます。宇宙で住め!とも勧められないが、かと言って、このままでは地獄ですよ、というサジェスチョンでしょうか?

 

 

また、次回。

 

#ビッグ・クエスチョン

#ホーキング博士

【波のしくみ③】光とフォース(力)。どうしてもスターウォーズちっくに。

こんにちは、カタツムリ系です🐌

思いも寄らず、長丁場になった、この本とのお付き合い。

そんな前回の投稿は↓

3回目。それだけ、トピックの選択もそうですし、その解説も魅力があるということでしょう。

波のしくみ―「こと」を見る物理学 (ブルーバックス)

波のしくみ―「こと」を見る物理学 (ブルーバックス)

 

出典はアマゾンさん

 

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【目次】

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「可視光」を境い目として、古典的か量子的か分かれます

「可視光」という言葉、確かに聞いたことあります。たしかに「光」は眩しいけれど、目には見えるのですが、「わざわざ」「可視」と付けるのも不自然なイメージあります。

そう言えば、「光」は、かの「電磁波」のひとつ。その電磁波の中で、唯一、人間の目に見えるシロモノだとか。それで「可視(光)」と付けてしまうのですね💦

そんな可視光は、もっと、大きな意味合いも持ち合わせているようです。

P-130

可視光より波長の長い電磁波の性質は「古典的」であり、可視光より波長の短い電磁波の性質は「量子的」

古典力学量子論の分岐点なんていうアプローチは初めて!!

 

(光もその一部である)電磁波という波の独立心💦

P-132

「力が働かなければ運動は変わらない」(中略)原因がなければ「止まる」のではなく「変わらない」のであり、力が無ければ運動は「変わらない」から持続する

そうですよね。等速直線運動をしてるモノも動いているには動いてますが、力なしでも、一人で、そんな動きを続けてます。だから

P-132

運動には原因があり「動いている間は力が働いている」というアリストテレス流の見方は(中略)誤り

なのだそうです。では何が言いたいのかと言うと

P-132

力なしでの自由運動(中略)のようなものが可能であり、それが”源泉とつながっていない”、あるいは、”源泉から切り離された” 「自由な」電磁波

そうでした。「電磁気力」は、宇宙の基本的な四つの力のうちの一つ。わざわざ、外部から力を加えなくても、勝手に、自由に動くのでした💦

4つの力(4つのちから/よっつのちから)とは - コトバンク

力(フォース Force)がなくても、電磁波は動くのです。覚醒前のジェダイの騎士のよう💦

ジェダイとは - コトバンク

 

波🌊のパワーと広がりを再認識

もともと、音楽と量子論への関心から手に取った、この本。ドップラー効果の解説含め、なんだか、丁寧ですが、手強い内容でした💦

なお、「波」関係で言えば、量子論をよりよく理解するには、シュレディンガー波動方程式のマスターが肝要だとか。まだまだ、私には敷居が高いですが、気に入ってます。この語感。ハドウホウテイシキ、って💦

なんとはなく、松本零士さん作「宇宙戦艦ヤマト」の惑星を打ち砕く「波動砲」を思い起こさせるネーミングだからでしょうか。もちろん、現実に波動砲をつくるなら、波動方程式を活用することにはなるようですが。その勢いで言えば、鳥山明さんの「ドラゴンボール」の「かめはめ波」も波動方程式のターゲット💦

 

また、次回。

 

#波のしくみ

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#三上編集長

#アインシュタイン

#相対性理論

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【宇宙はなぜブラックホールを造ったのか】ブラックホールはどの銀河の中心にもあり、最大サイズのものだと約1兆個ある。宇宙そのもののよう。

こんにちは、カタツムリ系です🐌

ビジュアル的にも美しい画像が公開され、インスタ映えまでしそうなブラックホール。そんなレジェンド的な扱いがよく見られる最近ですが、元々は、宇宙の墓場的存在。本書↓は、そんなブラックホールの存在意義について考察するという、かなりの意欲作💦

