カタツムリ系@エンタメ・レビュー (ポップ・サイエンスはデフォルト)

映画・本・動画といったエンタメのレビューを友人に語りかけるように書きためています。映画は、おすすめポイントと大好きなカットに焦点。本や動画でポピュラーサイエンスやオカルトをエンタメとしてカバーしているのも特徴。

【量子テレポーテーション②】量子コンピューターとしての秀逸さ

こんにちは、カタツムリ系です🐌

量子テレポーテーションという秀逸なネーミングに惹かれ、本書↓を手に取った私。スタートレック的世界は断念しつつ

量子テレポーテーション量子コンピューター」

ということなので、そういう最新のトレンドに乗ることにしました💦

量子テレポーテーション―瞬間移動は可能なのか? (ブルーバックス)

量子テレポーテーション―瞬間移動は可能なのか? (ブルーバックス)

 

出典はアマゾンさん。

 

関連記事↓

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【目次】

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量子コンピューターの最大の強みを一つ

P-15

量子コンピューターでは非常に速く解ける問題の代表例は、素因数分解(一つの大きな数が、二つの素数の積であることを計算すること)であり

急な素因数分解の登場💦

 P-15

素因数分解が注目される理由は、現在のインターネット等での情報セキュリティにおいて、その要(カナメ)である素因数分解が、従来のコンピューターでは時間ががかり過ぎて、事実上できないことに立脚

かと言って、従来のコンピューターでも対処できるくらいの簡単な素因数分解なら、インターネットでクレジットカードの番号が簡単に盗まれるらしい。

 

量子テレポーテーションは、量子情報・量子状態を伝送するというが、それらは一体?

P-20

原子核や電子の存在そのものではなく、それらの配置・運動の情報。あるいは原子核や電子の状態と呼んでも良いかもしれない

もちろん原子核や電子の情報は必要なわけですが、それらの関係性も必要なのだとか。しかも、常に変化する関係性。1+1=2ではない、と言い換えてもよいかもしれません。これは大変ですね。たしか人間だと細胞だけでも60兆個あると耳にしたことあり、しかも、常々変化するとなれば、その情報量は莫大ですね💦

 

厄介な性質。不確定性原理。そして、ホラー💦

P-32

不確定性原理のために、量子の位置と運動量を同時に測定により決めることはできないから、量子テレポーテーションの送信側では、量子情報(位置と運動)を完全に得ることができない

下手に人間をテレポーテーションさせようとすると、受け手サイドでは、情報が微妙に異なるということ?!恐ろしい💦

P-32

量子は一度測定を行ってしまうと状態ですかわ変換してしまう 

これも不確定性原理から来る性質。情報の受け手は、不完全かつ常に変化する情報しかもらえない?!テレポーテーションなんて、恐ろしい💦

さらに、仮にアリスさんという人からボブさんという人に量子テレポーテーションするとして

P-36

アリス側での「状態」は壊れてしまう(この様子は「状態が変わる」という生やさしいものではなく、明らかに人間としての存在が「壊れる」ので、量子テレポーテーションが成功してボブ側に再現される量子状態は唯一の存在となる

量子テレポーテーションした瞬間に、元々の自分は抜け殻のように捨てていくことになるのですね。結構なホラーです💦

 

重ね合わせの状態、という、曖昧な言葉は?

 P-44

すべての運動の状態が「重ね合わされている」状態(中略)平たく言えば、全くの不確定なので、すべての運動の場合が「重ね合わされた」と考える

は、複数の可能性が同時にあること、すなわち確率的、ということが言いたいようですね。しかも

P-44

誤解しないでほしいのが、あくまでも量子は一つであり、異なった多数(無限)の状態が「重ね合わされている」だけ

じゃあ、もっと分かりやすいネーミングにすればよいと思いましたが、意外と思いつきません💦

 

量子テレポーテーションもしくは量子コンピューターのすごいところ

量子力学の考え方を駆使されているところはもちろんですが。その中でも「重ね合わせ」を利用したところがキーなんでしょうね。従来から、「一対一」で対応していたものか「一対N」になったのですから、情報「量」の観点では飛躍的に伸びたこと理解できます。

先日の本件に関する投稿↓でも言及しましたが

量子テレポーテーション①引用

P-19

シュレーディンガーアインシュタインらの頭の中だけで行われていた実験を、現在のテクノロジーを用いてテーブルトップで実現するというのは、考えただけでもわくわくするのではないだろうか?

