カタツムリ系@エンタメ・レビュー (ポップ・サイエンスはデフォルト)

映画・本・動画といったエンタメのレビューを友人に語りかけるように書きためています。映画は、おすすめポイントと大好きなカットに焦点。本や動画でポピュラーサイエンスやオカルトをエンタメとしてカバーしているのも特徴。

【眠狂四郎 悪女狩り】偽(ニセ)眠狂四郎登場。江戸城大奥での密室的拷問。罠に次ぐ罠。最終作に相応しい最高の殺陣(タテ)で魅せる。

こんにちは、カタツムリ系です🐌

本シリーズの最終作である第12作目。ポップな面は後退し、その代わり、オカルトとおどろおだろしさが、高濃度に凝縮された、眠狂四郎ならではの、濃い内容になっています。

前回の記事↓

 

 

 

おすすめポイント 

①オープニング。般若のお面の眼光の鋭さ

    →般若(ハンニャ)のお面。般若とは、大乗

       仏教において「智慧」を意味する存在らし

       い。

般若(はんにゃ)とは - コトバンク

       しかし、この、白く、無表情で、つり上が

       った目は、本シリーズの不気味さをよくよ

       く伝えています。

江戸城 大奥での拷問

   →前作の「人肌蜘蛛」では、江戸時代のセレ

      ブの狂気の沙汰が目立ちました。しかし、

      そこは、江戸から遠く離れた場所ゆえかと

      思っていましたが、江戸のど真ん中にも、

      クレイジーな人は人と行いが、量産されて

      いました💦

眠狂四郎vs偽眠狂四郎

   →たとえば「眠狂四郎 無頼剣」↓ では、

      眠狂四郎自らが認めるライバルの存在があ    

      りました。しかし、ここでは、あからさま

      に、眠狂四郎を名乗り、円月殺法まで習得

      している強敵。本物の敵は最後に現れたよ

      うです💦

 

トリセツ)

私こと、カタツムリ系的に「ここだ!」というところを、スナップ・ショット的にピック・アップしていきます。

なので、必ずしも、全体を丁寧に網羅しないことも💦

 

作品紹介  

側室が将軍の子を身ごもったことに端を発して

側室(ソクシツ)とは - コトバンク

江戸城は、勢力争いが激化。暗殺が江戸城の内外を問わず行われ、眠狂四郎に濡れ衣が着せられることに。自らに火の粉が降りかかった眠狂四郎は、大奥に入り込み、真相に近づく。そして、最後は偽眠狂四郎との一騎打ち。

眠狂四郎 悪女狩り [DVD]

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出典はアマゾンさん。

 

稀に見るハイレベルな剣の闘い

眠狂四郎vs眠狂四郎。どちらも円月殺法をマスターしている設定。眠狂四郎を演じる市川雷蔵さんも、毎作品で、その剣術を披露さらていますが、今回は最大の敵なせいでしょうか。普段の直立に近い構えてまはなく、身体を折り曲げるまでに追い込まれた、ハイレベルな、本気の闘いが繰り広げられます。

 

お気に入りセリフ集

①偽眠狂四郎の犯行の濡れ衣を着せられ、剣を持った人たちに囲まれた時

これまで刃(ヤイバ)にかけた相手を記憶にとどめておく菩提心(ボダイシン)に欠けていた。いつどこで斬ったか思い出させて頂こう。

菩提心とは、死者を弔う心、くらいの意味でしょうか。

菩提心(ぼだいしん)とは - コトバンク

決闘の直前に、殺した相手を思い出させてくれ、とは、これ以上ないほどに、誰にも頼ることのない、彼のハードボイルドさを感じます。

②同じく、偽眠狂四郎の犯行に記憶があるかと聞かれての回答

相手が仕掛けてこぬ限り、自ら仕掛けた記憶は一度もない

このポリシーは本シリーズ12作全作を通じて貫かれていると思います😊

③ついに、偽眠狂四郎と対峙することとなった時の一言

今まで眠狂四郎が何人いようと構わぬと思っていたが、その料簡(リョウケン)が変わった。狂四郎はやはり一人でなければならぬ。貴様は生かしてはおけぬ。

眠狂四郎が「貴様は生かしておけぬ」なんて、ベタなことを口走るなんて、おそらく初めてでは?!それほどに、眠狂四郎とて余裕なく、そして、本気の本気な風が伝わります。

 

最後に

本シリーズは1963年の「眠狂四郎殺法帖」に始まり、1969年に公開の本作の、全12作。時代性もあり、オトナなシーンも少なくありませんが、それはそれとして、エンターテイメントのスピリット溢れる、名作揃いでした😊

 

また、次回

 

#眠狂四郎

#悪女狩り

#市川雷蔵