こんにちは、カタツムリ系です🐌
マルチ・バース(多元的宇宙)の案内書としては、秀逸に思える本書↓恐らくは筆者の方の真摯さの裏返しでしょう。議論の充実度も、もちろんですが、そんな真摯にも惹かれて読み続けることになりました。
出典はアマゾンさん。
ちなみに、過去記事↓の続編です。
【目次】
[:contents]
マルチ・バースとか、人間原理とかいうコンセプトあります。それを代表した高らかな宣言
宇宙は一つであり、すべては必然。偶然に見えるのは、我々が最終的な宇宙の法則を知るに至っていないからだ、とする決定論に対する、より柔軟な考え方。
P-24
世界がすべて必然で説明し尽くせるという信念が正しいかどうかは保証の限りではない。それどころか、傲慢にすら思える。
ここまでは、とてもリベラルで聞いてて気持ち良い😊
P-24
そもそも宇宙の誕生が本当に一回だけの事象であるならば、それを必然か偶然かと問うこと自体に意味がなくなる。
えっ?一回だけなのなら、その「一回性」を検証することには、かなりの意味があるような気がしますが💦
P-24
いっそのこと、無数の宇宙が誕生した(実在している)と考えてはどうか。その中で人間を誕生させる条件をたまたま兼ね備えていた(数少ない)例が我々の住むこの宇宙なのである。
恐らくは、この宣言のような内容が出てくるまでには、この宣言が回答となるような、問いのような意見があったのかもしれません。ポイントは、
- そんなに肩に力入れずに
- 宇宙は一つであると現宇宙をやたら特別視することなく
- 宇宙はたくさんあり、我々はそんなうちの単なる一つ(one of them)くらいに考えましょう。
- ただ生命が生まれるのは稀のようだから、その意味では、我々は特別なのかも
くらいでしょうか。こうなら、共感できます😊
不自然な状態にある宇宙
P-46
このように、ビッグバン時の宇宙はかなり不自然な状態にあるというべきです。
と本書の筆者が指摘する代表的なポイントを二つ。
不自然さの表れ①「地平線問題」
我々から見て観測可能なその果てを「地平線」と呼ぶそうです。
(現状)(P-43)その地平線からやってくる宇宙マイクロ波背景放射の温度は、方向によらず0.001%以内の精度で一致
(問題点)光は概ね直進するようです。異なる方向から飛来した光は今まで一度も出会ったことがないはずで、お互いに無関係なはず。とすれば、宇宙マイクロ波背景放射の温度は違って当たり前。なぜ?
(解決の方向性)インフレーションによって、もともと因果関係をもっていた微小な空間領域が、長さにして26桁以上引き延ばされるのだとか。すなわち、現在、大きく広がった宇宙空間は、もともと小さな小さな空間で因果関係をもっていたので、似た性質をもっていてもおかしくない。
不自然さの表れ②「平坦性問題」
(現状)(P-45)一般相対論は、重力が空間の場所場所での曲がり具合(平坦からずれている度合い)によって説明できることを示しました。このように、宇宙全体が曲がった空間である可能性
(問題点)曲がった空間であるはずなのに、観測すると、平坦に近い空間に見える
(解決の方向性)地平線問題でみたように、宇宙はもともと微小な空間領域にいたものが、引き延ばされたもの。曲がった面であってもそれを十分に引き延ばせば、局所的には平面とみなせるはず。我々が普段、地球が丸いことを気がつかないことと同じですね。
宇宙の誕生・インフレーション・ビッグバン
ビッグバン理論というコンセプトと、インフレーション理論というコンセプトはワンセットなのですね。ビッグバン理論の弱点をインフレーション理論が補う関係性。
そして
P-51
宇宙は誕生し、その後インフレーションを経験した後にビッグバンという状態に落ち着いてから進化し現在に至る、というのが標準的なこれら3つの概念の関係
となると、どうやらインフレーション理論こそが、宇宙の誕生とビッグバンをつなぐキーコンセプトのようですね。
P-51
それらを結ぶインフレーションモデルは、極めて有力な理論仮説であり、だからこそ世界中でその観測的検証を目指した研究が行われている
もうすぐ、ビッグバンよりインフレーションにフォーカスされる時期がくるかもしれませんね。ご参考まで↓
また、次回
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