こんにちは、カタツムリ系です🐌
ブルーバックスシリーズでは、何度もお世話になっている佐藤文隆博士の著作。この方の特徴ですが、理系どっぷりというよりは、かなり哲学チックなアプローチをされます。例えば、次の「量子力学のイデオロギー」とか↓
そして、もう一つの特徴は、比較的容赦なく数式を盛り込まれること。おかげで、数式に対する理解はかなかな進まないものの、数字アレルギーが微妙に減ってます💦
聞いた話ですが、日本刀の達人的使い手に「どうしたらあなたなのようになれるか?」と質問したところ「日本刀をずっとそばに置いておけ」という回答あったとか。数式も分かる分からないは別として、とりあえず、接点を増やすのは悪くないのかもしれません💦
佐藤文隆先生の量子論 干渉実験・量子もつれ・解釈問題 (ブルーバックス)
- 作者: 佐藤文隆
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2017/09/20
- メディア: 新書
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出典はアマゾンさん。
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【目次】
- 量子論はキワモノ扱いもされますが、結構、働き者なのです😊
- 「幽霊」的量子力学も、急に俗っぽく
- 量子力学が決して「幽霊」チックなものではなく、豊かなミクロ新世界の多彩さとさえ言い切れるらしい
- 量子力学の要素を「三つ」に絞る快挙
- 「粒子」であり、同時に「波」であることへの、ちょっとユニークな感想
- 「情報」が「物理」のメインステージに登場するまで
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量子論はキワモノ扱いもされますが、結構、働き者なのです😊
P-28
この社会の隅々に拡がるテクノロジーが、量子力学の巨体な達成点なのである(中略)量子力学はすでにひと仕事もふた仕事もやり尽くした
P-54
量子力学からのハイテクの爆発(中略)「量子技術」は量子力学をしゃぶり尽くして大成長している。量子コンピュータ、量子インターネットなど、量子状態を操作するテクノロジーの未来までもが語られる
「モノは全て、粒子であり波である」と言ってみたり、波の変化を記述する波動関数は見ることができなくて、そんな波動関数が表す波を「幽霊波」と言われたり。。。。。まるでキワモノ扱いですが、こんな風に、量子力学は汗かいてます。というより、もはや、なくてはならない存在のようです。
「幽霊」的量子力学も、急に俗っぽく
P-55
たださえ量子力学が嫌いなアインシュタイン。そして物理的に美意識高い系のアインシュタイン。「美意識」なんていうものから、さらに遠いところに行こうとしている量子力学。アインシュタインの反感は、またまた爆発しそうですね💦
量子力学が決して「幽霊」チックなものではなく、豊かなミクロ新世界の多彩さとさえ言い切れるらしい
P-56
量子力学を学習し始めると、「観測者の登場」なとが腑に落ちず”モヤモヤした”疑問を抱く学生はいつも存在した。そして、その疑問を教員や先輩にぶつけると「黙って、計算しろ!(Shut up and Calculate)」と。
この「黙って、計算しろ!」というのは、よく聞くエピソード。マンハッタン計画にも参加した理論物理学社のファインマン博士の言葉と言われてますが、空が本当にそう言ったかは怪しいらしいです💦
ま、他にも逸話の沢山ある方なので、こんなセリフを口にしても違和感ありませんが💦
P-56
「先まで勉強すると」量子力学が拓いた豊かなミクロ新世界の多彩さに圧倒され、入り口で抱いた疑念などは自然に消えていく
「石の上にも三年」的な話なのですね。その時には、ちょっと気の利いたエピソードだったかもしれませんが、とにかく「まとめ」「手順」の説明を細かくリクエストされがちな現代。もう、受けが悪い環境になっているかもしれませんね💦
量子力学の要素を「三つ」に絞る快挙
すごくないですか!?ここまで絞れるなんて。感心したので、ちょっとミーハー的に載せておきます。
P-68
「粒子」であり、同時に「波」であることへの、ちょっとユニークな感想
P-71
この「粒子・波動二重性」の実験的発見は、テクノロジーが進歩してミクロの世界に分け入ってみたら、二重性格の珍獣がいただけである
「幽霊」とか「珍獣」とか、言いたい放題です💦
「情報」が「物理」のメインステージに登場するまで
P-171
古典物理学では「情報」は「物理」から存在論的に峻別されている。「情報」は現実のものでなく(中略)二次的な存在(中略)ただし「情報」を得ることで物理的存在が変わろうとする量子力学はこの柵を取り除くことを要請しており(中略)一挙に「情報」学が全てを飲み込む可能性
量子コンピュータとか、量子テレポーテーションとか。名称は「ムー的」ですが、実体はきちんと地に足がついているようです😊
また、次回。
#ボーア
#情報