ということに尽きます💦

 

また、次回。

 

#量子テレポーテーション

#スタートレック

#アインシュタイン

#ERPパラドックス

#量子コンピュータ

【ホーキング 宇宙の始まりと終わり③】宇宙論を包括的に救うはずの重力量子論。

こんにちは、カタツムリ系です🐌

宇宙の始まりと終わり、なんて、エキサイティングなトピックである一方、即効的になにかの役に立ったりする内容でもないことも確か。しかし、意外な?ところで高い関心を寄せる人たちもいるようです。なんと、ヴァチカンのカトリック教会💦

ホーキング宇宙の始まりと終わり 私たちの未来

出典はアマゾンさん。

前回の記事↓

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【目次】

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ヴァチカンでの宇宙論の会議

会議の趣旨

P-122

カトリック教会は、ガリレオでひどい過ちを犯しました。科学の問題に権威を振りかざし、太陽が地球の周りを回っているのだと宣言したのです。それから数世紀を経た今、教会は数人の専門家を招いて宇宙論について意見を求めることにしたわけです。

たしか、以前の教皇がビッグバン理論を大々的に取り上げて、これこそ、神の天地創造を示すものだとアピールしたこともあったよう。しかし、科学理論はつねに書き換えられる可能性があり、その科学理論の誤りが指摘されたら、教皇の誤りにも繋がりかねないので、以後慎むようにと部下から諌められたとか💦

ホーキング博士のことですから、一発かましたのかと思いきや、そんな武勇伝はないようです。しかし、一応、シニカルなスタンスは崩していません。

教皇コメント

P-122

会議の最後に、参加者は教皇への拝謁が許されました。すると教皇はビッグバン以後の宇宙の進化を研究するのは結構だが、ビッグバン自体を突き詰めてはいけないと言いました。なぜなら、ビッグバンは創造の瞬間であり、したがって、神の業(ワザ)だからだ、と。

しかし、ホーキング博士の専門領域はビッグバンにもかなり被ります。教皇から招かれた会議で、教皇からストップがかかったトピックをバンバン主張されたに違いありません💦

ホーキング博士の振る舞い

実際、

P-141

時間と空間はともに大きさは有限だが境界や縁のない面を形作っている可能性がある、とわたしがはじめて発表したのはヴァチカンの会議でした。わたしの研究論文はかなり数学色が強かったため、宇宙の創造に髪が果たす役割まで踏み込んでいることは、その時点では指摘されませんでした

 

特異点が招くもの

一般相対性理論の宿命

いくらヴァチカンでダメって言われても、突き進むホーキング博士特異点に関する考察が、またまた特異な方向性を生み出します。

P-156

古典的な一般相対性理論は、時空の曲率が無限大の特異点で宇宙が始まったと予測しています。実のところこれは、古典的な一般相対性理論が自らの破綻を予測したということです。

哲学ならいざ知らず、物理学では、数学で記述する必要あります。数学では、発散など無限大というコンセプトはあるようですが、数学を使った物理学では、無限大のものは、実在しない、もしくは実在するという予測もない以上、使い勝手がありません。まさに破綻です。それで出てきたのが重力量子論

重力量子論の台頭

P-156

時空の曲率が増大すると(中略)古典的な一般相対性理論は宇宙の詳細な説明ではなくなってしまいます。

一般相対性理論が「無限大」とか「特異点」とかで、言ってみれば思考を停止しているところでも、重力量子論は丁寧に

P-156

宇宙のとり得るあらゆる経路を考慮します

ということ。一般相対性理論は、宇宙の始まりの部分の説明につき、理論の完成度的に高みに達してないというより、そこまで手が回らなかったという方が実態のようですね。

 

重力量子論が万物を説明する理論になり得るのか。その時、過去、その役割を担っていた哲学者は?

