カタツムリ系@エンタメ・レビュー (ポップ・サイエンスはデフォルト)

映画・本・動画といったエンタメのレビューを友人に語りかけるように書きためています。映画は、おすすめポイントと大好きなカットに焦点。本や動画でポピュラーサイエンスやオカルトをエンタメとしてカバーしているのも特徴。

宇宙論にも「タブー」と「忖度」あります💦【言ってはいけない宇宙論】

こんにちは、カタツムリ系です🐌

宇宙論」という言葉があるのですね。あまりに広すぎるカバー範囲をもつ、このワード。しかも「言ってはいけない」という、宇宙論のタブーを取材したもの。宇宙論にタブー?!

宇宙全般を扱っている点、テーマは壮大ですが、情報共有のジャンルとしては、なかなかニッチなアプローチ💦

こちらもタブーではないものの、しくじり系のトピック↓

 

宇宙を始めとするサイエンス情報にも、多少親しみが生まれてきました

そろそろ「これ、知ってます!」というトピックが増えてきました。宇宙のような超マクロなものから、量子のような超ミクロのものまで、驚きの連続ではあります。そのため、宇宙科学を始めとしたサイエンスが見せてくれる、一見非常識的な情報も、以前ほど「なんでもアリだなぁ」と思うこともなくなりました。

  •      モノはすべてツブ(粒)であり、同時にナミ(波)だとか
  •      その考え方を延長すると、宇宙は無数にあってもおかしくない

なんていう説明も、もはや違和感も無くなりました。宇宙を理解するには、知識的なものはもちろん、宇宙の不思議な性格をそのまま受け入れる「達観」のようなものが必要なようです💦

宇宙を構成する物質がもつ、粒子性➕波動性という「二重性格」は、ミクロの世界の不思議さそのもの!しかし、ミクロの世界だけで完了するものではないようです。

なんと、こうした不思議さは、宇宙という超マクロ世界にまで通用するなんて💦

宇宙では日常的に起こるものの、我々には非日常的と感じられることにも、そろそろ慣れてきたと思ったら、今度は急に俗っぽい「忖度」の話題も出てきます。色々、忙しい💦宇宙も、ツンとしてはいられないようです。

しかし、有難いことは、これでお腹いっぱいというより、一層の深掘りに興味あること😊しかも、宇宙論が対象。本書↓への期待は高まります。

言ってはいけない宇宙論 物理学7大タブー (幻冬舎新書)

言ってはいけない宇宙論 物理学7大タブー (幻冬舎新書)

 

出典はアマゾンさん

 

 

 

タイトルで「言ってはいけない」と念押しするくらい、宇宙論にもたしかに大きな問題点がたくさんあります。当時の現場では、相当「忖度」あったよう

宇宙を扱うような科学もそこそこ俗っぽい

P-3

科学の実情はそういう美しいものとも限りません。若手の正しい主張が頑迷な長老に否定されることもあれば、冷静とも理知的とも呼ばない泥仕合が繰り広げられることもあります

たしかに、アインシュタインによる、量子論への攻撃はクドかったと聞きます。彼も相対性理論によって建設した美しい宇宙像も、散々攻撃するされたそうですが、「やられたら、やり返す」といった感じでしょうか。まぁ、やられた相手とやり返す相手は異なりますが💦

たお、量子論は今でも、役には立っていても「土台となる理屈」は全く分かってないようです。  じゃあ、そんな量子論も適用されるべき宇宙論も、土台はガタガタ?!

アインシュタインのしくじり

そして、なにより「宇宙は均整のとれた美しい存在であるべき」というアインシュタインの崇高な美学、もしくは強固な信念が、彼の「宇宙の全てを説明してみせる統一理論」への道を閉ざしたようです。宇宙をすべて説明しようなんて、なんと野心的な試みでしょう。しかし、現代の物理は、宇宙という存在に、そこまで肉薄しているそうです。

それにしても、ウォーホールのコラージュで見られるのは、知的でポップな印象。そんな印象とは残念なほど正反対な、俗っぽいアインシュタインの振る舞いではあります。

ウォーホルとは - コトバンク

でも、栄光ある、かの天才アインシュタイン泥仕合は「言ってはいけない」のかもしれません。美しい宇宙を描いた相対性理論も、変なケチはつけずに、美しいままで守りたい気はします。

 

恐らくは、もっとも、ぶっ飛んだ「物理的仮説」。宇宙や世界は無数にあるという仮説。

P-105

多世界解釈は広く知られるようになりました。コペンハーゲン解釈とちがい、波動関数の「不可解な」収束を含まないため、好む人も多くいます(中でもSF作家は多世界解釈が大好きです)