宇宙はなぜブラックホールを造ったのか (光文社新書)

出典はアマゾンさん。

 

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【目次】

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光も出てこられない天体(P-20)

光は質量はないものの、重力には影響を受けるそう。どこかから出て行く、言い換えると脱出するなら、運動エネルギーやら位置エネルギーやらで計算できるはず。

脱出?速度

P-22

ロケットが脱出するためには、運動エネルギーが地球の重力による位置エネルギーより大きければよい(中略)4万キロメートル毎時(第二脱出速度)

この考え方を利用すると、なんと

光も捕らえられてしまう

P-22

この星からの脱出速度を計算してみると、308800km毎秒になり(中略)光速(中略)を超えてしまう。つまり、光がこの星からでてくることはない

光さえ出てこられないというのが淡々と計算で求めれるということ自体不思議💦しかも、脱出速度を計算できるサイトさえあるらしい(P-22参照)

 

重力崩壊する境い目。ブラックホール化するターニングポイント。

P-38

結局、重力崩壊は時空が縮んでいくことに他ならない(中略)この時空の縮む速度が光の速を超えたらどうなるだろうか

なに!縮む速度が、光の速度を超える??思考実験では、なんでもアリだとしても、なんでもアリ過ぎませんか?!

P-38

星が重力的に崩壊し、光が脱出できなくなる(中略)速度が実現する半径は「シュバルツシルト半径」

今度は、速度を半径で言い換え始めました!!

要は、星がギュッーと縮んで、ある一定の半径にまで到達したら、そこは光をも解放しない場所になるのだとか。ブラックホールのことです。なんと、公式もあるのだとか💦

シュバルツシルト半径

シュバルツシルト半径  = 2G(重力定数)✖︎ M(ブラックホールの質量) ➗ c(光速)^2

割にシンプル。70万キロメートルくらい半径のある太陽は3キロメートルくらいになるとブラックホールに。6000キロメートルくらい半径のある地球は9ミリメートルくらいだそうです💦

 

じゃあ、ブラックホールの中身は?

ブラックホールが持っているもの

意外と少なくて、

P-47

ブラックホールの性質を決める物理量はたった三つしかない(中略)

こんなことでいいのかというのが第一印象。だって、大きな天体を飲み込むのでは?実際、

P-48

これしか情報を持たない天体は珍しい

のです。

 

さらには、ブラックホールの分類 

なんとブラックホールにも種類かあるのだとか。

P-49〜50

きっと意味のある分類なんでしょうが、現時点では、サッパリ💦

 

もっとも、どの天体もすぐブラックホール化するのではなく、高密度になっても当面は持ちこたえる仕組み

ブラックホール一歩手前の白色矮星の密度は太陽の平均密度の二万五千倍で、それは

P-95

マッチ箱で一万トンの重さになる

そうです。

問題は、そんな高密度の恒星がなぜ重力にまけ、崩壊してブラックホール化しないのかということ。

P-95

白色矮星のような高密度の恒星の内部では原子核(陽子など)や電子がぎっしりと詰まった状態になる。この状態を理解するには、量子力学の助けが必要になる

そうなんです。具体的には

P-95

恒星はその高い密度のため重力収縮していくが、崩壊を食い止める働きをするのが自由電子である。電子は同じエネルギー状態をとることがない。これは”パウリの排他原理”と呼ばれるものだ(中略)圧縮されてもお互いに反発し、圧力を発生させることができる。これは電子の縮退圧と呼ばれるものだ。この圧力のおかげで白色矮星は安定して存在できる

 

 

ブラックホールの個数

すごくレアな数字でしょうが、推測できるそうです。

P-157

超大質量ブラックホール(太陽の10^6〜10^10倍)だが(中略)銀河の中心には必ず存在する(中略)宇宙にある銀河の個数は約1兆個であるとされているので、超大質量ブラックホールの個数も約1兆個である。

あとは、

かあるらしいのですが、当然、超大質量ブラックホールよりも多いことでしょう💦

 