P-180

大半の科学者は宇宙を記述する新理論を考えるのに忙しく、なぜという問いを発してしません。

物理学とはそういうものだと整理しています。ニュートンも「引力とはなにか」なんて考えているとキリがないので「引力はどのように振る舞うか」という方向で研究を進めると、色々うまくいったらしいです💦

P-180

一方で、なぜという問いを発するのが仕事の人たち、つまり哲学者たちは、科学理論の進歩についていけずにいます。十八世紀の哲学者は、科学も含め、人類の全知識が守備範囲でした。

例えば、フランスのダランベールは哲学もやり数学もこなす典型例。しかし、こんな環境になったことには理由はあり

P-180

十九世紀から二十世紀にかけての科学は、ごく一部の専門家をのぞき、哲学者にとっても他の人たちにとってもあまりに技術的で数学的になりすぎました。

たしかに💦そして、そんな状況はさらに加速し

P-180

哲学者が探求の範囲を大幅に狭めてしまったため、二十世紀の最も有名な哲学者ヴィトゲンシュタインはこう語っています。「哲学者に唯一残された仕事は、言語の分析です」。アリストテレスからカントまで、偉大な伝統を持つ哲学のなんという落ちぶれようでしょう。

それにしても、ホーキング博士は、哲学者に対して、なんと塩対応なことでしょう💦

 

最後に 

かつて教養小説と呼ばれて、主人公の成長を描いた本がもてはやされていた時がありました。読者が共感を得るような人物像で、そして、苦難を乗り越えるという設定が多かったと思います。たとえば、ロマン・ロランジャン・クリストフ

ジャン・クリストフ 1 (岩波文庫 赤 555-1)

出典はアマゾンさん。

宇宙論も、教養小説並みに、ある種、自由自在に宇宙のストーリーを描くことのできる時代になったようです。すごい。

 

 

また、次回。

 

 

#ホーキング 宇宙の始まりと終わり

#ヴァチカン

【量子テレポーテーション①】量子論✖︎テレポーテーションという神的コンビ💦

こんにちは、カタツムリ系です🐌

出ました。テレポーテーション。瞬間移動。しかも、量子論という、分かったような分からないようなアカデミックな基盤もあるお話。ムー的には、読むしかありません💦ちなみに本書↓の筆者は

P-5

現役の量子テレポーテーション研究者である

そんな仕事あるんですね!しかも専任😊

量子テレポーテーション―瞬間移動は可能なのか? (ブルーバックス)

量子テレポーテーション―瞬間移動は可能なのか? (ブルーバックス)

 

出典はアマゾンさん。

関連記事↓

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【目次】

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テレポーテーションの説明。誤解ないようにとの配慮だそうですが、すごく残念💦

P-7

量子テレポーテーションの「語源」となっている「テレポーテーション」は、『スター・トレック』などで出てくる瞬間移動のこと

当たり前じゃないですか!しかも、量子✖︎テレポーテーション!期待は膨らむばかり!

P-7

これから説明しようとしている量子テレポーテーションは瞬間移動のことではない(中略)「(量子)情報=存在」を伝送するだけ

瞬間移動も、人間という情報かつ存在の伝達ではないのですか?

P-7

さらに、光の速さを超えて伝送するという「眉唾」なことも起きない。つまり、「瞬間」では伝送されない。あくまでも光速以下で伝送される(中略)量子力学にも相対性理論にも反しない「単なる」物理学の話

あれれ。われわれが勝手に広げた風呂敷が、随分、狭まってきました。ちょっとガッカリ。しかし、まだ、どこかに微妙な、一方的な期待感。でも、そんな地に足のついた話なら「量子テレポーテーション」なんていう、キャッチーなネーミングはルール違反ですよ。ムー的には💦

 

じゃあ、人間の瞬間移動を目指さずして、実際、量子テレポーテーションは何を目指す?!

