カタツムリ系@エンタメ・レビュー (ポップ・サイエンスはデフォルト)

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【宇宙のかたち】コーヒーカップとドーナツは同じ形と言い始めた💦宇宙全体を構造的に捉えようとする壮大過ぎる試み。

こんにちは、カタツムリ系です🐌

サブタイトルは”「大規模構造」を読む”です。単に、宇宙が加速膨張しているとか、時空が実は歪んでいるとか、個々の現象を見るだけでなく、宇宙全体を構造的に捉えようとする試みです。壮大です。壮大過ぎますが、大真面目に取り組まれています↓

図解 宇宙のかたち 「大規模構造」を読む (光文社新書)

出典はアマゾンさん。

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【目次】

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大規模構造とは

P-3

地球からカメラを引いて宇宙をズームアウトしてみると、太陽系、星々の連なり、銀河系など次々と大きな構造が見えてくる。宇宙は階層的な構造をしていて、小さなものがより大きなものの一部になっている、ということを繰り返している(中略)その最も大きな構造は、何十億光年にも及ぶ大きさで、そのまま「宇宙の大規模構造」と呼ばれている

ほとんど数学、それも幾何学っぽい💦 ここでは、時間の始まりとか、宇宙の外側とか、ある種、際限のないトピックからは一歩引いている印象あります。だから、数学が気持ちよく登場できるのかも。

 

大規模構造を作る出す密度ゆらぎ

対称性の破れ

「対称性の破れ」という現象があって、粒子は全て反粒子とペアになっているのですが、たまに、ペアになれず、孤独な粒子があるとか。

天文学辞典 » 自発的対称性の破れ

粒子と反粒子はお互いにぶつかり合ってエネルギーを出しながら、消滅するらしいのです。しかし、すべてが、きちんとペアリングされていれば、何も残しません💦なので、ペアとなるパートナーからあぶれた、孤独な粒子が現在の宇宙を形作っているとか。

重力不安定性からくる密度ゆらぎ

そんな対称性の破れ以外にも、宇宙を形作る契機があるようです。

P-77

宇宙のどこも完全に同じ状態だったら、その後の宇宙には構造ができようがない。完全に一様な宇宙は、いつまでも一様なままである。

ここでも、小さなアンバランスが、全体的な動きの始まりになります。

P-77

ある場所に存在する物質の量が、そのまわりに比べてわずかに多かったとしよう。すると重力の効果によって、まわりからその場所へ物質が集まってくる(中略)物質が集まってくると、その場所ではさらに強くまわりの物質を引っ張る

逆に物質の量がわずかに少なかった場合は、どんどん物質は、その場所には、少なくなってくる。こんな濃淡は時間とともに拡大され

P-78

物質密度の空間的変化のことを「密度ゆらぎ」という。重力には、密度の濃淡をどんどん強めようとする働きがある。この性質を「重力不安定性」という

あんまり理解してない段階で言うのもなんですが、対称性とか、ゆらぎとかが、宇宙の本質といった主張に聞こえます。しかし、こんな不安定な出発点が「大規模構造」につながっていくのですね。

 

宇宙の曲率。歪み具合。

P-105

曲率というのは、負から正までの任意の数を持つことができる。正の曲率を持つ空間では、三角形の内角の和が180度よりも大きくなり、また、平行線を描こうとしても、それらはどこかで必ず交わる

なかなか刺激的な話。平行線は、平行でないのですね💦曲率の正負は分かりにくいですが

P-105

曲率が正の空間のもっともわかりやすい例は、球面上の2次元空間

そして、

P-106

曲率が負の空間(中略)馬の鞍のようなものを思い描くとよい

要は

  • 曲率がプラス→凸状に、出っ張り
  • 曲率がマイナス→凹状に、めり込む

ようです。アインシュタインも、一般相対性理論を開発するのに、ここらあたりの幾何学はかなり勉強しなければならなかったようです。まぁ、宇宙という時空間を研究するのですから、幾何学というか、図形からアプローチするのは当然といえば当然💦

 

大規模構造のトポロジー 

P-146

大規模構造の複雑な形を直接的に特徴づける量はないだろうか(中略)トポロジーという解析法が考えられ始めた

トポロジーもきっと数学の一カテゴリーでしょうね。

P-147

コーヒーカップを思い浮かべてみよう。コーヒーカップは、取っ手の部分に穴が空いていて、他には穴の空いているところはない。したがって、コーヒーカップを連続的に変形するとドーナツと同じ形にできる。この意味では、ドーナツとコーヒーカップは同じ種類の形だと言える。

恐ろしいことを言い始めました。変形すればドーナツとコーヒーカップは同じ種類の形?

P-147

もし、大規模構造が銀河団なとの点々と存在する単純なものであれば、それを取り囲むマンは球形や楕円形のような、単純な面になる。球形と楕円形は違う形といえば違う形とだが、楕円形を連続的に変形すれば球形になる、という意味では同じ種類の形だと言える。

この大胆な、かなり粗い?図形の分類をトポロジーというのですね。連続的に変形させられるかどうか(一筆書きみたいなこと?)で、カテゴリー分けするようです。これは、慣れるしかないですね💦おそらく、ひも理論も、このトポロジーを活用してそうですね。このトポロジーの「粗いカテゴリー分け」をもってすれば、いろんなことが強引に単純化できそうだし、さらには、何十次元も作れそう💦

 

最後に

宇宙論という立体的なものを扱っているのだし、「ひも理論」なんていうものに焦点か当たっている以上、トピックが図形関連のものになっていくのは自然ですね。

しかし、そんな幾何学を用い始めた途端、急に、レンコンの絡み合った根のような(へんてこりんな)図がたくさん出てくるケースはよく目にしました。

そんなこんなで、今後は、コーヒーカップとドーナツが同じ種類の形だと言い切る、大胆極まりないトポロジーというコンセプトとも、お付き合いが生じそうです💦

 

また、次回。

 

#宇宙のかたち

#トポロジー

#ひも理論