なぜ宇宙はブラックホールを造ったか

想定内ではありますが、このに関するメインテーマに対する回答の明記はありません。しかし、今まで得た情報だと、ブラックホールは、なんか、宇宙の新陳代謝機能のような位置付けとしか思えませんね💦

 

 

また、次回。

 

#宇宙はなぜブラックホールを造ったか

#シュバルツシルト半径

#縮退圧

#パウリの排他原理

【アンチ・SEO的タイトル】もう一人の物理レジェンド

こんにちは、カタツムリ系です🐌

「全体性と内蔵秩序」。

なんと型破りなタイトルなことでしょう。Google検索を意図的に回避するために作れられた言葉にさえ思えます💦まさに、アンチ・SEO 的タイトル。きっと、四〜五十年くらい前は、かなりのキラーワードだったようです。著者である、デイビット・ボームの名前は、最近こそ、あまり耳にしなくなりましたが、有名な量子論理論物理学者。

かなりの信奉者がいたそうです。そう、レジェンド。戦前から前後にかけて活躍された方なので、その哲学的なスタイルも受けたのでしょう。例えば、哲学者ながら、ジョン・レノンばりに、世界中の若者の支持を受けたというサルトルも、同時代の方。

ジョン レノンとは - コトバンク

サルトルとは - コトバンク

そんな人気ぶりも頷けます。このエッジの効いたタイトル。自信以外の何者でもありますまい💦数式にとらわれることなく、独自の世界観が人気のレジェンド😊しかし、ネットサーフィンしましたが、彼のことを解説した記事は恐ろしく乏しい💦

全体性と内蔵秩序

全体性と内蔵秩序

 

出典はアマゾンさん。

深い思索という意味で、佐藤文隆先生と同じ匂いが↓

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【目次】

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まず、タイトルについて

取りも直さず、タイトルをケア。SEO的にも大事ですし💦

P-21

分断ない宇宙に相応しい新たな秩序概念を具体的に展開する作業に着手する。これが、内臓的あるいは包み込まれた秩序である

量子論観測問題にも通じるトピック。量子論「以前」では、観測する人と、観測される対象はまったく別物でした。例えば、ある車が時速何キロで走るかなんて、観測する人と車が相互に影響するなんて、不思議な話でした。しかし、量子論になると、単位が小さいこともあって、人が観測した瞬間に、観測される対象に影響してしまうのです。だから、

  •     ✖︎観測する人  vs 観測される対象と区別するのではなく
  •     ○それらを全部「包み込んだ」ところの「全体」として考えましょう

という態度です。本書の筆者のある種哲学的なオーラと相まって、なんだか、宇宙の秘密でも、打ち明けられているようです💦

量子論に限ったこと話し方をしてしまいましたが、そう言えば、相対論も、時間と空間を一緒くたにして考える「全体的な」理屈でした💦

 

消えては浮かび、浮かんでは消える新しい理屈たち

P-30

理論はある時機までは明快なのだが、それ以後はしだいに明快さを失うだけである。そのため、人はたえず新しい形式の洞察を生み出しつつある。その活動においては、絶対的真理に対応した究極的な洞察というようなものは現在のところ存在しないし、将来も現れることはないであろう。

あれあれ、随分、冷めた見方ですね。じゃあどうするのでしょう。

P-30

それどころか、究極的洞察へたえず接近していていくということもない。むしろ、新しい形式の洞察が果てしなく生まれてくると考えるべきである。

あれあれ、じゃあ、すべては浮かんではすぐ消える「あぶく」のようなものですね。悲観的?です💦いま、学者の方があまり尊敬されないように見えるのは、そういう理由なのでしょうか。

 

最後に

量子論は根拠なく、ただ、実験でたまたま?!成果が出ていることに、理論としての未成熟さは、ずっと指摘されてきたようです。しかし、こうした地に足のついた思索に基づいているのですね。そりゃ、そうですよね💦

 

また、次回。

 

#全体性と内蔵秩序

#デビッド・ボーム

#量子論

#SEO

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