P-15

量子テレポーテーションが、もっとも簡単な量子コンピュータ

急に話が飛びました。量子コンピューターは量子コンピューターで関心あるところです。しかし、恐らくは、量子コンピューターも、瞬間移動は実現させてくれなさそうなので、SFチックな話は一旦断念することに。

 

それでは、量子コンピュータとは

P-14

量子コンピューターとは、量子力学的性質を積極的に使い、従来のコンピューターでは計算時間的に不可能であった問題ある(解くのに何万年もかかってしまう問題)を瞬時に解くことのできる「魔法の」コンピューター

要は、特殊なことをするというよりは、ひたすらCPUをあげることに貢献するコンピューターのようです。

CPU(シー ピー ユー)とは - コトバンク 

 

量子力学的性質というと?!

「量子エンタングルメント(もつれ)」だそうです。量子のもつれというと、粒子の状態が重なり合うという、何回聞いてもピンとこないアレですね。

量子もつれ(りょうしもつれ)とは - コトバンク

象徴的に取り上げられるのは、次のようなトピック。

  •     一対の電子があって↓
  •     どんなに遠くに離れていても↓
  •     一方が右回転したら↓
  •     もう一方は左回転する↓
  •     それも、光の速さより、早く伝わる

のだとか。この光速よりも速いという点にアインシュタインも異議を唱えたとか。ERPパラドックスとして知られています。

EPRパラドックス(いーぴーあーるぱらどっくす)とは - コトバンク

 

だから、量子テレポーテーション量子コンピューターに馴染む

P-15

量子テレポーテーションは、「入力に重ね合わせの状態を許す」、「入力状態を一括に処理する」、「処理の途中で量子エンタングルメントが形成される」というコンピューターの条件を満たす最小の単位

理屈は理屈として、量子エンタングルメントなんて、そういう現象を観測するのはともなく、人間側で再現できるものなのですね💦

 

最後に

コンピューターに量子エンタングルメントを適用するなんて話が突然過ぎたのか、量子テレポーテーション量子コンピューターとが、従来、一括して考えられてこなかったそうです。かなり将来性のある話らしいです。そのことにも関心はあるのですが、量子エンタングルメントが、人間サイドで再現できること自体が、なんだか、魔法のように感じます。

本書筆者も

P-19

シュレーディンガーアインシュタインらの頭の中だけで行われていた実験を、現在のテクノロジーを用いてテーブルトップで実現するというのは、考えただけでもわくわくするのではないだろうか?

 

また、次回。

 

#量子テレポーテーション

#スタートレック

#アインシュタイン

#ERPパラドックス

#量子コンピュータ

#シュレーディンガー

【ホーキング 宇宙の始まりと終わり②】「裸の特異点」「宇宙検閲官仮説」。真面目なんでしょうが、どうにも盛りすぎな匂いのするネーミング💦

こんにちは、カタツムリ系です🐌 

宇宙の一生を語る名手、ホーキング博士。前回の記事では、宇宙の始まりどころか、個々の星のライフサイクルを見ただけで、割に感動してしまいました💦 

この本焼きを読み終えるのは、大変そう💦

ホーキング宇宙の始まりと終わり 私たちの未来

出典はアマゾンさん。

 

前回の記事↓

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【目次】

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特異点」の「特異」なところ

特異点」といっても、数学上のコンセプトなので、その使用に一定のメリットがあるはず。なので、とやかく言っても仕方ないのですが、それでもなお、なかなか、特異なのです💦

とりあえず特異点のポジション

P-87

一般相対性理論にしたがうと、ブラックホールのなかには無限大の密度の特異点があるはずだということを示しました。これはむしろ時間の始まりにおけるビッグバンに似ています。

特異点」が宇宙の特性なら、それはそれで受け入れるべきでしょうが

特異点の前では、無力な人間

P-87

崩壊しつつある天体と宇宙飛行士にとっては、時間の終わりでしかありません。この特異点では、科学の法則や未来を予測するわれわれの能力も役立ちません。

特異点の前では、人間はほぼ無力に近く、人間が圧倒されたり、マイナスの影響を受けそうなものですが

P-87

しかし、ブラックホールの外に残っている観測者は、予測可能性が破綻しても何の影響も受けません。なぜなら光もいかなる信号も、特異点からは届かないからです。

という風に、まるで、他人のような存在であり続けるのです。

裸の特異点と宇宙検閲官仮説

P-87

この注目すべき事実から、ロジャー・ペンローズ は宇宙検閲官仮説の提唱を思い立ちました。この仮説はいわば「神は裸の特異点を嫌う」ということです。言い換えれば、重力の崩壊によって生じた特異点は(注目)外部の視線から慎み深く身を隠せるブラックホールのような場所でしか起こらないということです。