僭越ながら簡単にコペンハーゲン解釈の説明を。でも、改めて書くと、微妙に不安ですね💦

  •      モノはすべてツブ(粒)であり、同時にナミ(波)
  •      なので、どこに、どんな形で存在するかは、定まらず、位置は確率的にしかわからない
  •      でも、人間が見るときには、そんなナミ(波)がギュッと収縮して、ひとつにまとまります。そうであれば、現実社会の感覚と一致します。この「仮説」がコペンハーゲン解釈
  •     この仮説は、波動関数でも裏書きされていること(=コペンハーゲン解釈と、そんなに相違がないこと)を「収束」(=うまく収まっている)すると言っている

というものです。

この説明のどこが一番無理があるかと言えば、「モノはすべてツブ(粒)であり、同時にナミ(波)」という箇所ではないそうです。「人が見ると、それらがギュッと収縮する」という仮説の部分だそうです。

そんな強引な仮説はやめて、すなわち「収縮」なんてしないと「素朴に」考えると、たくさんの宇宙、複数の宇宙が並行的に存在するという解釈に導かれるということです。

宇宙の全てを説明するといったり、宇宙は並行的に存在し、宇宙は無数にあるなんて、なかなか、騒がしいことです💦

これらのロジックを、改めてレビューしてみると、常識からは、かなりジャンプした内容。このドギツイ、非現実的に見える現象は「言ってはいけない」のかもしれません。しかし、多元的宇宙という魅惑的な観点の出発点です。

ちなみに素粒子理論だと、諸説あるようですが

P-220

私たちの暮らす宇宙は実は11次元だというのです

私もびっくりですが、宇宙もびっくり💦💦💦ドッペルゲンガー現象ではありませんが、宇宙も、知らない兄弟が無数にあるなんて、驚きでしょう💦

 

でも、現実社会に役には立っている量子論

P-112

トランジスタなどの半導体素子とそれを用いる電子機器や(普通の)でコンピューター、レーザー、原子炉、核兵器量子化学分子生物学、新素材、医薬品等と現代社会を埋め尽くす圧倒的な数の製品は全て、量子力学の正しさの証明です

これは「言ってもいい」ことですね。アインシュタインのような、昔気質(ムカシカタギ)の理論物理学者は、

  • 理屈上は→モヤモヤしているのに、
  • 現実には→役に立っている

というのは、アンハッピーな状況なことでしょう。たしかに、現代は、理論先行の科学者より実践的なエンジニア👩‍💻が喜ばれる社会のように見えます。つい50年くらい前は「物理学帝国主義」などと言って、物理が、そして科学者が、もてはやされた時代もあったようです💦宇宙論も崇高なコンセプトと言うより、実験を通して手が伸ばせる身近なものとなったようです。

 

究極の「大統一理論」である「量子重力理論」

宇宙にデフォルトで備わる「四つの力」、すなわち

  • 重力  
  • 電磁気力
  • 強い力
  • 弱い力

を総合的に説明し、それゆえに、宇宙の誕生も含め、宇宙を包括的に説明することが期待されている「量子重力理論」。これぞ、宇宙の統一理論と言ったところでしょうか。かつてから、折り合いの悪かった、量子論一般相対性理論を統合した理屈だとか。

素晴らしい😊

かつて、アインシュタインも挑戦したものの、成功しなかった、宇宙の全てを説明する「大統一理論」。しかし

P-197

できてはいないが名前だけある新理論

なのだそうです💦

物理学は予言好きなのかもしれません💦 もっとも、百年くらい前に、アインシュタインが、その存在を予言した「重力波」は2016年に観測され話題になり、それはそれで格好いいですが。「重力波」もまた、宇宙誕生に肉薄するための有力なツールだとか。

重力波(じゅうりょくは)とは - コトバンク

 

まとめ

これまでのストーリーをまとめてみると

  • 宇宙は均整がとれていて美しい存在、というアインシュタインの美学とか信念は誤り
  • 量子力学が突き止めた、全てのモノは、粒子であり波であるという「怪奇な」現象は、真実。
  • 量子力学は、現実社会でコンピューターやレーザーなどで、活躍中。
  • アインシュタインも夢見た「統一理論」は量子重力理論として実現されることに期待が集まる

というものです。

宇宙の全てを説明し尽くす「予定」の「統一理論」としての「量子重力理論」。この理論を解説している本もチラホラ見かけます。今後の充実度の進展が楽しみです😊

 

また、次回

 

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