こんな風にブラックホールの外部に残っている観測者を、特異点で起こる予測可能性の破綻の影響から神が守るのだとか。意味が分からないではないですが、なーんか、ローカルな内輪受けなイメージが強いですね。しかも

P-88

ただしブラックホールに落ちた気の毒な宇宙飛行士には、手を差し伸べません。

ということです。

 

ブラックホールは、本当に吸い込むだけか?

まぁ、惑星がぺしゃんこになるくらいの強烈な重力場合なんでしょうから、気軽にブラックホールから、なにかが出てくることはなさそうです。

まずはブラックホールが吐き出す話ではなく、呑み込む話

P-105

事象の地平(=ブラックホールを取り囲む境界線のようなもの)の面積はブラックホールに物質が落ちるたびに増えるという私の発見に続き(中略)ベケンスタインは事象の地平の面積がブラックホールエントロピーの尺度だと主張

この発見まではよいとして、こういう表面積が増えると、ワンセットで表れるべき性質があるのだとか。

P-105

ブラックホールエントロピーがあるなら、温度もなければなりません。ですが非ゼロ温度の天体は、一定の割合で熱を放射するはずです。

例えば、火かき棒を火で熱すると真っ赤になり熱を放射するケースを想起してください。また、低い温度の天体も、放射の量がごく少ないのできずかないが、熱を放射しているとのこと。でも

P-105

ブラックホールは何も発していない天体だと定義されています。ですから、ブラックホールの事象の地平の面積はエントロピーとはみなさないと考えられました

ベケンスタインさんの主張が誤っていたとはいえ、ホーキング博士としては、それはそれでよかったらしいのです。ホーキング博士が発見した「事象の地平の表面積が増える」という発見をでたらめに悪用したというイメージあったようです。

P-107

計算してみて驚くとともに困ったことに、回転しないブラックホールとどうやら一定の割合で粒子を創り出し放出さしているようだとわかったのです。

ブラックホールが何ものかを吐き出しているという驚愕の発見に加え、ベケンスタインさんの主張も正しいことになってしまったようです。痛し痒し💦

 

ブラックホールは吐き出すだけでなく、蒸発までしてしまうのか

P-110

ブラックホールの質量は小さければ小さいほど、温度は高くなります。ですから、ブラックホールが質量を失うと、それにつれて温度は上がり、放射の速度は増します。したがって質量を失う速度も増します。

質量が一旦失われると、その動きは加速するようですね。しかし、ブラックホールの質量が最終的にきわめて小さくなったとき、何が起こるかははっきりしていないようですが

P-111

初期質量が小さい原始ブラックホールは、もうすっかり蒸発していることでしょう。

なに!蒸発まで!もう、何でもアリですね。量子力学で、物質はすべて、ツブでありナミでもあると聞いた時くらい、なんか呆れ気味💦

 

また、次回

 

#ホーキング 宇宙の始まりと終わり

#事象の地平

【クォーク②】「極小」「光速」「大型」のハイブリッド💦

こんにちは、カタツムリ系です。

なかなか手強い素粒子の話題の続き。騙されているような、新しい地球の姿を垣間見ているような、そんな、怪しい感じ💦

なお、そんな怪しい世界のセンターポジション候補の一つ『クォーク』とは

P-23

基本粒子とは現在の時点でのエレメント、すなわち物質を構成する最も基本的な単位
の一つのようです。

クォークを含む素粒子という「極小」を研究するのに「光速に近い」スピードを出す「大型加速器」に頼る、素粒子物理学。その、とりとめのなさが、なかなか消えません。

クォーク 第2版 (ブルーバックス)

クォーク 第2版 (ブルーバックス)

 

出典はアマゾンさん。

 

関連の記事↓

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【目次】

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素粒子実験の「気の長さ」というか「桁外れ」具合

P-287

陽子の崩壊は原理の問題としてはたいへんな意義をもつが、その寿命は、理論的には大統一エネルギーの逆数に比例し、10^30(10の30乗)年(中略)と見積もられる

見積もったところで、活かしようがなさそうな水準💦しかし、心配するには及ばず

P-287

宇宙の現在の年齢10^10年と比べても圧倒的に長いので、別に物質の消滅を心配する必要がない(中略)1トンの物質(何でもよい)は10^30のオーダーの陽子(および中性子)を含むから、その中で一年に一個程度の方が崩壊が起こるはず。だから例えば1,000トンの水を測定器として使えば、一日になり数個になり、実行可能

このまでくると、ぐーの音も出ません💦素粒子物理は、かなり地道な分野💦ちなみにオーダーとは「桁数」くらいの意味です。

 

本書初版の1998年当時の素粒子物理の環境

P-292

現在一般に受け入れられている見解によれば、宇宙は100億年から200億年ほど前に、ビッグ・バン(大爆発)から出発

現在では、138億年まで精度アップ。

P-293

宇宙の中に星のような目に見える物質以外のものがたくさんないと困るという理由がいくつかある。例えば宇宙の中の物質は膨張にブレーキをかける作用をする。この事実を使って宇宙の寿命と膨張速度から物質の量を逆算すれば、目に見える物質だけではだいぶん足りない。

今でいう、ダークマターとかダークエネルギーのことですね。

ダークマターとは - コトバンク

ダークエネルギーとは - コトバンク

 

小さいことからコツコツと

もともと素粒子自体がおそらく小さいので、細かい作業を淡々とこなさなければならないことは、想定の範囲でしょう。とは言え、

  •     10^30の陽子を確保するとか
  •     光速に近いスピードを実現する大型加速器を使ったり

と、兎にも角にも、手間がかかる分野。言い換えれば、かなりな人手が必要だし、なにやり、オカネを食いそうです。     

研究を続けようとすると、オカネを細かく集め、オカネを集めようとすると、細かい研究を続けるという、小さなことからコツコツと積み上げられる苦労人の分野のようです。

 

やっぱり超弦理論?!

まだ、量子重力理論が知られていない時代だったのか、今後の素粒子物理学の将来の方向性として、超弦理論にフォーカスがなされています。しかも、その理論には、科学としての厳密性に、かなりの疑義をはなさまれる筆者。色々、もがいておられる様子。いまから、激しいスクラップアンドビルドを予感させられる素粒子研究の行く末ですね💦

また、素粒子物理は、宇宙論にも大きく関与しているらしく、当然、マルチ・バースなんかの分野にも立ち入ることでしょう。気になるフィールドですね😊

 

また、次回。

 

#クォーク

#南部陽一郎

#レプトン

#ハドロン

#メソン

#バリオン

#超弦理論

#量子重力理論

【ホーキング博士のビッグ・クエスチョン④】人類の未来に貢献するのは住める惑星の発見と人工知能の建設的な利用と断言するのホーキング博士。

こんにちは、カタツムリ系です🐌 

先の記事でホーキング博士が、宇宙進出への積極てき推進論者でもなく、はたまた、地球にいても八方塞がりなイメージを持っておられるようでした。ここでは、その宇宙進出について、もう一歩踏み込みます。

ビッグ・クエスチョン―〈人類の難問〉に答えよう

出典はアマゾンさん。

前回の記事↓

https://katatsumurikei.hatenablog.com/entry/pop-science/physics-hawking/2020/04/10

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【目次】

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宇宙に植民地を建設すべきなのか?

P-197

一万年前に文明が始まって以来、進化は着実にスピードを上げている。もしも人類がこれから先、さらに百万年ほど存続するなら、私たちの未来は、まだ誰も行ったことのない場所に大胆に行くかどうかにかかっている。私は最善の結果を期待している。そう願わずにはいられない。ほかに道はないのだから。

条件付き賛成派でしたね。しかも「ほかに道はないない」という表現にも明らかな通り、ノリノリの選択というより、消去法的なものですね💦

 

人工知能は人間より賢くなるのか?

P-205

イーロン・マスクはこれまでにも、人間を超える人工知能は、予想もつかない恩恵をもたらす可能性がある一方、不用意な使い方をすれば、人類という種に良からぬ影響を及ぼすだろうと警鐘を鳴らしている

これは、いろんなところで、何度も聞いたことがあります。日本のむかしの「触らぬ神にたたりなし」という諺を思い出します。しかし、もう、後戻りはできなさそうですが💦そう、ホーキング博士

P-207

現実を直視するなら歴史のほとんどは愚かさの歴史だ

と、かなり警戒されています。しかし、前回の記事で、宇宙への移住という選択肢をとるのは「ほかに道がない」からだという理由付けと似ていて、人工知能とは付き合わざるを得ないとすると

P-213

火を使い始めた人間は、何度も痛い目を見た後に消火器を発明した。核兵器や合成生物学、強い人工知能といった、もっと強力なテクノロジーについては、あらかじめ計画を立てて最初からうまくいくようにしなければならない。なぜならそれは一度きりのチャンスになるかもしれないからだ。

なるほど!「一度きりのチャンス」なんですね。ひとつ間違えれば、独裁者的人工知能が登場するかも💦

 

より良い未来のために何ができるのか?

過去、発電所や自動車といったテクノロジーの成果は、人間の暮らしを豊かにしてきました。そんな経験に加えて、人工知能の脅威も存在する現代。そんな背景から

P-220

いまの若い人たちには、どんな未来が待っているのだろうか?これまでのどの世代にもまして、いまの若い人たちの未来は、科学とテクノロジーに依存するだろうということだ。科学は、かつてない形で日々の暮らしの一部になるだろうから、いまの若い人たちは、これまでのどの世代よりも科学を知らなければならない

納得する一方、きっと、1960年あたりの、鉄腕アトムが人気だったころも、同じような示唆はあったと思います。そういう意味では、決して突然の指摘ではなく、もともと、人類にずっと前から投げかけられていたもの。もっと具体化すると

P-221

私の考えでは、人類の未来のためにできることはふたつある。ひとつは、人類が生きていくのに適した惑星を求めて宇宙を探査することらそしてもうひとつは、地球をより良いものにするために人工知能を建設的に利用することだ

 

最後に

ホーキング博士の最後のメッセージは「科学に興味なしでは済まされない」ということでした。科学者らしいと言えば、その通りですが、これだけ広範な話をいくらでも深掘りできる人の言うこと。さすがにグッときます💦

それにしても、なんとも、興味深く、面白い本を読むかける人。それだけでも、彼の死は惜しいですね💦

 

また、次回。

 

#ビッグ・クエスチョン

#ホーキング博士

【クォーク①】伸び代あるセンターポジション💦しかも、この本、文字通りのバイブルだそうです。

こんにちは、カタツムリ系です🐌

量子力学という役には立つけど、なんだかモヤモヤしたエリアの先にある「素粒子物理学」。この本の主題です。さらに、モヤモヤを楽しめそうです。

クォーク 第2版 (ブルーバックス)

出典はアマゾンさん。

関連の記事↓

 

P-7

素粒子物理学の目的は物質の究極的構造と、それを支配する基本法則を明らかにすること

原子とか原子核なんかより、もっと小さな単位で、物質を研究する分野。クォークも、そんな小さな小さな単位をとる存在の名称です。この素粒子物理学を専攻されていた方なんていうのは、当然、縁遠い訳ですが、一度だけ肉眼で見たことあります。ツチノコくらい遭遇しにくそうです💦

本書↓の一読後感じるのは

  •     なんかワチャワチャしていること
  •     その未整理な分、多めの伸び代

の二点です。「伸び代」なんて、上から目線を私がとれるわけもないので、本書↓から、得た情報です。

P-7

幸いにして日本は素粒子物理学にこれまで第一流の貢献をしてしました

まさに、センター。しかし、

P-189

この本をここまで読まれた読者諸君はおそらく、素粒子物理はモデルの寄せ集めに過ぎず、定性的にもろもろの事実を説明できても定量的に答を出すことができないのみならず、すべてを系統的に導き出せるような根本理論がないという印象をもたれたのではないだろうか

ここで、ワチャワチャ感。でも、謙遜かと思いきや

P-189

このような批判に反駁することは難しい

まぁまぁ、本音のようです。しかし

P-8

さらにおどろくべきことは、極大の世界である宇宙全体の歴史が極小の世界の問題と切り離せなくなったことです

伸び代!!「センター」「ワチャワチャ感」「伸び代」。なんか、有名なアイドル・グループの「売り」のようにも感じます。

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【目次】

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本の「帯」の「宣伝文句」が凄い

「帯」とは、表紙の上に、巻いてある宣伝用のツール。その文言というのが次の通り。

科学新書No.1

ノーベル物理学者が素粒子物理学の世界をわかりやすく解説!日本の物理学者が必ず読んでいるブルーバックス普及の名作。2008年ノーベル賞

最大限の賛辞と言えましょう😊ちなみに

✖︎ ノーベル物理学賞受賞者

◎ノーベル物理学者

なんですね。「ノーベル物理学者」なんて意味は分かりますが、なんか、軽い感じかします💦

 

本の「帯」の「大きさ」が凄い

帯なんて、普通、表紙の三分の一なのに、表紙の半分も!結構インパクトあります💦

 

クォークのポジション

クォークとは

P-23

基本粒子とは現在の時点でのエレメント、すなわち物質を構成する最も基本的な単位

の一つのようです。ほかにはレプトンというのもあります。もっとも

P-25

他にニュートリノ(ν=中性微子)、ミューオン(μ=ミュー)などがレプトン属の基本粒子

なんていう説明もありますが、私自身が整理未了なんで割愛💦ちなみに、あと、バリオンとかメソンとかハドロンとか💦いろいろ出てきます。

 

やたらとフォーカスされる加速器

相当な大規模な装置で、かつ、粒子同士を光速に近い速度でぶつけ合って、実験をするのだの聞いています。しかし、そんなスピードで、クォークみたいな小さいものをぶつけ合って、大丈夫なんでしょうか。いろいろ、壊れたり、変質しそうですが💦しかし

P-44

素粒子物理のシンボルは大加速器である。これがなくては素粒子の実験はできず、実験なしでは物理は進歩できない

そこまで重要なんですね💦

 

またまたオカネの話

P-45

莫大な国家予算を投じて大加速器を建設することに文化的価値を認めうるわけもである

本書は1998年初版。予算取りにこんな強気なんて、今とは相当環境が違うようですね。今は、科学者の方は予算取りでヒィーヒィー言っておられるイメージあります。

 

じゃあ加速器で具体的に何をやっているのか

P-46

素粒子の実験の根本原理は至極簡単なものである。二個の粒子を衝突させて何が起こるかを見るに過ぎない。

んー、シンプル。

 

で、どんなアウトプットが?

P-46

衝突の結果、一般にいろいろな粒子が作られる。中には不安定で普通物質の中には見られない粒子も生まれる。

うまく言えないですが、なんか、変なもの、さらには、作ってしまったらマズイようなものも出来てしまうのでは?実際、世界最大の加速器をもつスイスのCERNは、自前でブラックホールを作ってしまう可能性のため、周辺住民から訴えられたことあるとか💦

CERN(せるん)とは - コトバンク 

そして、新規生成された粒子の行方は?

P-46

このような粒子はいったん生成されたあと、ほかの粒子に「崩壊」してしまう。何に崩壊するか、また崩壊するまでの時間(半減期)がどのくらいかは、はじめの衝突反応自体とともに重要なデータ

最初から「崩壊」することは前提なのですね。どのように、そして、どのくらいで崩壊するのかも使い勝手あるのだとか。なんか、静かな不気味さを感じさせる実験具合💦

 

最後に

やっぱり、ちょっと奇妙です💦

 

また、次回。

 

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